楽曲概要

今や、新しいアーティストの発掘の場ともいえるSNS動画投稿サービスを展開しているTik Tok。

suiさんは2020年17歳のときから自身で制作した音楽の投稿を始めた次世代若手アーティストです。

同年5月に投稿された【エピソード】が話題を集め、メディア等でも取り上げられるようになりました。

今回は2021年2月1日に配信リリースされた楽曲【魔法の本より】をご紹介していきます。

若者を中心に多くの支持を集めている同曲。

MVアニメイラストはファンタジー系イラストを得意とする鹿野ケルさんが担当しています。

タイトル通り「魔法」の世界とピッタリのイラストが一躍話題となりました。

同曲はアップテンポのメロディーが心地よく、聴くと一気にファンタジーな世界観に引き込まれます。

中毒性があると話題の、まるで魔法にかかるときの音のように聴こえるサビは必聴です。

「僕」の中に眠る魔法と「君」の正体を読み解いていきましょう。

「僕」には何かがある

物語の始まり

それは不思議な国の話
いつも空には星が輝いて
月のライトが辺りを照らす
街は光で満ち溢れている

出典: 魔法の本より/作詞:sui 作曲:sui

まるで絵本の読み聞かせが始まるかのような歌詞になっています。

“不思議な国”という言葉から現実の話ではないということが読み取れるでしょう。

ここでいう不思議な国はきっと「僕」の想像の中の世界で理想が詰まった夢の街のことです。

小さい頃に絵本やアニメを観て、その物語の中の世界観に憧れることはよくあることでしょう。

歌詞から伝わるのは、空を見上げると満天の星がキラキラと輝いて見えて夜でも明るい街。

眠らない街のように夜でも辺りは明かりで照らされて人々は楽しそうに会話をしながら歩いているのでしょう。

夜の遊園地のようにワクワクするような、特別な夜を想像することができる歌詞になっています。

「君」との出会い

「私は君の魔法が見たいな」
君は僕の眼を見て呟いた
不思議なことに 僕一人だけ
そうさ 魔法が使えない

出典: 魔法の本より/作詞:sui 作曲:sui

「僕」に「魔法が見てみたい」と言う「君」は、先に述べた「僕」が想像した夢の街に住む子供です。

なぜか「君」は「僕」だけを特別な存在のように接してきます。

すごく期待のこもったワクワクしたような目で「僕」のことを見てくるのです。

「君」からの期待に「僕」が戸惑っている様子が読み取れます。

それもそのはず、「僕」は魔法なんて使えないし使ったこともありません。

出来ないことを“出来る前提”で話が進んでいたら誰だって戸惑ってしまっても無理ないでしょう。

「君」は一体「僕」の何を知っているのか、疑問が残る歌詞になっています。

「君」は何か知っている

君は少しだけ微笑んで
汽笛が君に合図する

出典: 魔法の本より/作詞:sui 作曲:sui

何も分からない「僕」を他所に「君」は悪戯っぽく笑いかけてきます。

それと同時に汽笛が鳴って、一気にまた違う世界へと引き込まれていくようです。

「君」はたぶん「僕」には何らかの力が秘められていることを知っているのでしょう。

それを僕自身に気付かせるために「僕」にだけ近付いてきたのです。

「僕」を呼び覚ます

「君」がカギになる

君の魔法が輝いて
僕の心を静かに照らす
「きらきら光る星のような」
「君の魔法は眠ってる」

出典: 魔法の本より/作詞:sui 作曲:sui