『想い出がいっぱい』はH2Oの大ヒット曲
透き通った声のツインヴォーカル
1983年3月25日にリリースされた『想い出がいっぱい』は、H2Oの5枚目のシングルで最大のヒット曲です。
活動期間の短かったH2Oが残した珠玉の名作『想い出がいっぱい』。
覚えやすいメロディラインと、まるで透き通っているかのような声のH2Oのツインヴォーカル。
歌詞は青春真っ只中の少女と、その姿を眩しそうに見守っている少年の目線で語られています。
そのため、感情移入しやすい内容の楽曲です。
息の長いヒット曲になる要素がとても多く含まれた楽曲と言えるでしょう。
リリースされて以来、何十年にも渡って聴かれ、歌い継がれている名曲。
まだ『想い出がいっぱい』を知らない人にも是非知ってほしい、じっくりと聴いてほしい。
そんな思いを込めて紹介します。
テレビアニメ『みゆき』にぴったりの『想い出がいっぱい』
『みゆき』は、あだち充による日本の漫画。少年漫画雑誌『少年ビッグコミック』(小学館)に1980年から1984年にかけて連載された。同氏の代表作の一つに数えられ、ラブコメディにスポーツを絡めた青春モノを得意とする作品群の中でも、本作品は恋愛のみにスポットを当てている。 第28回(昭和57年度)小学館漫画賞受賞。映画化、テレビアニメ化、テレビドラマ化もされた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/みゆき_(漫画)
『みゆき』は主人公と、同じ名前のふたりのヒロイン「みゆき」の三角関係を描いた青春ラブコメディです。
あだち充は青春漫画の巨匠で、当時はあだち充ブーム。
大人気だったあだち充作品のアニメ化ということでテレビアニメ『みゆき』は大きな話題になりました。
その主題歌として作られたのが『想い出がいっぱい』。
『みゆき』のストーリーとぴったりとマッチしている楽曲に仕上がりました。
H2Oのふたりが爽やかに歌いあげている名曲です。
そして、おおかたの予想通りテレビアニメ『みゆき』は大ヒット。
そのヒットによって『想い出がいっぱい』も大ヒットしました。
誰もが経験する青春の日々。
その人それぞれの形がある青春ですが共通している点は多いはず。
この『想い出がいっぱい』を聴くと青春がよみがえる人。
今、青春真っ只中で、『想い出がいっぱい』を聴いて「そうそう!」と実感できる人。
どちらの人にも愛される楽曲です。
『想い出がいっぱい』の歌詞を紐解いてみる!
シンデレラストーリーへのあこがれ
ここからは、『想い出がいっぱい』の歌詞を紐解いていきましょう。
この楽曲はひとりの少女が大人の女性へと成長していく姿を歌ったものです。
その姿を童話のシンデレラに重ねてみています。
継母やその連れ子である血縁のない姉たちにいじめられていたシンデレラ。
でも、魔法使いの力を借りて舞踏会へ出かけ、王子様に見初められて幸せになります。
そんなシンデレラのサクセスストーリーにあこがれている女の子は多いのではないでしょうか。
「いつか白馬に乗った王子様が現れて私を幸せにしてくれる」
それは幻想なんだって本当はわかっているんですが、でも夢を見ずにはいられないのです。
でも、やっぱりだんだんと現実に気づいていく。
だから、これは若いうちの特権かもしれませんね。
『想い出がいっぱい』の歌詞は大人へと成長しようとする少女の姿
少女から大人へ
この楽曲で歌われているのは、少女から大人になっていく女の子の姿です。
大人へと少しずつ、でも着実に歩みを進める少女。
大人の女性にあこがれを抱きながらもまだ少女でいたい。
複雑な思いもあるのでしょう。
そんな大人になりきれていない女の子の姿を、彼女を見つめている男の子の目線で歌っている楽曲です。
『想い出がいっぱい』には青春の甘酸っぱい日々が描かれています。
無邪気な笑顔
古いアルバムの中に隠れて 想い出がいっぱい
無邪気な笑顔の下の
日付けは遥かなメモリー
出典: 想い出がいっぱい/作詞:阿木燿子 作曲:鈴木キサブロー
子供の頃に撮ってもらった写真がたくさん貼られたアルバムを眺め、その中の『想い出』を探す。
そこにあるのは、あふれる無邪気な笑顔。
どれも懐かしい遥か昔のものばかりです。
子供の頃は、誰もみな純粋で無邪気でした。
喜んだ想い出も、怒った想い出も、哀しい想い出も、そして楽しかった想い出もあります。
喜怒哀楽、春夏秋冬、繰り返される中にもそれぞれがそれぞれに輝いている。
でも、もう過ぎ去った日々なんです。