水谷果穂初のアルバム収録曲【朝が来るまで】
女優としても活躍する水谷果穂の初のアルバム「深呼吸」の収録曲「朝が来るまで」。
アルバム内では、リードトラックとして位置づけられている自信作です。
反町隆史主演のドラマ「リーガルハート」の主題歌にもなりましたね。
作詞はkiraが担当し、作曲はkiraとしおんぬの愛称で知られる辻詩音が担当しています。
また、本曲のMVはゆずやスピッツのMVも手掛けた経験を持つ、番場秀一監督が担当しました。
その卓越した演出力により魅力を十二分に引き出された水谷果穂のビジュアルも注目です!
なお、アルバム内にはピアニストの清塚信也とのセッションも収録されています。
曲の背景を紹介し終えたので、ここから本記事の目的である「朝が来るまで」の意味の解釈にうつりましょう。
一体、朝が来る前また先には何があるのでしょうか?その謎に迫ります。
「主人公と君」
「朝が来るまで」の主人公には、誰か大切な存在がいることが示唆されています。
そしてどうやらその大切な存在が何か苦しい境遇に置かれていることもまた読み取ることができます。
苦しい境遇に置かれている大切な存在に対して、どう寄り添えばよいのかをそっと教えてくれる1曲。
それでは最初の歌詞を紐解いていきましょう。
君とはどんな存在?
心の奥に隠してる
君の痛み分けてほしい
計り知れない悲しみが
癒えて今日はせめて 眠れるように
出典: 朝が来るまで/作詞:辻詩音,kira 作曲:kira
1、2行目から、君(以下本文中はヒロインと呼ぶ)は主人公に対して隠し事をしているようですね。
その理由は定かではありませんが、もしかしたらヒロインが主人公を思いやった結果かもしれません。
もしくは、臆病な性格のせいなのかもしれません。
人の抱える痛みは時に想像を絶するものがあります。
それを吐き出しぶつけるということは怖さを伴いますし、受け取り手にも負担を強いることになるでしょう。
3行目からの歌詞は、主人公のヒロインに対する切実な思いやりの気持ちを汲み取ることができます。
他者が抱える悲しみに直接触れるというのは到底できないことかもしれません。
そのもどかしさに主人公は悩んでいるようです。
これらの考察から、ヒロインは主人公にとって大切な存在であり、悩みの種でもあることがわかります。
君の笑顔
無理に笑顔は見せなくていい
本当でいたい
出典: 朝が来るまで/作詞:辻詩音,kira 作曲:kira
どうやらヒロインは、悲しむ姿を見せまいと主人公に気丈に振舞っている様子です。
しかし主人公は、それを見抜いているのです。
ヒロインの笑顔を見ることに憂いを感じていることからそれが分かります。
ゆえに最後の言葉には主人公と君のお互いが、ありのままでいたいという意味が込められているのでしょう。
「空と朝と月」
「朝が来るまで」には、節題にあるように「天(天気や天体)」に関する語が散見されます。
これらはいずれも役割を持っているように思われるので、それぞれ確認していきましょう。
空の役割
空が明日を運ぶから
出典: 朝が来るまで/作詞:辻詩音,kira 作曲:kira
「朝が来るまで」の中で「空」がその役割を明確に示している箇所は上に記した部分です。
「空」は暗く落ち込んでいるヒロインの心に明日をもたらすという意味ですね。
これはいわば、希望の渡り船のような存在となっています。
涙がこぼれそうな時、空を見上げた経験はありませんか?
広く壮大な存在を感じ心が満たされるような感覚です。
きっとヒロインも「空」を見ることで、「大丈夫」と自分に言い聞かせるのかもしれません。