アルバム「月を歩いている」収録曲
童話モチーフの楽曲が収録されたアルバム
「花降らし」が収録されているのは、2016年に発売された2ndアルバム「月を歩いている」です。
このアルバムには童話をモチーフにした楽曲が収録されています。
元になった童話はシンデレラや人魚姫、白雪姫などがあるようです。
童話「赤い靴」がモチーフ
この楽曲は、童話「赤い靴」をモチーフとして制作されたようです。
「赤い靴」はアンデルセン童話の一つであり、読んだことのある方もいらっしゃるでしょう。
赤い靴を履いていた少女が足が勝手に踊り続ける呪いをかけられてしまうという童話です。
この呪いによって、少女は自分の足を切り落とすことになってしまいます。
楽曲の中にもこの物語を連想させるフレーズがあるので、ぜひチェックしてみてください。
舞い散る桜
花びらとともに
花びらが宙に浮いた 舞った一足のサンダル
身体ごと宙に浮いて 飛んでしまえたら私は
はらはらはら
一人で踊ってるだけ ただそれだけだ
出典: 花降らし/作詞:n-buna 作曲:n-buna
歌い出しから、どことなく儚い印象を受ける歌詞で始まっています。
舞い散る花びらの中で主人公は踊っているようです。
その話はこの後の歌詞から桜であることが分かります。
桜が幻想的に舞い散る中で、主人公が踊る姿が幻想的に想像できるのではないでしょうか。
桜の花びらは、風に乗って遠くに飛んでいくことができます。
主人公は宙を舞う花びらと同じように、自分もどこかへ飛んで行きたいと思っているようです。
なぜ主人公は桜の下で踊り、どこに飛んで行こうと思っているのでしょうか。
この続きの歌詞から読み解いてみましょう。
教えてもらった桜並木
春先の空気が澄んでいたから、
赤いサンダルを履いて
出かけた先のあの並木のことは
あなたから聞いていた
桜が並ぶらしい
出典: 花降らし/作詞:n-buna 作曲:n-buna
季節は春、桜が咲き始める頃のことのようです。
春先の柔らかな暖かさが溢れ、気持ちの良い日に、主人公は出かけています。
出かけた先は、主人公は「あなた」から聞いていた桜並木のようです。
出かける際、主人公は赤いサンダルを履いて出かけます。
春先といえば、暖かくなってきたとはいえまだ寒さも残る時期です。
普通であればサンダルを履く時期ではないでしょう。
それでも主人公が赤いサンダルを選んだということは、何か思い入れがあるのだと考えられます。
それは「あなた」と関係があるのでしょうか。
誰も見ていない桜
顔を伏せるように
歩く人が多いから嫌になって
そしたら飛んでいた桜が
切に愉快に見えたから
この道で踊ってやろうと思った
出典: 花降らし/作詞:n-buna 作曲:n-buna
桜並木まで行くと、他にも通行人がいたようです。
しかしその人々は桜を楽しんでいる様子がありません。
下を向いて歩いている人ばかりで、顔を上げて桜に目を向けている人がいなかったのです。
俯いてばかりの人を見ることは、主人公にとっては嫌なことだったようです。
それは、自分の中の暗い部分と重ねてしまったからかもしれません。
舞い散る桜の姿が、そんな主人公の目に入ります。
誰も見ていない中でも、綺麗で、どこか切なさを思わせながら舞い散る桜。
その姿を見て、主人公は花びらと合わせて踊ろうと考えたようです。
道端で踊る人はほとんどいないため、主人公は注目の的になるでしょう。
それもかまわず、主人公は踊ろうとしているのです。