二人で歩むハイウェイ

雲ひとつない空に 果てしなく続くハイウェイ
隣に居る君は 何を思うのだろう
無邪気に微笑んだ 横顔をそっと眺めた
こんな日がいつまでも 続くのだろうか

出典: クリアスカイ/作詞:大西省吾 作曲:大西省吾

物語は雲ひとつない青天が広がるハイウェイを舞台に始まります

“隣に居る君”とありますがハイウェイにいるだけあって車内でしょうかね。

いや、もしかしたらルート66みたいな道を並んで歩いているのかもしれません。

彼らの関係性は歌詞では具体的に書かれていません。

この“君”は彼女なのかそれとも友達なのか。

ともかく二人一緒にいるだけあって仲は良好のようですね。

しかし語り手である主人公は、そんな“君”に対して特別な感情を抱いているようにも思えます。

他愛もない話に花を咲かせ、可愛らしい笑顔で自分に微笑んでくれる君。

その横顔をそっと眺め、「こんな青春に満ちた明るい日々がいつまでも続いたらいいのになぁ」と心の底で願う主人公。

歌詞を読んでいると、彼の甘酸っぱい感情が伝わってくるようです。

“大人になる”という意味

時は流れ…
時は流れ 誰もがいつの間にか
大人になる…
大人になるってことの意味を
心に刻んで 行くだろう

出典: クリアスカイ/作詞:大西省吾 作曲:大西省吾

決して歩みを止めず確実に経過していく“時間”

純真無垢で毎日を楽しく生きている子供達もいつかは大人へ成長するための階段を上っていくものです。

嫌いだった勉強や楽しかった遊び、友達とのケンカや恋愛も大人になれば満足にいかないもの。

大人になるということは、子供の頃に当たり前だったことを犠牲にするということ…。

昔はその意味をよく分かっていなかった。

けれど歳を重ねていく度にその意味が痛いほどよく分かってくる。

でも僕達はこの長く続くハイウェイのように真っ直ぐ進んで行くしかない。

僕はずっと傍にいる

君だって そんな風にして
些細な誘惑につられ
じゃれ合って 迷子のように
回り道 繰り返すけれど
強がってたって最後には
思い出す 大事なもの
気付いて欲しい いつまでも
そばに居ること 共に有ること

出典: クリアスカイ/作詞:大西省吾 作曲:大西省吾

世間について何も知らず、ただ毎日を好きなように生きている君もいずれは大人になってしまう。

周りの大人達のように、今以上に交友関係を広げ不埒な誘惑に惑わされて、傷ついたり物事の見方が変わっていく。

今のような清純なままでは決していられないはず。

その成長の狭間では「これから先どうすればいいのだろう」と生き方について悩み、右往左往することもあるだろう。

まるで迷路に迷い込んだ旅人のように、同じ道をグルグルと辿って間違いを繰り返すことだってあるかもしれない。

「私は大丈夫だから!」と君がいくら強がったところで、大人になっても本当に大丈夫なのかは誰にも分からない。

君は僕のことをどんな風に思っているのか?

もしかしたら本当にただの“仲の良い友達”としか考えていないのかもね。

でも、これだけは分かっていてほしい。

どんなに月日が経っても、どんな出来事がこれから舞い込んだとしても、僕の心は君と共にある。

いつだって君の傍で笑って語らいたいんだ

快晴から雨雲へ

突然降り出した 雨粒 頬を濡らした
留まる場所もないなら このまま行こうか

出典: クリアスカイ/作詞:大西省吾 作曲:大西省吾

長い平坦なハイウェイを進んで行く二人。

その途中で突如降り出した雨。

さっきまで晴れ渡っていた空だったのに、気付けば鉛色の雲が広がる気持ちの悪い空に変わっていた。

でも降り出した冷たい雨粒から守ってくれる、建物やバス停などの雨宿りできる場所なんてここにはない。

ここで立ち止まっても仕方がない、たとえびしょ濡れになっても歩みを止めずに行こう。

止まない雨なんてないのさ

風は渡る…
風は渡る 黒雲を吹き飛ばして
止まない雨…
なんてないってことの意味を
心に刻んでさぁ 行け

出典: クリアスカイ/作詞:大西省吾 作曲:大西省吾

川のように流れていく雲の動きを“風は渡る”と詩的に表現しているのが素敵ですね。

頭上を覆っていた雲が徐々に薄らぎ、二人の身体と地面に叩きつけるかのように降り注いでいた大粒の雨も勢いを失い、次第に止んでいった。

「止まない雨はない」という昔どこかで聞いたこの言葉。

初めて聞いた時は深く考えず、単純にずっと雨が降っていることはないんだと思っていた。

でも、先程まで自分達を苦しめていた雨が止み、雲の合間から眩しい陽が差しているこの状態を見て僕はやっと理解した。

人生は楽しいことばかりじゃなく厳しい場面も数多く存在する…。

しかしどんなにツラい日々でもいつかは終わりが来る

あぁ、あの言葉はそんな意味が込められていたんだな。

もう二人の歩みを邪魔するものはない。

迷わず行けよ、行けば分かるさ

間違ってたっていいんじゃない?
信じた証になる
繋がってるって気持ちが
重なり合って 夢 膨らんで
躓いて 倒れそうなとき
思い出せ 大事なもの
青く青く どこまでも
広がる空に 願いをかけた

出典: クリアスカイ/作詞:大西省吾 作曲:大西省吾

「この道を進んで本当にいいのかな?」

そんな一抹の不安が頭をよぎる。

でも、たとえ間違った方向に進んでいたとしても別にいいじゃないか。

自分達が決めた道を自分達の意思で進んで行く、それが一番大切なことなんだ。

互いを信頼し、共にまだ見ぬ未来を目指して前進していく僕と君。

途中で疲れてしまったり、小石に躓いて転んでしまいそうになった時は僕が君を支えてあげるから。

そして…青く澄み渡る美しい空を見上げ、僕は何があっても君を守っていくんだと心に誓いを立てた。