意味深なタイトルが表すものは…?
1stフルアルバムの表題曲!
ニコニコ動画出身のn-buna(ナブナ)さんと、ボーカリストsuis(スイ)さんによって結成されたヨルシカ。
今回は彼らの楽曲『だから僕は音楽を辞めた』をご紹介します。
2019年4月10日にリリースされた、1stフルアルバムの表題曲です。
とても意味深なタイトルですが、一体なぜ「音楽を辞めた」のでしょうか。
美しいアニメーションで描かれたMVを中心にご紹介いたしますが、歌詞についても解説していますので、是非最後までご覧ください。
MVを徹底解説!
どこまでもついてくる女の子
駅のホームで10代とみられる男の子と女の子が並んで立っているところからMVは始まります。
男の子の顔は靄のようなものがかかっていて、顔立ちや表情がよく見えません。
彼はクルっと女の子に背を向けて、一人歩き出しました。
その後ろを女の子は黙ってついて行きます。
真っ青な快晴の空に向かって、白い鳥が羽ばたくシーンが印象的ですね。
川沿いにあるような道をひたすら歩く男の子。
土手にはグランドピアノがあるのも見えます。
これは「音楽」を象徴するものとして置かれているのかもしれません。
また、途中で彼がインクを手にして佇むシーンもありましたね。
インクは歌詞を綴ることを示しているのではないでしょうか。彼の様子はどことなく寂しそうにも見えます。
一方、男の子はどんどん先へ進み、大きな拡声器がいくつかついた、見張り台のような建造物にたどり着きました。
彼は見張り台の一番上から紙飛行機を飛ばします。
女の子の姿は消えてしまったかのように思いましたが、実は拡声器の近くに潜んでいました。
この拡声器は歌を歌うこと、もしくは音楽を表現することを示しているように思えます。
暗い海の中を歩く男の子
桟橋で何を思うのか
紙飛行機を飛ばした後、男の子は深海をひたすら歩き続けます。
もはや女の子は後ろについてきていないようです。
孤独に歩き続ける彼が、ふと上を見上げると光が海の上から差していました。
海の中が光に透けて、とても美しい映像です!
あの麦わら帽子をかぶった女の子の姿が再び男の子との脳裏に現れます。
この時、後ろ姿しか見えない状態と言うのもなんだか暗示的ですね。
気がつくと舞台は再び地上に戻っていました。
MV前半と違うのは、空は真っ赤に染まっているということ。
朝焼けもしくは夕焼けのように見えます。
その後、男の子はとぼとぼと一人で寂しげな道を歩き、桟橋へとたどり着きました。
彼は桟橋の先端で、青空の下でこちらを向く女の子や、2人でいた駅のホームを思い浮かべます。
最後には男の子の姿が消えてしまうところでMVは終わりました。
「だから僕は音楽を辞めた」
という歌詞と共に消えてしまったので、恐らく彼は桟橋からどこかへ旅立ってしまったのでしょう。
少女の正体は音楽そのもの?
気持ちの移り変わりを風景で表している
男の子の後はずっとついてきていた女の子の正体は、おそらく「音楽」そのものなのではないでしょうか。
そして、男の子が歩く道は彼の歩んだ人生を示しているのだと思います。
彼は始め音楽に対して強い憧れを抱いていました。
駅のホームにいたのは彼女と一緒にどこかへ旅立とうとしていたのではないでしょうか。
しかし彼は女の子に背を向け、別の道へと歩み始めます。
音楽と共に生きるという選択をしなかったということです。
それでもついてくる女の子は、彼が音楽への情熱を完全に捨て去ることができないことを表しているのだと思います。
ずっと未練があったということですね。
高台で紙飛行機を飛ばした後は音楽から完全に決別し、別の世界である海で生きて行こうと思ったようですが…
それでもやはり彼の音楽への気持ちは消えませんでした。
最後に彼が赤く染まった空の下歩いているというのは、時間の経過を表しています。
また、 彼の音楽へのポジティブな気持ちがだんだんと別のものへと変わっていったという表現にもなっているかもしれませんね。
歌詞を読んで分かる通りずっと音楽への気持ちを引きずっていた男の子。
ついに最後には完全に諦めてしまう…そんなラストに見えます。
さて、MVですでに答えが出ているかと思いますが、次は歌詞も解説してみましょう。
歌詞もチェックしてみよう!
君との会話
考えたってわからないし
青空の下、君を待った
風が吹いた正午、昼下がりを抜け出す想像
ねぇ、これからどうなるんだろうね
進め方教わらないんだよ
君の目を見た 何も言えず僕は歩いた
考えたってわからないし
青春なんてつまらないし
辞めた筈のピアノ、机を弾く癖が抜けない
ねぇ、将来何してるだろうね
音楽はしてないといいね
困らないでよ
出典: だから僕は音楽を辞めた/作詞:n-buna 作曲:n-buna