BASI & THE BASIC BAND【ANATAGAITANATSU】MV解説!メロウからの…の画像

さよなら?

黙ってるのは夏の終わりを
意識してるから
波のように寄せては返すかな
ここでさよなら

出典: ANATAGAITANATSU/作詞:BASI 作曲:BASI

「黙ってる」のところでも右足をトン!と踏み鳴らす動きをします。

でも「波」のところで動きはありません。「トン!しないのかよ」というツッコミもアリでしょう。

さて、切ないのか幸せなのか、気分まで微妙でしたが、その理由が少しずつわかってきます。

まず季節が夏の終わりということはハッキリしているでしょう。ただ季節感だけではない感じ。

つまり女性との交際も何となく終わってしまいそうだな……という予感があったわけです。

波のように寄りが戻るというか、交際を続けることも想像しつつ、選択したのは別れになります。

たとえば海の家のバイト仲間同士でつき合い始めたけれど、夏が終わると生活圏は別……とか。

夏の終わりとともに交際も終わることが予想できていたのかもしれません。

そのため2人でいても会話がない、沈黙状態だったのでしょう。

交際は幸せだった、でも別れを考えると切ない……そんな気持ちが入り混じっていたようです。

やっぱり終わり?

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右足トン!のタイミング

悲しいけれど終わり
again 風あざみ
覚えててねって耳もと
あなたがいた夏

出典: ANATAGAITANATSU/作詞:BASI 作曲:BASI

「悲しい」のところで右足トン!はあります。「覚えてて~」ではナシ。

「あなたが~」のあとに続く「A~ha」最初のコーラスではアリ……というタイミングです。

これで右足トン!の感覚がつかめたのではないでしょうか。そのあとに続く間奏でも同様。

ここまでのところで髪の毛の揺れと右足トン!以外に動きはありません。

つまり右足トン!のタイミングさえマスターすれば……何となくいい感じ……かもしれません。

夏が終わり、彼女と別れるという流れ。揺れる想いもありつつ、やっぱり終わりなのでしょう。

繰り返される「風あざみ」。実際には存在しない表現ですが、なぜか切なさを感じさせられます。

メロウからのラップ!

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夏の終わりを意識すると…

Remember いつかの波打ち際
はしゃぐ姿 スローモーション
猛暑!猛暑! 意識朦朧
さながら 恋は幻

飛んでる麦わら帽子
夜は飾る星
時間が止まってほしいと
本気で思った日よ

出典: ANATAGAITANATSU/作詞:BASI 作曲:BASI

これまでずーっとメロウなサウンドと歌声が続いていました。間奏もそうなんですが……。

その途中、MV2分10秒あたりでBASIさんが「夏の終わり、意識して~」と語りかけます。

まるでダンスか何かのインストラクターみたいに、優しく導く感じです。

今が夏の終わりじゃなくてもかまわない、ただ想像できれば……といったところでしょう。

語りかけに応じて夏の終わりを意識した瞬間、始まるのが怒涛のラップ!

メロウからの早口ラップという展開です。楽しかった夏の恋を思い出そう!という話でしょう。

寒い冬でも、春でも秋でも、一気に夏に飛ばされます。ビーチで女性がはしゃいでいるイメージ。

盛り上がった思い出ほど、なぜかスローモーションという表現も秀逸です。

暑さのあまり、陽炎(かげろう)で視界がゆらゆらうごめくような状況も想像されます。

もちろん恋するあまり、意識がぼーっとなっていた……という意味も含まれるでしょう。

ただ楽しい瞬間は過ぎ去るもの。時間は止まらないところが切ないです。

秋の物語だった?

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だからひとりだったの?

八月最後のジョイント
蛍みたく赤く灯る
線香花火のようさ
落とせば Love is over

夏の終わりが二人引き離す
物語は秋に切り替わる
もう誰もいない砂浜

出典: ANATAGAITANATSU/作詞:BASI 作曲:BASI

怒涛のラップのあいだに夏は本当に終わり、秋になってしまいます。

あんなに暑かった夏はどこへ行った~というさびしさに見舞われるのではないでしょうか。

黄色い髪の男性は夏の思い出にひたりつつ、秋の砂浜でひとりたたずんでいたのかもしれません。

「砂浜」というリリックが響いたあと、MV2分46秒あたり流れ星がきらめきます。

これは心の涙なのでしょうか。メロウからのラップ……からの再びメロウという流れです。

要するに男性はひとりで、女性がいた夏を思い出していたということ。

夏の終わり秋の初めのミックス、さらにメロウラップのミックスという展開だったわけです。

ひと夏の思い出を共有した果てに、ぽつんとひとりになったかのような孤独感がただよいます。

しかし、切ないけれど幸せという盛り上がりも味わえたでしょう。

こんな夏恋したことある……と思い出に浸り、癒された人も多いはず。

いずれにしてもゆったりチルアウトできる至極のナンバーでした。

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