ミニアルバム【モラトリアム】に収録
【トニカ】はOmoinotakeの3rdミニアルバムである『モラトリアム』に収録されています。
このミニアルバムは大人の雰囲気を纏った楽曲が多く、【トニカ】も例外ではありません。
【トニカ】の歌詞の内容は大人の心情をベースに構成されています。
友人や恋人との別れを経て、大人になった自分を見つめ直し、日々と向き合う大人が主人公です。
「あのころは良かった」と、過去と今を比べて悲観的になってしまうことはありませんか?
【トニカ】の歌詞の内容を理解すれば、きっと今の自分を愛せるようになると思います。
年を重ねている方ほど共感しやすく、胸に響く一曲です。
そんな【トニカ】の歌詞の解説を進めていきましょう。
1番の歌詞
ノスタルジーに浸る
陽は落ちた window 晴れた今日を告げた街のチャイム
行き詰まった indoor 靴を履いて行く当てなく 歩き出す
出典: トニカ/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
クラップの音と、軽快なピアノサウンドから曲は始まります。
そんなサウンドとは裏腹に、歌詞の内容は少し寂し気です。
窓の外では晴れた一日が終わろうとしています。
目的もなく外に出た主人公は、ふらふらと街の中を歩いているようです。
主人公は一日が終わってほしくないという気持ちから、外へと飛び出したのではないでしょうか。
過ぎていく時間にあらがおうとしているようにも感じます。
見慣れた街の景色 遠くで泣く子供の声
あんな風に泣きじゃくれたなら いいのに
出典: トニカ/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
子供の泣き声に羨ましさを感じるあたり、何か悲しい出来事があったのでしょうか。
夕暮れの街と子供の姿というのは、ノスタルジーな気持ちを呼び起こさせる言葉です。
つまり、大人になったことで生まれた悩みがこの曲のテーマになっているということがわかります。
素直に涙を流せなくなった主人公の寂しさを感じさせる詞ですね。
毎日の憂鬱
浮かばない夜は 君の顔を 浮かべたまま 眠る
起きがけの僕は 酷い顔で だけど one day 進み出す
ガタゴト運ばれてく 車窓の外 既視感だけ
吊り下げ揺れる 広告みたいに笑えたら
出典: トニカ/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
先ほどの詞から連想すると、この部分にでてくる「君」とは別れた恋人なのではないでしょうか。
電話やメールではなく、思い浮かべることしかできないというところが切なさを感じさせます。
その後に続く詞は、朝起きて会社に向かう様子を表わしているようです。
夜の街をふらふらと歩き回ったからでしょうか。
主人公の寝起きは最悪だったようです。
会社へ向かう電車の窓から見る景色はいつも同じで、感動もなにもありません。
中吊り広告にのっているモデルの笑顔も恨めしく感じるほど、主人公は疲れ切っているようです。
通勤時の憂鬱な気持ちを見事に表した詞だと思います。
抜け出せない日々をまた loop
出口を探すよ 弱く脆い心を抱えていたって
出典: トニカ/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
こんな変化の無い生活から抜け出したいという気持ちがこの部分では強く表れています。
しかし、実行する勇気がわかず、そんな自分の弱さにもがっかりしているのでしょう。
毎日行きたくもない会社に向かう途中、主人公と同じような気持ちを抱く方は多くいるかと思います。
背中を押すサビ
I believe いつの日か glow
行き詰まるこの時も don’t let go
いつか思い出す今日を 僕の一部と誇りたい
出典: トニカ/作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央
ここからサビになります。
曲では一瞬ブレイクが入り、一気に開放的な雰囲気へと移り変わります。
歌詞の内容に沿った編曲なのでしょう。
いつか人生の道が開けるときまで、自分を信じて待とうというメッセージがこのサビでは歌われています。
もし壁にぶち当たっても、諦めずに進み続けることが大事です。
もし諦めてしまったら、過去を振り返ったときに後悔ばかりが残ってしまいます。
諦めなければ、それが自信に代わり、自分を誇らしく思えるようになるのです。
明日からがんばろうと思わせてくれるような詞が、聴く人の心を揺さぶります。