“でもそれって今に始まったことじゃないんだけどね

もし君がいなかったら”

何やら意味ありげ歌詞が歌われます。

先ほど、「もし君がいなかったら絶望して眠れなくなる」と歌詞にありました。

もし、そうなったらという仮定の話かと思いきや、どうやら違うようです。

もう実際にそんな夜を過ごしてきた、ということでしょう。

彼女と付き合い始める前か、付き合っている途中でか。

喧嘩や気持ちのすれ違いから彼女と離れ離れの夜を過ごしたのです。

ただ朝日を待っているだけの絶望の夜を過ごしていたわけですね。

だからこそ、この部分の歌詞が少し鮮明なのかもしれません。

君がいる世界で

世界が変化してしまう

If not for you, my sky would fall
Rain would gather too
Without your love, I’d be nowhere at all
I’d be lost if not for you
And you know it’s true

出典: If Not for You/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan

“もし君がいなかったら

空というものは落ちてしまう

雨だって激しく降り出す

もし君の愛がなかったら、僕はどこにもいられない

道を失ってしまうんだ

これ本当なんだよ”

この部分で言われていることは、「僕の世界の中心は君だ」ということ。

まず君があって、世界があるという世界観です。

もし君がいなくなってしまったら、気候だっておかしくなる。

空が、漫画で見るように割れて崩れてしまう。

そして、僕は居場所がなくなると言っています。

道を失うとは、どういう意味でしょうか。

これは、生きる意味を見失うということです。

何故なら、「君」こそが生きる意味そのものだからですね。

生きる意味を失い、同時に世界が壊れてしまう。

これは本当なんだよと念を押しています。

英文のニュアンス的にも真面目な感じで言っているようですね。

男の嘆き…

If not for you, my sky would fall
Rain would gather too
Without your love, I’d be nowhere at all
Oh, what would I do
If not for you

出典: If Not for You/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan

“もし君がいなかったら空というものが落ちてしまう

雨だって激しく降り出して

君の愛がないなら、僕はどこにもいられなくなるんだ

あぁ、一体どうしろっていうんだ?

もし君がいなかったらさ”

先ほどと同じような歌詞が繰り返されます。

君がいなければ世界が壊れて、生きる意味も無くなってしまうと。

君は僕の、世界の中心そのものなんだと言っています。

そして嘆くのです。

「どうすればいいんだ?!」と。

もし君がいなくなってしまったら僕は一体…という嘆きが「Oh,」の部分です。

どうやら分からないようですね。

考えるだけで苦しくなってしまうと言わんばかりです。

本当に君がいなくなったら…

季節感覚が無くなってしまう?!

If not for you
Winter would have no spring
Couldn’t hear the robin sing

出典: If Not for You/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan

“もし君がいなかったら

冬の別れも春の訪れもありゃしない

鳥の歌声も聞こえなくなるさ”

上では空が落ちてしまうとか、天候がおかしくなるだとかいう歌詞がありましたね。

最後の歌詞はもう少し現実的に「君のいない世界」を想像しているようです。

もし、君がいなくなってしまったら、季節がわからなくなると。

その通りかもしれませんね。

季節の移り変わりとは、日常の余裕の中の変化に気づくことです。

少し暖かくなってきたな、匂いが変わったなと思うことです。

ここでいう季節が分からなくなるということは、極端な話ではありません。

夏と冬がわからないのではなく、冬に感じる春の訪れに気づかなくなるということです。

そして、落ち込んでいる人に鳥の「歌声」は聞こえてきません。

「Robin」とは鳥の名前です。

聞こえてきたとしても、騒音として聞こえてくるだけです。

つまり、寂しく辛い生活になってしまうということでしょう。

全て夢なのではないか?

I just wouldn’t have a clue
Anyway it wouldn’t ring true

出典: If Not for You/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan

“僕はこの世に生きているという手がかりを失ってしまって

全部嘘に見えてきてしまうよ

もし君がいなければさ…”

君がいない世界は絶望の世界です。

生きる意味もなければ季節の変化さへ感じない虚無の世界。

そんな世界にいると、きっと生きている実感がなくなってくる。

その結果、全部嘘、夢の中にいるのではないかと疑ってしまうといっているのです。

生きているのか生きていないのかを知る手段がなくなり、夢か現か判別がつかなくなる。

そして最後には「もし君がいなければ」というタイトルがまた繰り返されます。

ここまで歌詞を読み解いてきたあなたはあまり大袈裟に感じないかもしれませんね。

男がどれほど女性のことを大切に思っているかを終始語っていたこの曲。

ただ呆然と朝を待つ、空が崩れてしまう等々色々な表現がありました。

しかし、結局「もし君がいなければ」で解決する。

つまり、「いなかったらの話だけどね」と締め括っているのです。

タイトルにはこの曲を決して重い曲にせず、親しみやすい曲にする効果がありますね。

終わりに

Bob Dylan【If Not for You】歌詞和訳&意味解説!君が見せてくれた世界とは?の画像

今日は「If Not for You」の歌詞を解説していきました。

いかがでしたでしょうか。

空が砕けたり、天候がおかしくなったりしてしまう。

生きる意味を失い、どうしていけばいいかわからなくなる。

君がいなくなったらね。

「〜したらの話だけど」という表現はポッピーなようですが、その熱い愛を感じます。

それくらい愛してるんだ、というような温かい気持ちになる。

名フレーズのオンパレードであるこの曲をぜひ一度真剣に聞いてみてください。

きっと感動するはずです!