期待の新人シンガーソングライター「にしな」
Spotifyが発表した『RADAR:Early Noise 2021』に選ばれ注目を集めている「にしな」。
2021年、最も期待されている女性シンガーソングライターの1人です。
川上絵音のソロプロジェクトである「美的計画」でボーカルを務めたことでも知られます。
「美的計画」は川上絵音が作曲した楽曲を様々なボーカリストが歌い上げる、というプロジェクトです。
2019年に始動し、現在までに6枚の配信シングルが発表されています。
にしなはその記念すべき第1弾シングルとなった【kissのたびギュッとグッと】のボーカルを担当。
さらに2020年6月には第3弾シングルの【恋のこと】でもボーカルを担当しました。
そして2020年10月に「にしな」としてのデビュー配信シングル【ランデブー】をリリース。
そこから1ヶ月毎に配信シングルをリリースし、2021年4月には1stアルバム『odds and ends』をリリース。
デビューシングルからわずか1年足らずでコンスタントに多くの音源をリリースしているのも特徴的です。
【東京マーブル】
2021年8月11日配信開始

この記事で紹介するのはそんな怒涛の勢いを見せる「にしな」の最新配信シングル【東京マーブル】です。
2021年8月11日に配信リリースが開始され、YouTubeでも“Official Audio”が公開されました。
作詞は「にしな」、作曲はDTMユニット「パソコン音楽クラブ」との共作によるもの。
「にしな」の飾らない歌声と「パソコン音楽クラブ」のどこかレトロなDTMサウンドが絶妙な楽曲です。
都会的でお洒落なのに素朴。一度聴いたら癖になること間違いないでしょう。
ドラマ『お耳に合いましたら。』EDテーマ
【東京マーブル】は7月9日から放送されているテレビ東京系ドラマ『お耳に合いましたら。』のEDテーマです。
元乃木坂46伊藤万理華主演である注目ドラマのEDテーマ起用は大抜擢といえるでしょう。
『お耳に合いましたら。』はポッドキャストをテーマにしたドラマです。
ポッドキャストとは簡単にいえばインターネット上でストリーミング公開したラジオ番組のこと。
そのポッドキャスト番組を伊藤万理華演じる主人公が始めていく、というのがドラマのあらすじになります。
ドラマ内の番組が実際にSpotifyのポッドキャストで配信されているのが大きな特徴です。
ドラマと現実を連動させ、リンクさせたこのアイデアは非常に斬新なものだといえるでしょう。
そんな『お耳に合いましたら。』のEDテーマである【東京マーブル】の歌詞を考察していきます。
様々な人が交わる東京
マーブルとは
タイトルにも含まれる「mable(マーブル)」は日本語で「大理石」のこと。
そこから大理石の模様に似た斑紋模様を「マーブル模様」、または単に「マーブル」と呼びます。
マーブル模様の特徴はその偶然性にあるでしょう。同じ模様は2つとしてありません。
空気の流れや水の流れを表すような偶然的な流線形の絡みあいがマーブル模様の醍醐味です。
混ざり合うようで混ざり合わない、その歪な模様には神秘的なものを感じさせられます。
敗者と煌びやかなネオンのマーブル
めくりめく街 敗れた夢と
光るネオンサイン 東京マーブル
人目を気にしキスをしてる
二人きりの密かな
ボーイミーツガール
出典: 東京マーブル/作詞:にしな 作曲:にしな・パソコン音楽クラブ
日本の首都であり、最も人口の多い都市である東京。
そんな東京にはたくさんの人の様々な想いがうごめいています。
夢を手にした人も敗れた人も、恋する人も失恋した人も。
そんな様々な人の想いが絡み合う様を表したのが【東京マーブル】というタイトルです。
東京という街で生きる主人公の想いがここから歌われていきます。
この曲は「めくりめく街」という歌い出しで始まりますが、「めくりめく」という言葉はありません。
正しくは「目眩がするような」という意味の「めくるめく」です。
それをあえて「めくりめく」と表現したことにどんな意味があるのでしょうか。
どことなく「めくりめく」には能動性が含まれているように感じます。
自分も「目眩がするような街」の一部である、というニュアンスなのかもしれません。