KOJOEが「Salud feat.MUD & FEBB-illmore Remix-」を公開
2017年11月にリリースされたKOJOEのアルバム「here」に収録されていた「Salud feat.MUD & FEBB」。
今回それを「Chiliで気持ち良い音楽」をテーマに活動するライフスタイルレーベル、Chilly Sourceに所属するillmoreがリミックス。
2018年10月2日、そのMVが公開される運びとなりました。
どうして最新作の「2nd Childhood」ではなく、前作の「here」の楽曲が今引っ張り出されたのか。
それは、この曲で客演として参加しているFebb as Young Masonのことが関係してのことだと思われます。
Febb as Young Masonの早すぎる死
ご存知の方も多いでしょうが、Febbは2018年2月15日、24歳の若さにしてこの世を後にしました。
詳細な原因などはわかっていませんが、ただ「早すぎる」の一言。
多くのヒップホップファンに衝撃を与えたことは記憶に新しいですね。
10代でFla$hBackSの一員として華々しいデビューを飾ったFebb。
その才能も相まって、伝説のような存在としてこれからも語り継がれていくのでしょう。
今のタイミングでこの曲のリミックスを公開したというのは、KOJOEのFebbに対するリスペクトの表れ。
彼の死を目の当たりにしたとき、きっと一緒にレコーディングしたその様子も蘇ってきたのでしょうね。
もう一人の客演MUD
Febbともう一人ゲストとして参加したのはMUD。
世田谷出身の16人からなるヒップホップクルー「KANDYTOWN LIFE」の一員です。
2017年にはソロ名義でのデビューも果たし、まさにこれから波に乗ろうという期待のラッパー。
ソロデビューの年にKOJOEの楽曲へのオファーがあったのも、その勢いの成せるものではないでしょうか。
アルバム「here」について
「Salud feat.MUD & FEBB」について語る前に、収録されていた「here」というアルバムにも少し触れておきましょう。
「here」はKOJOEにとって4年半ぶりのソロアルバム。
満を持したというところでしょうか、その内容も18曲とボリュームたっぷりといった感じ。
なんとそのうち11曲は他のアーティストとのコラボとなっています。
バラエティー豊かな楽曲群に最後まで飽きずに楽しめる内容となっているのではないでしょうか。
リリースの時期に見せていたKOJOEの考え
本場仕込みの圧倒的な技量で注目を集めるKOJOE。
このアルバムリリースの頃にもその手腕を頷かせるストイックな姿勢を見せていました。
彼が語るには「ヒップホップはまだまだ舐められている部分がある」といいます。
歌のようにハッキリとした音程のないラップは、馴染みの薄い人からすればとっつきにくいもの。
まだまだ色物として見られている側面は否めません。
ヒップホップの本質は、ダンスミュージックと呼ばれるように人を踊らせることにあります。
クラブ文化が浸透しているといっても、それは飽くまでもそこに通う人の文化。
その心地良さを理解するハードルは意外と高いのかもしれませんね。
ストイックな考えと和気あいあいとした制作
これに対してKOJOEは「ポピュラー音楽にしか興味がない層も感動させられる曲を作れないとダメ」と語っています。
単純に自分の音楽だけではなく、シーンの未来を切り拓こうとする意志がその言葉に表れていますね。
そうは言っても、作品自体は「いろんな人が集まってくれたおかげで楽しく作れた」とのこと。
制作はストイックというよりも、和気あいあいとした雰囲気で行われたことが垣間見えます。
ヒップホップのイメージを変えたいという想い。
そして単純に音楽を楽しむ様子がこの作品からも感じられるのではないでしょうか。
レコーディング風景を収めたMVを紹介
MVのディレクションを務めたのは山本イクオ氏。
KOJOEや仙人掌といったヒップホップアーティストを中心に手掛けるMVに特化した映像作家です。
中には氣志團のようなポピュラーのアーティストの作品も。
映像の内容は夜の街をドライブするKOJOEと、この曲のレコーディングの様子が映されたものとなっています。
楽しそうに笑顔を交わす3人の姿が沁みますね。