「友達の詩」ってどんな曲?

ピアノの音色に涙を誘われる

中村中【友達の詩】歌詞の意味を徹底解説!「友達くらいが丁度いい」…その結論に込められた想いが切ないの画像

「友達の詩(うた)」は、ピアノとバイオリンなどのオーケストラ演奏で構成されています。

全体的に落ち着いていますが、サビなど盛り上がる部分では壮大さを感じる事が出来るナンバーです。

イントロはピアノの落ち着いた音色。

その音色がこの後に続く切ない歌詞の始まりに向けての「助走」の様になっていると感じられました。

中村中(なかむら・あたる)さんの透き通る声色から、悲しみの中にある笑顔が想像できます。

泣き顔で笑っている様な感じです。

実体験を元に歌詞を書いているそうなので、とてもその当時の感情が伝わってきて聞き手の涙を誘います。

人に思いを伝える事のむずかしさを痛感させられる一曲です。

PVをチェック!

真っ白なドレスが印象的

「友達の詩」のPV内で、中さんは真っ白なドレスを着ています。

恐らく「純白さ」を表現しているのではないでしょうか。

この曲を作った当時、中さんは15歳でした。

まだ子供で、汚れを知らない年齢です。

そんな時に感じた自分と周りとの違い、そして相手に気持ちを伝える事ができない悔しさ…。

葛藤しもがき苦しむ様子も水面を思い切りたたいて水しぶきをあげるシーンで表現されているのでしょう。

PV内で見せる中さんのなんとも切ない表情に、こちらも胸が苦しくなりました。

しかしながら中さんのスタイルの良さと美人さが伝わるPVでもありますね。

歌詞を考察 前半

中村中さんの事を少しだけ…

中村中さんは性同一性障害です。

それはメジャーデビュー後に公式サイトにてカミングアウト。

「友達の詩」は中さんが15歳の時に作られました。

その当時はまだ「性同一性障害」という言葉はありませんでした。

自分と周りとの違いに違和感を感じつつ生きてきた中村中さん。

恋愛は特に難しく、想いを相手に伝える事すらもできず苦しんでいたそうです。

「友達の詩」にはその当時の気持ちが強く表現されています。

そんな切なく儚い歌詞の意味を紐解いていきましょう。

先がわかってしまう恋心

触れるまでもなく先の事が
見えてしまうなんて
そんなつまらない恋を
随分続けて来たね

出典: 友達の詩/作詞:中村中 作曲:中村中

きっと自分が想いを伝えても相手は振り向いてはくれない

それどころか、近くにいた存在でも離れていってしまうだろう

そんな事がいつも頭を過っていたのではないでしょうか。

だから、好きになってしまっても気持ちを伝える事ができず、ずっと見ていただけなのかもしれません。

10代の頃は、恋愛感情を抱いた相手にうまく接する事ができない不器用な年頃です。

もちろん大人になってからもぎこちなくなりますが…。

想いを伝えられないから恋人に発展する事も無く、友だちとして仲良くすることもできなかった。

そんな恋をずっと続けてきたというのがわかります。

その間ずっと苦しかったでしょう。

好きにならなければ楽なのに、自然と相手を想ってしまう。

楽しく思えるはずの恋愛が、つまらないものになっていたのでしょう。

隠しきれない気持ち

胸の痛み 直さないで
別の傷で隠すけど
簡単にばれてしまう
どこからか流れてしまう

出典: 友達の詩/作詞:中村中 作曲:中村中

相手を想うという事を、別の感情でごまかしていたのでしょう。

自分が相手を好きだということをずっと隠していたけれどやはり表に出てきてしまう。

どうやっても隠しきれずにいることがわかります。

自然と相手を見ているのかもしれません。

「好き」という感情を抑えるのはとても難しいことです。

抑えていたはずなのに不意にその感情が出てきてしまうということはよくあることではないでしょうか。

そしてその噂が人から人へ回ってしまう。

10代の恋愛は周りにわかると恥ずかしいという気持ちが強くありますね。

伝えられない気持ちだから隠していたのに、噂が広まれば周りに隠す事はおろか本人にも伝わってしまいます。

そのやりきれない気持ちが表現されているように感じました。