オレが統一したいのは 二人の心 分かるだろ?
言ってるんでしょ 同じこと 他の小姓の耳元で

出典: 敦盛2011/作詞:安部裕之 作曲:奥村愛子

続いて詰め寄る信長さん、かわす蘭丸のやりとりが続きます。

天下統一を目指した信長。

しかしここで統一したいのは、信長と蘭丸2人の想いなのです。

共に愛を確かめ合いたい信長さんですが、蘭丸はやはりつれない様子。

多くの部下や小姓を抱えた魅力的な信長。

だからこそ、自分だけに愛を囁いているなどとは信じられないのです。

蘭丸と武田勝頼

君が信じてくれるなら どんな願いも叶えよう
武田勝頼討ち獲ったら 城持ち大名になりたいな

出典: 敦盛2011/作詞:安部裕之 作曲:奥村愛子

願いを叶える作戦に出る信長さん。

あの手この手で蘭丸の心をとらえようと必死です。

そんな蘭丸の願いとは…「城持ち大名」。

史実でも蘭丸は武田勝頼との戦いとなった甲州征伐に貢献し、領地と城を与えられています。

信長の側に仕えていたため実際に城で過ごしたわけではありませんが、立場上は城持ち大名となったのです。

蘭丸のお願いを信長さんが聞き届けた結果かもしれません。

それほどに信長さんは蘭丸に夢中なのです。

そして、そんな中ちゃっかり現実的な願いを叶える蘭丸。

振り回されているのは、本当は信長さんの方なのかもしれません。

君しか「おらん」

楽市楽座できない君

君だけだよ おらん
楽市楽座は ノーサンキュー
君だけしか おらん
愛の敦盛 独占させて

出典: 敦盛2011/作詞:安部裕之 作曲:奥村愛子

サビの部分に入ります。

「おらん」は、信長が呼んでいたと言われる蘭丸の愛称

一途に愛をささやく信長の姿が印象的です。

楽市楽座は、商売を自由にできる経済政策。

信長は楽市楽座を行い、経済を発展させたということで有名です。

しかし、大事な蘭丸は楽市楽座で自由に手放すわけにはいきません。

誰にも渡したくない、信長さんの独占欲が見える一節です。

そして2度目の「おらん」は、「君しかいない」の意味と蘭丸の名前をかけています。

うまく歌詞と名前がかかっていて印象的です。

ここで登場する敦盛は、前述した通り信長の好んだ幸若舞からきています。

ですがそれだけではなく、「美少年」のイメージも伝わる表現です。

そして音からは「熱く盛り上がる」というニュアンスも感じられます。

愛する美少年を独占して、熱く盛り上がりたい…。

そんな信長さんの一途な愛が歌われているのです。

この想いビリーブ

ビリーブ
下天の内をくらぶれば
夢幻のごとくなり
今宵 2人でうつけよう

出典: 敦盛2011/作詞:安部裕之 作曲:奥村愛子

南蛮文化にも詳しかった信長さん、さすが横文字も使いこなします。

信じてほしい思いを伝える信長さん。

続くのは、幸若舞「敦盛」の有名な一節です。

信長が好んだというこの一節。

下天というのは現世のことを指します。

極楽や天界から見た現世は儚いもので、まるで夢や幻のように一瞬に過ぎてしまう。

この頃の寿命は概ね50年程と言われていたことから人間の一生とも解釈されています。

人の世の儚さを思う言葉です。

しかし、2人の恋となれば話は別。

一瞬で過ぎてしまう儚い人生…。

だからこそこの瞬間を熱く盛り上がりたい。

「うつけ」というのは若い頃の信長をいう言葉で、「馬鹿者」のような意味合いでした。

今宵は2人でうつけとなって熱い夜を過ごしたい

そんな信長さんの情熱的な愛が現れたフレーズです。

攻める信長とつれない蘭丸

ホトトギスが鳴かなくても諦めない信長さん

君の心の包囲網 解いてみせるさ ホトトギス
聞きたくないよ 永遠に もう尾張だね そんな洒落
三段撃ちで 愛してる 聞かせてくれよ ホトトギス
言わせるんでしょ 同じこと 他の小姓の唇で

出典: 敦盛2011/作詞:安部裕之 作曲:奥村愛子