メロディックパンクがブームになっていた頃に言われていたある種ジレンマのような話。

「カッコイイけど全部同じに聴こえる」というものがあります。

もちろん好きな人には違って聴こえるのでしょうが、ジャンルの特性故アレンジが似通ってしまうのは事実。

そんな中SHANKはこのジャンルで今も結果を出し続けています。

彼らのサウンドは似通ってしまうメロディックパンクの中でも唯一と呼べるものです。

それを成し得ているのは、彼らの遊び心ではないでしょうか。

ガレージロックを彷彿とさせるバンドの成り立ち

全校生徒が150人程しか居なかったという、3人の地元の地域性はすごくアットホームなものです。

彼らがバンドを始めたのも、友達の家に集まって楽器で遊んでいたのが最初だとか。

SHANKにとって音楽は単に遊びだったんです。

まさに好きこそものの上手なれとはこのこと。

遊びから来る探求心が彼らのサウンドを形作っていったのでしょう。

これは60年代アメリカのガレージロックの背景を彷彿とさせるような話ですね。

ガレージロックとは、ガレージ(車庫)で練習するアマチュアバンドが多かったことに由来する名称である。1960年代前半のアメリカ合衆国を発祥とする。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ガレージロック

「Smash The Babylon」というタイトルが意味するのは?

「Smash The Babylon」というタイトルも気になるところです。

Babylonというのは紀元前130年代に滅んでしまったメソポタミア地方の古代都市、バビロンのことでしょう。

どうして古代都市の名前がタイトルに使われているのでしょうか?

しかもSmashは「叩く」とか「破る」という意味。

あまりポジティブな印象は受けませんね。

これに込められているのは、こんな意味ではないかと推測しました。

バビロン捕囚

バビロンを巡って起きた大きな事柄の一つに「バビロン捕囚」というものがあります。

バビロン捕囚(バビロンほしゅう)は、新バビロニアの王ネブカドネザル2世により、ユダ王国のユダヤ人たちがバビロンを初めとしたバビロニア地方へ捕虜として連行され、移住させられた事件を指す。バビロン幽囚、バビロンの幽囚ともいう。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/バビロン捕囚

バビロンには当時、多くのユダヤ人が捕虜として囚われていたのですね。

「Smash The Babylon」はこのことにちなんだタイトルではないでしょうか。

かといって今の時代に捕虜のことを歌うことは考えにくいですね。

これは単に表現の一つで「囚われているものをぶち壊せ!」という意味ではないでしょうか。

こう考えるだけで心理描写の見えるタイトルになります。

歌詞はまだ公開されていませんが、背中を押してくれるようなそんな内容が想像出来ますね!

これはこの後紹介するMVにもリンクするものなので、その内容にもご期待ください。

スーツ姿がカッコイイMVを紹介

いよいよ「Smash The Babylon」のMVをご覧いただきましょう。

SHANKの3人もスーツでパリッと決めた姿で登場。

スパイ映画のワンシーンを彷彿とさせる爽快な映像になっていますよ!

洋館を舞台にした解放劇

MVはSHANKの3人が洋館へ入っていくところから始まります。

洋館には首輪を付けられた女性たちと、金に物を言わせて彼女たちを思うままにする太った男。

囚われの身の女性たちが、タイトルの「Smash The Babylon」とリンクしていますね。

爽快な銃撃戦を展開

映像後半で男と女性たちの前に颯爽と現れるSHANK。

次の瞬間には3人並んで銃を構えます。

そこから銃撃戦が描かれるのですが、その様子はなんとも爽快!

楽曲のスピード感と重なり、見応えありの内容になっています。

その結果女性たちは男から晴れて解放。

まさにSHANKが、彼女たちが囚われているものをぶち壊したのです。

最後は両手を縛られ頭に袋を被せられた男の姿も。

滑稽なその様子はパンクっぽさを意識したものでしょうか。