新鋭アーティストが歌うユニークでキュートな世界

その摩訶不思議な世界観の支配するMVに、何だか訳もなく惹かれてしまった人もいるかと思います。
「よく分からないけど、何かいいよね」
それこそが、「ロイ-RöE-」の持つ大きな魅力ではないでしょうか。
注目度がどんどん増している彼女ですが、作曲は独学だというから驚きです。
正規のルートを辿ってこなかったからこそ、オリジナリティあふれる楽曲を作ることができるのでしょう。
2019年の春ドラマ、「ストロベリーナイト・サーガ」のオープニングテーマを歌ったことでも有名です。
【VIOLATIO*】では、相反するものが目まぐるしくスイッチしていく様子が歌われています。
ストロベリーナイトの世界観を的確に表現した、オープニングテーマに相応しい楽曲といえるでしょう。
それとはまるで雰囲気が違うのが、今回ご紹介する【YY】です。
MVでは宇宙空間のような場所を舞台に、ロイ-RöE-さんと宇宙人との交流が展開されていきます。
ドラマ「ハコヅメ」のオープニングテーマとして、ドラマスタート時より注目を浴びてきました。
ドラマの最初にほんの数秒流れるだけなのですが、誰もが気になるインパクトのある曲なのです。
内容や出演者を考慮して考えられた歌詞は、しかし少し難解です。
宇宙人との交流だからそれもあり?と思わせるような【YY】の歌詞を、ゆっくりと紐解いていきましょう。
ワイワイ楽しく始まろう!
きっとどれも相応しいや YY 心騒いで居たいわ
君と笑顔わけあえたら I'm on Cloud nine
You gave me a lively world
Every day with you is special
出典: YY/作詞:ロイ-RöE- 作曲:ロイ-RöE-・SUNNY BOY
最初のパートは、「ハコヅメ」のオープニングテーマとして流れる部分です。
イントロを含めるとはいえ、たったこれだけの歌詞で関心を誘うのには脱帽させられます。
ドラマの3話目が放送された頃にやっと、フルバージョンのMVが公開されました。
気になるのに全貌が分からないこの楽曲に、かなりやきもきさせられた人もいるのではないでしょうか。
曲のタイトルでもあり、歌詞にも入っている【YY】という言葉には、「ワイワイ」がかけられているそうです。
「ワイワイ楽しくやろうよ」という気持ちがまず初めに感じられ、楽曲への期待度も高まります。
人は時に、やむを得ない事情で他人との関わりをセーブしなければならない時もあるでしょう。
そんな時にもくじけず前を向いていこうというメッセージが、この部分で既に感じられる気がします。
引用歌詞2行目にある英語のフレーズは、「有頂天だ」という意味を持つ慣用句です。
ワイワイ楽しくやっていれば、誰もが必然的に笑顔になります。
互いに笑顔であることを「分け合う」と表現し、そんな風にできたら最高だよねと続いています。
2つ目のパートに続くのは、英語の歌詞です。
「君は私に陽気な世界をくれた」
「毎日君といることが特別なんだ」
和訳すると、そういった意味になるでしょう。
ここでいわれる「you」というのは、この楽曲においては特定の誰かがいるようです。
それが誰なのかについては、後述するとしましょう。
ドラマをイメージして作られた歌詞
MVを見ると、ロイ-RöE-さんや宇宙人?が登場する楽し気な内容なのが分かります。
ただこの【YY】は、宇宙人との交流がテーマというわけでもないのです。
こちらのパートでは、ドラマに出演している戸田恵梨香さんや永野芽郁さんにまつわる歌詞もあります。
警察官もアーティストも同じ
デタラメな愛で間に合えば
もやのなか 目を凝らさないのだ
ロマンで箱詰めにしちゃえば
むねのなか 使い道ばっかだ
出典: YY/作詞:ロイ-RöE- 作曲:ロイ-RöE-・SUNNY BOY
ロイ-RöE-さん曰く、引用歌詞1~2行目は、戸田さんや永野さんを見て思い付いたのだそうです。
ドラマをご存知ない方のために触れておくと、「ハコヅメ」は交番勤務をする女性警察官の日常がテーマです。
新人の永野さんが先輩である戸田さんと組み、警察官として成長していく様子が描かれています。
出演者から着想を得たという歌詞には、一体どんな意味が込められているのでしょう。
ドラマの中では、交番勤務をする2人の所へ、様々な事情で訪れる人があります。
適当にあしらえば、仕事としては簡単に済むでしょう。
しかし、どんな面倒な事案にも、彼女らは警察官としての誇りをもって向き合っています。
ロイ-RöE-さんとしては、そういう2人の様子をこの歌詞に込めたのだそうです。
そして彼女自身、ドラマの2人に通じる部分を持っているのだと言っています。
警察官が市民を大切に思う気持ちを、ロイ-RöE-さんはファンに対して抱いているのです。
引用歌詞3~4行目のフレーズには、こういう解釈をしてみようと思います。
何かモヤモヤすることがあったとしても、情熱を持って取り組めばいいのです。
それをずっと心の中に置いておくのではなく、いっそ別の場所に移してしまいましょう。
そうすればまた心に余裕ができ、別のことをいろいろ考えられるようになると言いたいのではないでしょうか。
それはドラマの警察官2人にしても、ロイ-RöE-さんとしても同じことなのでしょう。
素晴らしい世界だから堪能したい
この世界ごと味わい尽くしたい
ひととおり ふたとおり
出典: YY/作詞:ロイ-RöE- 作曲:ロイ-RöE-・SUNNY BOY
どんなことがあっても、自分が生きて、自分の好きな人たちが生きるこの世界は素晴らしいはずです。
そんな世界だからこそ、いつだって前向きに味わいたいところです。
味わうというからには、撫でるようにして終わるわけではありません。
引用歌詞2行目にあるように、1度どころか2度やってもいいくらいということなのでしょう。
堪能するという言葉がしっくりくるような、そんな味わい方をしようという声が聞こえてくるようです。
MVではちょうど、ロイ-RöE-さんと宇宙人が出くわす場面が展開されています。
最初こそ、ロイ-RöE-さんは宇宙人に驚いてしまいます。
しかしすぐに、まるで「地球を案内してあげるよ」といわんばかりにニヤリと笑うのです。
彼女は宇宙人に、自分の好きな世界を教えてあげたかったのかもしれません。
あなたが傍にいればそれでいい
YY I want you to stay by my side
足りないモノなどまるでないわ
君と笑顔わけあえたら I'm on Cloud nine
出典: YY/作詞:ロイ-RöE- 作曲:ロイ-RöE-・SUNNY BOY
こちらのパートの歌詞には、またしても「you」という単語が登場しています。
先延ばしにしていた、その正体に迫ってみましょう。
【YY】の中でロイ-RöE-さんは、ある友人との関係を表現したとも言っています。
先ほどやこちらのパートで登場した「you」がそうであると断定はできませんが、可能性は高いです。
その友人のおかげで、ロイ-RöE-さんはたくさんの楽しい思い出を作ったそうです。
こちらでの「you」をその人に当てはめてみると、歌詞はぐっと分かりやすくなるかと思います。
仲のいい友達とは、ずっとワイワイやっていたいものでしょう。
そこには、何か欠けていると感じるものもきっとないはずです。
2人で笑い合えれば、それ以上何もいらないといったところでしょうか。
ドラマの警察官コンビは、そういった関係とは少し違います。
それでも、ドラマの内容にも通じる部分があるので、さすがロイ-RöE-さんと言わずにはいられません。