ユーロビート
まずはオリジナルであるシニータ版「TOY BOY」のMVをご覧ください。
打ち込みとラップから始まる軽快なダンスナンバーです。
1988年はTM NETWARK時代の小室哲哉がロンドンに滞在し洋楽の動向を探っていた時期に当ります。
「TOY BOY」のヒットを目の当たりにしていたことでしょう。
小室哲哉は翌年にソロデビューし、ユーロビートを取り入れた楽曲を作るようになります。
十年ひと昔といいますが、magical²の「TOY BOY」がリリースされた2019年から見ると30年ちかくも前の話。
音楽やファッションに限らず一定のサイクルで流行するという法則があります。
こうしたトレンドには20年周期説なるものがあるのです。
それは単純に同じものがリバイバルするのではありません。
過去のアイテムを取り入れながらその時代に合わせて生まれ変わるというパターン。
magical²の「TOY BOY」をプロデュースした人たちにとっては、かつてのトレンドだったのでしょう。
magical²の「TOY BOY」
パーフェクトな歌とダンス
シニータのオリジナル版と比較しながらご覧ください。
magical²の5人は魔法戦士マジマジョピュアーズ!とはイメージを一新。
現役中学生の彼女たちにとってはちょっと大人びたファッションです。
オリジナルと同じくデジタルビートのイントロからコーラスのラップパートでスタート。
ステージのセットが色とりどりなのが分かるでしょう。
これはメンバー5人のイメージカラーを表しています。
歌詞は細かく分けて5人がソロパートでリレー。
ユニットではメンバーをアップで見せるため良くやるターンです。
特に感心するのは英語の発音が良いこと。
歌だと日常会話より発音に違和感が抑えられます。
これは外人さんが日本語の歌を歌った場合も同様。
それを差し引いても彼女たちの英詞はスムーズに耳へ入ってきます。
コーラスも乱れがなく、そうとう練習したのでしょう。
TOY BOY
TOY BOYってそのまま訳すと「おもちゃの少年」で、何のことやら分かりません。
本当は年配の女性にとっての若い恋人という意味。
つまり、「若いツバメ」なんです。
オリジナルの英語歌詞を一部ご紹介します。
TOY BOY TOY BOY
Everybody's talkin'
When they see me walkin'
With this little boy of mine
He's my play boy and I love him
I dress him up lookin' fine
出典: TOY BOY/作詞: Stock,Aitken & Waterman 作曲: Stock, Aitken & Waterman
Aメロに続いてBメロの部分。
He ain't got money
People think it's funny
He gives me everything I need
He's my play boy, and my love toy
And I want everyone to know
出典: TOY BOY/作詞: Stock,Aitken & Waterman 作曲: Stock, Aitken & Waterman
【和訳】
彼にはお金がない
人はそれをバツが悪いって考える
彼は私が必要なものを何でもくれる
彼は私のプレイボーイ、私の愛するおもちゃ
そして知る限りのものが欲しい
けっこうアブナイ挑発的な歌です。
中学生のmagical?にとってはお母さん世代向けの歌詞かもしれません。
ダンスパフォーマンス
さすがダンス・ボーカルスクール出身だけに、ダンスがすごくカッコいい。
ステップやスピンの切れが良く、シニータのダンスよりスピード感があります。
このダンスパフォーマンスが何かと似ているなと気付いた人はかなり鋭い人です。
実はこのMVには仕掛け人がいました。