リズムを逆走
試しちゃうけど
檻に入れられて
ろくでなし

通信回線途切れる世界も
意外と不満がないようです

出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか

そんな一生懸命な主人公にも、かつては「正解」から外れた道を生きようとした経験がありました。

周りの人々が足並みそろえて同じ方向を向いている中、1人逆の道を行こうとしたあの日……。

当然周りからは「間違いだ」と罵られ、同じ過ちを繰り返さないよう強制されてしまいます。

主人公にそんな道を進ませたのは、きっと周囲から悪い影響を受けたのだろう……。

そう考えた周りの人間は、主人公から「通信回線」を奪いました。

スマートフォンやPCを取り上げ、外の世界との繋がりを奪い、目の届く所へ閉じ込める。

それはいわば監禁状態ともいえる壮絶な環境です。

しかし主人公は、支配下に置かれることにももう慣れてしまっていました。

不満もなく、「鬼」の言葉を素直に受け止める主人公。

そんな経験を繰り返し、主人公は「挑戦したい」という気持ちさえ抱かなくなっていくのです。

分岐点に立った主人公

ふと正しさが分からなくなる

Zで掴める中古な発想
二進も三進もいかない? パロディ
真の言葉で得られた物なら
数ある中でも美しい

出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか

ある時を境に、主人公はそれまで進んでいた道を歩むことができなくなります。

どっちに行ったらいいのか分からずに立ち尽くしてしまった分岐点。

主人公の目には、どの道も誰かの人生を模したパロディのようにしか映りません。

誰もが選ぶような古い考えにとらわれてしまえば、主人公が迷わず進める道とはならないでしょう。

数ある道の中で、自分が最も「美しい」と感じる道を選ばなくてはならない……。

周りの「鬼」たちに封じ込められていた主人公の「本当の心」が、今動き出した瞬間でした。

誰かの代わりとして生きてきた人生

正に生涯我が身は瓜二つ
頭だけねじ抜けゆるゆるだ
生まれてから死ぬまで丸写し
詳しい事情は黒く塗れ

出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか

今思えば、周りの「鬼」たちは主人公を「誰かの代わり」に仕立て上げたかったと分かります。

過去に正解だけを選ぶように育ててきたにも関わらず、途中で自分を信じて巣立ってしまったあの子……。

生まれた時からその代わりをさせるために、まさに「丸写し」の人生を送らせようとしていたのです。

それは他者から見れば、間違いなく「悪いこと」と思われるでしょう。

しかしそんな事情も、隠してしまえば周りにバレることはありません。

大勢の大人から自分という「個」を無くすよう命じられ、いわれるままに生きてきた主人公。

そのことに気がついた今、後は身代わりと同じように巣立つだけです。

本当にこのままでいいのか

どちらの道も暗いなら

人生左右の暗い道
凸凹ばっかでタチが悪い
攻撃力はそのまんま
体力増加が賄いだ
フラストレーション溜まって不満で
鉱山Craft 夜が明けた

出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか

分かれ道のどちらを選んでも、輝かしい未来が待っていることはありません。

「鬼」の示す通りに生きれば自分を捨てることになる……。

そして自分を大切にすればするほど、鬼はどこまでも追いかけてくるでしょう。

そんなどうしようもない感情を積み上げているうちに、また何もしないまま夜が明けてしまう……。

何もできない1日を繰り返しているうち、ついに主人公は決意します。

どちらの道も暗いならば、いっそ自分の望む方へ行ってみよう

主人公の「反逆」が始まります。

決行の時

ベルトで打つ 平手打ち
包囲攻撃 手錠がけ
監視する 合図する
くるっと回って 色仕掛け

宝を見つけて奪い去る
宝を見つけて奪い去る

ハードな人生懲り懲りです
イージーゲームでプレイしたい
ハードな人生懲り懲りです
イージーゲームでプレイしたい

出典: イージーゲーム/作詞:和ぬか 作曲:和ぬか

ベルトで打たれる日もあれば、平手打ちが飛んでくる日もある……。

主人公の生きる世界は、暴力沙汰など当たり前の日々でした。

しかしそれを回避するべく、何日も何日も挑戦し続けた主人公。

ついに一瞬の隙をついて、ずっと手に入れたかった宝を持ち去ることができたのです。

主人公が追い求めていた宝とは、自分自身のことに他なりません。

誰かのものではなく、鬼の言いなりにもならない「自由な自分」こそが宝です。

結果うまく鬼の元から逃げ出した主人公ですが、やはりその道はハードそのもの。

何度振り返っても、「もっと楽に生きられれば良かった」と感じてしまいます。