2人の出会いの前には
待ちに待った約束の日

君と待ち合わせ
15分を切って
左腕の秒針 チクタクと
胸を急かすようで
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
それほど遠くに住んでいるわけではないのに、忙しいのかなかなか会うことができずにいた主人公と君。
一緒に暮らしているわけではないからこそ、時折訪れる君との1日が愛しく感じられます。
約束の時間まで後少しというところまできて、やっと足を踏み出した主人公。
あまりにも早く着いてしまえば、きっと君は笑うでしょう。
早く向かいたいという気持ちが止まらず、何度も繰り返し腕時計を確認してしまいます。
いつもに増して遅く感じる時計の針が、ようやく目指すべき数字を指した時……。
これまで抑えていた気持ちを爆発させるように、外へと飛び出していくのです。
君はもう待っているだろうか
ホームにベルが鳴る
君の待つ 渋谷行きへ
乗り込む 身体は
季節より 汗ばんで
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
君の住んでいる街までは、電車に乗ってたった数分で到着してしまうほどの距離しかありません。
本数の多い東京の電車ならば、これを逃してしまったからとはいえ、またすぐに次がやってくるでしょう。
しかし、君との時間は1秒たりとも無駄にしたくない……。
どうしても、何としてでもこの電車に乗らなければならないのです。
まるでスタートの合図で走り出す徒競走のように、けたたましく鳴り響くベルの音。
それは、過ぎ行く主人公の背中に「行ってらっしゃい」と声をかけているようにも聞こえます。
外は肌寒いにも関わらず、電車の中でただ1人火照った顔をしている主人公。
それは走ったからでも、慌てて電車に乗り込んだからでもなく、ただこれからの時間に心弾ませているから。
君と会えるその瞬間が楽しみでたまらないからです。
特別な想いを伝えたくて
夜まで一緒にいることができたら
揺れる街のlight 君と眺めたい
何の意味もない 景色さえも
もしも傍に 君がいてくれたら
すべて意味が宿るの
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
お互いに別の仕事を抱え、起きる時間も寝る場所も異なる生活を送っている2人。
今日だってせっかく会えたにも関わらず、それほど遅くならない時間に解散となってしまうでしょう。
お互いのことを思いやるがあまり、2人の時間はどんどんと少なくなってしまい……。
「帰りたくない」というその一言が、お互いに言い出せないままなのです。
いつか時間を気にせず、日が落ちた後の街並みを2人で眺めることができたのなら……。
決して特別な景色ではなくても、不思議なほどに美しく見えるはずです。
食事をすることも、仕事をすることも、眠ることも、今の主人公にとっては生きるための術でしかありません。
しかし君と食べる料理や君の事を考えながら行う仕事、そして2人寄り添って眠る夜……。
そう考えれば考えるほど、1日が色づいていくのを感じられます。
主人公の毎日に、あたたかみを加えてくれるのはいつだって君の存在。
「誰かのために生きたい」と思えるのも、君がいてこその感情なのです。
わかり合いたい想い
君に伝えたい それだけじゃない
ふたりわかりたい この想いを
頭の中 何度も書き直した言葉
いつもの笑みで 頷いてくれますように
出典: プリクエル/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
主人公が君に抱いているのは、ただの「愛」ではありません。
一方的に愛してると伝えるだけでは、ただの自己満足で終わってしまうでしょう。
主人公の望みは、君と同じ気持ちを分かち合うこと。
幸せな気持ちも、辛い出来事も、全て2人で分け合いたいと思うのです。
そして、今の気持ちを言葉にしようとすれば、やはり思い浮かぶのが「愛してる」の一言。
本当にこれでいいのか、どんなシチュエーションで伝えようか、と何度もシミュレーションを重ねます。
それほどまでに、主人公にとっての「愛してる」はたった1つの大切な言葉。
この世界で君だけに伝えたい、かけがえのない言葉なのです。