アジア太平洋戦争で活躍した「隼I型」や「紫電」が登場するアニメ。
しかし、アニメは「GEMBA」のオリジナルです。
「空戦が日常」をテーマに繰り広げられ、少年の心をワクワクさせてくれます。
登場人物は西洋風で戦時のダークな印象はありません。
カウボーイの世界に当時の戦闘機を織り交ぜた新しい趣向。
物語は「コトブキ飛行隊」、「オウニ商会」、「ナサリン飛行隊」の三者鼎立です。
それぞれの思惑が交錯し、ストーリーが展開していきます。
PVも公開されているので興味のある読者はチェックしてみてくださいね。
曲のテーゼは空戦
非情な世界
憧れた青いアオ
自分地を蹴り上げた
出典: ソラノネ/作詞:ZAQ 作曲:ZAQ 編曲:ZAQ
アニメ「荒野のコトブキ飛行隊」は突然、空が陥没。
いいものや悪いものが降ってきたという設定です。
そこには常に”空”が描かれています。
歌詞の”青いアオ”とは主人公の住む世界に荒涼と広がる空です。
そこに”憧れた”という修飾語がつきます。
子どもの頃から見上げていた空に行ってみたいという願いがあります。
それが飛行隊の一員となることでした。
”地を蹴り上げた”は夢に向かって決意した日。
そして、行動を起こした様子を描いています。
聞かせてよ君だけのソラノネを
出典: ソラノネ/作詞:ZAQ 作曲:ZAQ 編曲:ZAQ
アニメでは”隼”や”紫電”などの旧日本軍の戦闘機が登場します。
空で聴こえる音は雷などの気象現象のほかに飛行機の音もあります。
操縦する人によって翼の音は変わります。
それが”ソラノネ”なのです。
”君だけの”は個性の発揮を薦める表現です。
他の人にはできないオリジナルのエンジン音。
それを荒涼たる大地や天網恢恢たる空に響かせてほしい。
そういった感情を伝えているのです。
飛び立つ重力を味方につけて
もう一度何度でも笑いながら
出典: ソラノネ/作詞:ZAQ 作曲:ZAQ 編曲:ZAQ
万有引力の法則を見つけたのはニュートンです。
その重力に逆らうことは古来から人類の夢でした。
それを実現したのがライト兄弟。
鉄の物体が空を舞った瞬間です。
”飛び立つ重力”とは飛行機を表しています。
ここに違和感があります。
重力は地球の中心に向かう力です。
その力は下、つまり地面に向かっています。
ところが”飛び立つ”力は天に向かうもの。
この反対の意味の言葉の組み合わせが歌詞の素晴らしさです。
ZAQのセンスを感じる一節と言えるでしょう。
夢と現実
守るべき淡い泡 儚く弾けた声
残せたか君だけのソラノネを
出典: ソラノネ/作詞:ZAQ 作曲:ZAQ 編曲:ZAQ
ここは切ない一節です。
航空隊はたいてい数機でチームを組んで敵機を撃墜させます。
そこでは交信が欠かせません。
仲間の機体が撃ち落されると交信が途絶えます。
それを”儚く弾けた声”と表現。
儚いの一言は一瞬の出来事であった様子が分かります。
これまで生きてきた人生が敵機の一撃で潰えた。
そして自分らしい”ソラノネ”を後世に伝えられたか、
と歌詞は続きます。
戦争とは悲惨なものです。
自分が殺されるから目の前の敵を殺す。
それが生き残る手段です。
志願した航空隊になれたことは本望でしょう。
しかし、それも命あっての物種です。
撃墜されては意味がありません。
ZAQの衣装がファンキー!
ヒール高めのショートブーツ
カウボーイハットにショートブーツのZAQ。
”コトブキ飛行隊”さながらのコスチュームで出演しています。
ふわふわの上着をまとい、砂地を闊歩するシーン。
空に手を伸ばすカット。
いずれもアニメをオマージュした演出といえるでしょう。
さらに女性らしさを意識した衣装で、実に艶やかです。
米国・テキサスに行ったら、遭遇できるかもしれませんね。