まずは、AメロとBメロの歌詞を紹介。
いきなり、わちゃわちゃ感MAXな出だしになっております。
いやはやこれぞでんぱ、これぞ玉屋といった感じですね。
玉屋2060%の曲にはよく「でんぱ」というフレーズが登場します。
自分のユニット名をここまで叫ぶアイドルもそういないでしょう。
「夏最高!」ではないインドア派の叫び
プレシャスサマー 暑くてやべー
ちょっ太陽例年よりでかいんじゃない
なんかお疲れのようですが
どんちゃん騒ぎ 行くしかないしょ
プレシャスサマー 陽射しがすげー
もうどんどん体温上昇してんじゃない
ちょっと格別なこの夏を
もっともっとスペシャルにしませんか
出典: プレシャスサマー!/作詞:玉屋2060% 作曲:玉屋2060% 編曲:玉屋2060%
らせらせらぱりら ちちんぷいぷい
わけわけわかめの踊り唄で
さぁとんでもないことやろーぜ
ギャラクシーみんなハピネス
らせらせらぱりら ちちんぷいぷい
わけわけわかめの踊り唄で
ずっとずっとずっと この世界はどうやら
ぐれいとぐれいたーぐれいてすとぅいんく.inc
出典: プレシャスサマー!/作詞:玉屋2060% 作曲:玉屋2060% 編曲:玉屋2060%
続いて、サビ部分とCメロを紹介します。
一見「夏だからテンション上げていこうぜ!」みたいな歌詞に見えます。
でも実はちょっと違うんです。
この部分で注目したいのは「暑くてやべー」と「陽射しがすげー」。
これは決して高いテンションで言っているセリフではないでしょう。
「あちぃ……」と汗を拭きながら言っている雰囲気が伝わります。
でんぱ組.incはそもそもオタクの集まりです。
忘れちゃいけないのは、彼女たちはアウトドアより断然インドア派ということ。
本来はサマーソングがあまり似合わない人種なのです。
それでも頑張ってテンションを上げていく。そこにキュンとしちゃいますね。
サビの部分は、もういよいよカオス状態になっています。
ほぼ漢字がないので並べてみるとちょっと見づらいほど。
ついには自分たちで「わけわかめ」と言ってしまっている始末です。
でも聴くと、この部分めちゃくちゃキャッチーな一節になっています。
メッセージがあるかは分かりませんが”耳が気持ちいい”パートです。
「でんでんパッション」とリンクさせた世界観
「あっそろそろ夏がはじまる」
やっぱり今年も夏コミだね
やっぱ夏は暑いっすねー
家でアイスを食べたいでござるぅー
アイス買ってくるけど食べる人ー
あっそろそろ夏が始まる
出典: プレシャスサマー!/作詞:玉屋2060% 作曲:玉屋2060% 編曲:玉屋2060%
「プレシャスサマー!」の2番には、メンバーが「語る」瞬間があります。
それが上の歌詞です。
でんぱ組.incのファンならピンとくるのではないでしょうか。
この歌詞「でんでんぱっしょん」の語りの部分に似ています。
「この先大丈夫かな…」
「不安‥」
「厳しい世界だからね」
「舐めんな!とか言っちゃったしさぁ」
「大丈夫!みんながいるし、仲間だもん!」
「えいたそは元気だな~…」
「あ、そろそろ始まるっ」
出典: でんでんぱっしょん/作詞:畑亜貴・もふくちゃん 作曲:玉屋2060%
「プレシャスサマー!」の「やっぱり今年も夏コミだね」というセリフ。
この言葉だけが、夏に前向きですよね。
一方「でんでんぱっしょん」。
「大丈夫!みんながいるし、仲間だもん!」というセリフだけが前向きですよね。
この2つのセリフを担当しているのが、元気印の成瀬瑛美です。
2つの楽曲で、彼女のキャラクターをかぶせています。
また「プレシャスサマー!」最後の「あっそろそろ夏が始まる」というセリフ。
こちらも「でんでんぱっしょん」の「あっそろそろ始まるっ」とかぶせてあるのです。
ちなみに両方とも担当しているのは、ピンキーこと藤咲彩音。
「でんでんぱっしょん」は、でんぱ組.incが世間に知れ渡るきっかけとなった曲。
再出発を果たした今年、初心に帰るという意味でもこのセリフを使っているのかもしれません。
曲調についても徹底解説
出だしからテンション最高潮なアッパーチューン
ぜひ楽曲をダウンロードして聴きながら見てください。
映画「キル・ビル」の「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」を思わせる出だし。
そこからは、いきなりテンションMAXなイントロです。
高速ツービートに乗せてキャッチーなシンセサイザーがうねります。
開始10秒でこのキャッチーさ。玉屋2060%らしさ全開のスタートですね。
Aメロではシンコペーションの踊れるビートに。
ダンサブルなギターロック調のリズムを混ぜたと思ったら、Bメロではまたも高速の2ビート。
ちなみに筆者は最初に聴いたとき、Bメロ部分をサビだと思いました。
それくらいキャッチーなメロでたたみかけてきます。
3種類のサビがやってくる”神曲”
Bメロが空けたらサビがやってきます。
リズムが2ビートから4つ打ちになったのと、サビ前の決め、Bメロを上回るキャッチーなメロ。
その3つを聴いて「あ、さっきのBメロだったんだ」と判断しました。
このサビもまぁ、パンチ力抜群です。
こぶしを上げ下げするかわいすぎるダンスも相まって、目と耳に残ります。
しかしこのサビ明けの展開に驚きました。
なんと転調してもう一度盛り上がりのヤマが来るのです。
「嘘でしょ。またもやサビがきたんですけど……」。
こんな衝撃、中島みゆきさんの「時代」を聞いたとき以来です。
しかし2番ではこのメロは訪れないので、やはりサビでは無くCメロ的な扱いなのでしょう。
1曲にこんなに良いメロディを3つも詰め込むなんて、もったいない!
でもそれをキープせずに詰め込むのが、鬼才・玉屋2060%なんですね。
結果として、最早カオス感があふれまくる”でんぱ中毒者続出確定”な1曲となりました。