死ねない理由を探しては
生きるのが難しくなった

出典: Peek a boo /作詞:あの 作曲:TAKU INOUE

仕事や発売前のゲーム・買ったまま読んでいない本・家族など人には人それぞれの死ねない理由が存在します。

それらがあるからこそ、なんとか踏み止まって生きている人もかなり多いでしょう。

しかし見方を変えれば、それらは「人を生に拘束させる足枷」とも言い換えられます。

主人公は知らず知らずのうちに様々なしがらみに囚われているのでしょう。

自由に生きづらくなっている苦悩が描かれています。

お先真っ暗だと感じた主人公は死ぬことを考えたのかもしれません。

しかし死ぬのは怖いことです。そこで今は死ねない理由を考えます。

すると、それらのしがらみが自分の足枷になっていることに気付くのです。

死ねない理由が生きることを難しくさせているというのは何とも皮肉に聞こえます。

笑って歪んだ顔が思い出される

笑って歪んだ顔がいま
Flash back back back

出典: Peek a boo /作詞:あの 作曲:TAKU INOUE

ここで歌われている歪んだ笑顔は「誰かが自分を嘲笑した時の歪んだ笑顔」記憶でしょうか。

だとしたら、嫌な記憶が蘇ったことになります。

それとも死ぬ間際に大切な人の笑顔を思い浮かべて、それが涙で歪んでしまったのでしょうか。

そうだとすれば、それは悲しい記憶でしょう。

どちらの笑顔のことを指しているかを考えるために、少し前のフレーズを思い出します。

それは「死ねない理由が生きることを難しくさせているという皮肉」です。

この皮肉に気づいた時、主人公は笑ったのでしょう。

しかしその笑顔は心から楽しいことを思う笑顔ではなかったはずです。

もし自分の笑顔がきっかけで思い出した笑顔であるならば、嫌な記憶の笑顔だといえます。

歪んだ笑顔は嫌な気持ちにさせる笑顔なのでしょう。

消えてしまいたい理由と主人公の人生

消えてしまいたい理由は?

このまま青に透けるように
そのまま消えてしまいたいの
さよならもう何処にもぼくはいない いない いない いないばー

出典: Peek a boo /作詞:あの 作曲:TAKU INOUE

主人公はとても生きづらい人だということが分かってきました。

死ぬことを考えては生きる足枷となるしがらみを思い出し皮肉に笑います。

また、その笑顔から「嫌な気持ちになる歪んだ笑顔」を思い出し、ますます生きづらくなるのでしょう。

そして、主人公は消えてしまいたいと歌いました。

青に透けるようにということは、存在が薄くなると受け取れます。

お先は真っ暗で生きていても辛いだけと実感して、自分の存在をなくして消えてしまいたいと考えたのです。

別れの挨拶とともに、もう何処にも自分はいないと宣言されているのが分かります。

前も後ろもわからない人生

瞳を閉じると見えてくるんだ
嘘くさいゲロくさい人生
Front and back わかんないないな

出典: Peek a boo /作詞:あの 作曲:TAKU INOUE

瞳を閉じて思い出すのは自分の人生なのでしょう。

嘘くさいゲロくさいと語るということは、やはり主人公は自分の人生が好きではないのです。

様々なしがらみに縛られて自分の本来の姿で生きていけない苦悩がうかがえます。

辛く苦しい人生に終わりを告げたいと願う気持ちが伝わってくるようです。

今、自分が前を向いているのか後ろを向いているのかも分からないという諦めが伝わってきます。

希死念慮が固まっていく

思い描く理想像とかけ離れた現状

バイバイ
理想と現実の境界 変わること何もなく今日かい
振り向いて見えるモノないないないばー

出典: Peek a boo /作詞:あの 作曲:TAKU INOUE