ここでは、京ことばのオンパレードになっているので、まとめて標準語に直すと以下の通りになります。
いってきなよ
まっすぐ前を見て
尻をすっと引き上げ
切り開かないといけません
私の人生なんでしょう
自分自身に向かって、エールを送っている歌詞であることが分かりますね。
春のはじまりを描いていることも考慮すると、
この歌詞の主人公は、恐らくこれから新しい一歩を踏み出そうとしているのでしょう。
優しい雰囲気だけど大切なことをビシっと伝えてくれている歌詞といえますね。
春といえば、新天地で新しいことにチャレンジする人も多いです。
そんな人は、ぜひこの歌詞を胸に焼きつけてみてはいかがでしょうか。
2番~ラストの歌詞
舞妓さんの特徴
結い上げた日本髪
うなじの二本足
白に映える紅
ええもんえ
出典: 祇園町/作詞:鳩子 作曲:BAND-MAIKO
ここでは、舞妓さんの特徴について説明していますね。
「ええもんえ」というのは「いいもんだよ」という意味。
舞妓さんといえば、真っ白なおしろいを顔から首にかけて塗っていますよね。
でも、襟足の部分に該当する2ヶ所だけはわざと塗らないといった風習があるのです。
この2ヶ所の塗り残しが2本の足にみえるため「二本足」と呼ばれています。
ちなみに、黒紋付などを着る場合は襟足部分に該当する3ヶ所を塗り残しするという風習もあるんですよ。
京都で舞妓さんと会う機会があったら、ぜひうなじにも注目してみてはいかがでしょうか。
「白に映える紅」というのは、口紅のこと。
真っ赤で色っぽさを感じられる舞妓さんの口元を表現しているのでしょう。
「だらり帯」や「おこぼ」とは?
魂こめた だらり帯
しめてもろて
おこぼを鳴らして歩くんは
うちの心 カランコロン
(※1くりかえし)
出典: 祇園町/作詞:鳩子 作曲:BAND-MAIKO
「だらり帯」というのは、帯の結び方の一種。
だらりと垂れ下がっている結び方をします。
帯の結び方の種類は数多くありますが、舞妓さんといえばこの「だらり帯」をするのがメジャーです。
「おこぼ」は、舞妓さんが履いている下駄のこと。
ぽっくり下駄とも呼ばれており、歩く時にカランコロンと音が鳴るといった特徴を持っています。
「うちの心」が下駄のように音を鳴らしていると表現しているので、
恐らく歌詞の主人公が、前へ踏み出す様子を描いているのでしょう。
主人公は舞妓さんを目指している!
好きにしたらええねんや
憧れてた都で
扇を 染めて
夢のよう はんなり舞うのえ
出典: 祇園町/作詞:鳩子 作曲:BAND-MAIKO
この歌詞の主人公は、昔から京都に憧れを抱いていたのでしょう。
その憧れの街に行って、これから舞妓さんとして一生懸命輝こうとしているのだと思います。
扇といえば、お座敷遊びや踊りに使う、舞妓さんにとって欠かせないアイテムのひとつ。
その扇を使って、はんなり(上品で華やかに)舞うように、これからの人生を美しく生きていきたい。
といった思いが込められているように感じられます。
粋も無粋も知っている舞妓さん
気げんよぉ おあそびしてくれやす
今宵は何して遊びましょ
粋も無粋も知ってこそ
お座敷遊びの心得
出典: 祇園町/作詞:鳩子 作曲:BAND-MAIKO
「気げんよぉ おあそびしてくれやす」とは、機嫌よく遊んでちょうだいという意味。
お客さんと一緒にお座敷遊びをしている様子を描いているのでしょう。
舞妓さんが活躍するのは、お酒の席であることが多いです。
なので、中にはルールや常識を無視してお座敷遊びをするお客さんもいるのでしょう。
お座敷遊びといえば、粋で美しいイメージがありますが、
無粋な場面も目撃している舞妓さんの目線だから、このような歌詞なのでしょうね。
千社札とは?
千社札でご挨拶
おもてなしに華を添えて
お酌おかわりどうでっしゃろか?
またのおこしを
おはようおかえりやす
出典: 祇園町/作詞:鳩子 作曲:BAND-MAIKO
千社札というのは、舞妓さんが持ち歩いている"シール状の名刺のようなもの"を指します。
その千社札を使って、お客さんにご挨拶している様子を描いているのでしょう。
「おはようおかえりやす」は、「いってらっしゃい、早く帰ってきてね」という意味。
「1日仕事を終えたら、また遊びに来てね」という挨拶の意味で使われています。