小野賢章「ZERO」
歌手だけではなく、俳優や声優として幅広く活動を続けている小野賢章。
特に声優としてはアニメの主要キャストや、人気映画の吹き替え声優としても活躍しています。
今回ご紹介するのは、そんな小野賢章が歌手として発表した2ndシングル『ZERO』です。
普段、声を使う仕事をしている彼の説得力のある歌声が心に響く楽曲。
今回はそんな彼が歌う歌詞に注目し、その意味を考察していきます。
「ゼロ」が意味するもの
「ゼロ」から始まる物語
Everybody give me an attention
まだ何も知らない
ただ進むしかなかった僕は
(This is the story of my glory road)
正しさの意味を求める余裕すらないまま
ゼロを描いた
出典: ZERO/作詞:R・O・N 作曲:R・O・N
冒頭、この楽曲は英詞からスタートしています。
この1行目の英詞は「みんなが自分に注目している」といいたいのでしょう。
周りからの好奇の目を受ける主人公。
それに対して、プレッシャーを感じているのかもしれません。
2行目以降では、自分自身の歩んできた道のりのことを思い出しているようです。
彼は周囲からのプレッシャーや、目の前の出来事に対して一生懸命で自分がどうしたいかを考える余裕もなかったのでしょう。
4行目の英詞は「これは私の栄光の道の物語」という意味となります。
冒頭の歌詞は物語の導入ともいえるものなので、これはこの楽曲の歌詞全体のことを説明していると捉えて良いでしょう。
6行目の「ゼロ」という言葉は、タイトルの「ZERO」とも関係しています。
これもこの楽曲におけるテーマであると考えて良いでしょう。
「ゼロ」というのは「ゼロからのスタート」などというように全くの白紙からスタートする状態を意味しています。
彼にとってこの「ゼロ」は栄光を掴むためのスタート地点を意味しているのではないでしょうか。
今から夢に向かって進み出そうとしていた頃の彼の姿が描かれていると考えられます。
栄光に向かって
Get on your feet 怖れることなんてない
Get up and go 確実に辿ろう
自分の道を
出典: ZERO/作詞:R・O・N 作曲:R・O・N
ここで主人公は「君の足で立ち上がれ」と私たちに対してエールを送っています。
「ゼロ」から始めてきた彼だからこそ、栄光を手に入れるために道を進んでいくことの困難を知っているのでしょう。
2行目では着実に進んでいくことが大切だと私たちに教えてくれています。
夢を手に入れるまでに近道などというものはないといいたいのでしょう。
夢の途中にある恐れや諦めといった障害物を乗り越えて、自分自身にしか切り開けない道を進んで欲しい。
そんな彼からのメッセージは私たちにポジティヴな感情を与えてくれます。
未来を切り拓く個性
未来と現在
未来の僕に誇れるよう
信じた今を歩もう
いつの日かまた思い出して
ゼロを描いたこの日を
出典: ZERO/作詞:R・O・N 作曲:R・O・N
ここでは現在と対比して未来という言葉が使われています。
この歌詞パートで分かるのは、主人公の人生においての指標は未来の自分であるということです。
未来の自分に恥ずかしくないように今を過ごしていくことが、彼の大切にしていることなのでしょう。
もし自分が納得がいかないまま日々を過ごしていたなら未来の自分はきっと後悔してしまうに違いない。
だからこそ彼は「ゼロ」と呼んでいるそのスタート地点を思い出すことで初心に帰って夢を再確認しているのです。
自分の軸がぶれていないことを確認しながら、夢を掴むために1歩ずつ自分だけの道を歩んでいます。
個性を大切に
人と少しだけ変わってたって僕は構わない
(I believe myself There is no turning back)
誰かと同じじゃ存在した意味さえも残せないよ
出典: ZERO/作詞:R・O・N 作曲:R・O・N
このパートでは、自分自身のことを信じようとする主人公の姿が描かれています。
周囲と自分を比較し、劣等感を感じてしまうことを避けているのでしょう。
2行目の英詞は、「私は自分を信じているから、後戻りしない」という意味です。
自分を信じることで、周囲からの同調圧力や周囲から浮いてしまうことへの恐れを振り切る彼の姿があります。
出る杭は叩かれてしまう現代社会においても、それに屈しない彼の姿勢が表れている箇所です。
3行目は彼が他人とは違うことで自分に価値を見出そうとしていることが分かる歌詞です。
自分の夢を叶える上で個性を大事にしているのでしょう。
社会に溶け込んでいるだけでは夢を叶えることもできず埋もれてしまう。
だからこそその個性を大切にしていくことが、自分の道を歩む上で重要であるといいたいのかもしれません。