作詞作曲は諭吉佳作/menさん!

大多数に馴染めない人の気持ちを描いた

でんぱ組.inc【形而上学的、魔法】歌詞の意味を解説!なぜ自分らしさを譲れない?不器用でも貫きたい!の画像

2019年6月26日にリリースされた、でんぱ組.inc『形而上学的、魔法』。

その作詞作曲を務めたのは、なんと若干15歳の諭吉佳作/menさんなんです。

彼女はラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」主催の「未確認フェスティバル2018」で、審査員特別審査員賞を受賞したという経歴の持ち主。

以前からでんぱ組.incのファンだったという諭吉佳作/menさん。

「世の中の大多数に馴染めずに息苦しく」感じていた過去、でんぱ組には救われた気持ちになったのだとか。

その後、音楽活動を通じて自分にポジティブになれた…そんな経験が『形而上学的、魔法』には生かされています。

この記事では同曲の歌詞を解説していきたいと思います。

まずは、でんぱ組メンバーダンスが見られるMVからチェックしてみましょう。

MVをチェック!

ロケ地はどこ?

くるくる回る扇風機のようなものの中で浮かび上がるネオンライト。

(LEDライトで表示させるこの扇風機はUSB型など色んな形態のものがあるそうです。)

ライトが示しているのはこの曲のタイトルでした。

次に、薄暗い倉庫のような場所にメンバーが次々と登場し、ダンスを披露。

メンバー同士がダンスでリレーを繋ぐようなカメラワークで、奥へと進んでいくのが引き付けられる演出となっています。

そして、全員が集合し、ピンクのライトアップを浴びてダンスブレイク。

マネキンのように色んなポーズで静止するメンバー。

一人ずつ踊っては静止メンバーの肩に触れ、触れられたメンバーはカクカクとした操り人形のような動きを見せる場面も。

駆け出して行った先は?

静止していたでんぱ組は再び動き出しどこかへと向かいます。

その途中でも長回しのダンスシーンがあるので、必見です。

グループダンスがとても美しく、曲の歌詞を再現するようにも見えて素敵ですね。

フェードアウトしてシーンが切り替わると、彼女達は地下鉄の線路内にいました。

それぞれ別々の動きをしているのがアーティスティック。

かと思えば、同じ振り付けの部分も。

メンバーの衣装はそれぞれデザインが全く異なることにも注目。

ダンスすると、それぞれ衣装がヒラヒラとするのですが、メンバーそれぞれで翻る部分が違うのが面白いです。

最後に再び別々のダンスをしてMVは終了。

全員が同じダンスをする…というアイドルでよく見かける振り付けではないのが、著者は個人的に新鮮でした。

歌詞はこのそれぞれ「違っている」という事を歌う内容となっています。

次からはその歌詞について解説していこうと思います。

歌詞を解説!

周りに合わせようとしても…

ボールプールめいた雑多に
埋もれ 畳まれて 起こらないけれど
透明なコートで隠す わたしの一瞬を
どうしたってグラデーションに
水差す わたしの性 読めないならば
同じように均して 譜面次第のわたしになれるよう

頭が痛いの
誰かの吐いた空気に染まった中身で生きていると
本当ではないの
今日を成りすましている わたしを眺めているみたいなわたし

出典: 形而上学的、魔法/作詞:諭吉佳作/men 作曲:諭吉佳作/men

まず、「ボールプール」をご存知無い方にご説明しておくと、拳くらいの大きさがあるボールを水の代わりに敷き詰めたというもの。

良く子供向け施設にアトラクションとして用意されているのを見かけるのではないでしょうか。

そのボールプールにあるボールを人間に例えているということですね。

沢山の人々がひしめいている中で、この歌詞の主人公は自分のことを理解してもらえずに苦しみます。

悪目立ちしないために、いっそ自分を周囲に合わせようすることに。

しかし、自分ではない「誰か」のフリを続けるのは、違和感を感じる苦しい状態。

本当の自分は他人事のように偽っている自分を外から眺めている…そんな気持ちになっているようです。

やりたいことや言いたいことがあっても押し殺して、周りに合わせる。

違う考えを持っていても、周りの意見に合わせる。

そんなことを繰り返していると、確かにストレスが溜まりそうです…

どうしても溶け込めない

解け出して 寄り合って 固まるのきっと
ただのわたしにしかなれないでしょう

どんなに溶け込む模様を纏ったりしても
わたしを手放せないの この一瞬を
探して 応えていたかった ずっと

出典: 形而上学的、魔法/作詞:諭吉佳作/men 作曲:諭吉佳作/men

ボールプールのボールのように、ひしめき合う中でどんどん同じになっていく人々。

主人公は「そのうち、一つになっちゃうんじゃないの」と皮肉を言っています。

でも、その中に混じっていてさえ、どうしても「自分」以外にはなれません。

景色に溶け込むために迷彩服を着るように、「自分ではない誰か」を纏っていた主人公。

でも、その内には「自分」を秘めていました。

そんな時、「わたし」にはとあるきっかけが訪れるのです。

諭吉佳作/menさんがでんぱ組を知った時も、同じような衝撃があったのでしょうか。

自分の本当の気持ちを思い出した主人公に、どんな変化が訪れるのか。

引き続き、読み進めてみましょう。