君を許すように朝が来る…
君を照らすように朝が来る…
待ち続けていた朝が来る…
出典: 朝が来るまで/作詞:辻詩音,kira 作曲:kira
これら3つの「朝」は、「空」が運んできた明日そのものだと考えられます。
その理由は「朝」がヒロイン自身の背負っている罪の意識、陰鬱さをどこかへ放り投げてもいいんだよ。
そんな免罪符のような描かれ方がなされているからということが挙げられます。
どれだけ苦しんでも朝は必ず来る、だから前に進むしかない。そんな気持ちもありそうです。
なかなか前向きになれないとしても朝が背中を押してくれているようですね。
月の役割
月が明日を歌うから
出典: 朝が来るまで/作詞:辻詩音,kira 作曲:kira
「月」の役割としては、「空」と同じく渡り船のようなものだと思われます。
その理由は、明日に対して「月」が働きかけているからというものです。
ただ、「空」とは異なり、「月」はあくまで補助的な位置づけにあるといえるでしょう。
歌うということは明日の存在を知らせるということ。
つまり、直接的にもたらす働きをしていないといえるからです。
なお、主人公はこの「月」の位置にあると考えられます。
その理由としては、あくまでヒロインにそっと寄り添う心理描写がなされているからです。
そしてこれが、この曲が持つ大切な人への寄り添い方を示唆している部分であると考えられます。
過去を輝くものにするためには
君が捨てた思い出たち
ひとつひとつ集めてみる
無駄に見えた過去も全て
輝くものにして返すから
出典: 朝が来るまで/作詞:辻詩音,kira 作曲:kira
この歌詞から、主人公がヒロインの抱える過去を輝くものにしようとしていることがわかります。
主人公にとって過去を輝くものにするということは一体どういうことでしょうか?
ヒロインが捨てた過去に良い意味付けをしていくということにほかなりません。
つまりそれは過去を美化もしくは再解釈していくということではないでしょうか。
ただし、過去を再解釈して意味付けすることそのものが、ヒロインにとって良いことなのか…。
それは結局のところわからないため、最終的な成り行きを見守るほかありません。
「主人公と君の関係性」
主人公にとっての君
これまでのことから、主人公はヒロインのことを救わなければならない。
救うべき人間であると考えていることがわかりますね。
ですがあくまで主人公は、救う手段として「月」の役割に徹するほかないのです。
なぜなら、「空」の役割は時間が担うからです。
ヒロインが「朝」を迎えることを望むように、「月」として主人公は、「朝」を歌うのです。
君にとっての主人公
ヒロインが主人公のことをどう思っているかについては、直接言及されている部分はありません。
これは推測の域を出ませんが、ヒロインも主人公のことを大切に思っているのではないかと思います。
その根拠は、主人公が、ヒロインの何かしらの抱えている悩みや悲しみに気付いているから。
つまり、隠し事に気付けるほどの距離感に2人はあるのではないかと考えられるのです。
また、ヒロインは、主人公に対して心のない言葉を吐いています。
このことからも一種の信頼感を見て取ることもできるのではないでしょうか。