ラブ・バラードも踊ります
「君だけに」がリリースされたのは1987年6月。
6月のジューンブライドやこれから先の夏の恋、そして年末のイベントに向けたベストタイミングで発表されました。
これまでのアップテンポとは打って変わった曲調に挑戦。歌唱力からも、バラードのリリースは当然でしょう。
少年隊だから、しっとり歌う+ダンスパフォーマンスをパーフェクトにすることができました。
すこしやり過ぎなくらいに決める、3人の背筋の伸びた姿は胸キュンです。
この歌そのままに少年隊に告白されたら、今日はムリと言って一旦帰ります(笑)。
「君だけに」(きみだけに)は、少年隊の6枚目のシングル。 『第38回NHK紅白歌合戦』出場曲。少年隊自身、オリコンチャートで通算5曲目の首位獲得。少年隊として初めてのスロー・バラード曲。振付師の山田卓に「これで踊るバラードが完成した。」と言われた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/君だけに
ダンスパフォーマンスに対して、『キレキレ』や『キレッキレ』を使うのはフツーになりました。
カウントちゃんと取ってるよね、ステップ正しく踏めてるね、なんて言ったとしても今はピンとこないのかも。
でも少年隊の3人が歌って踊る姿は『キレキレ』ではもったいない気がします。
楽曲リリース当時は『切れがいい』という褒め言葉はあったはず。
基本を抑えつつ教科書通りではなく、個性を足して踊るのがプロのお仕事。
口では教えようがないダンスの奥深さ。
ダンスのまえに立ちはだかる高い壁を、乗り越える能力を持っている3人ですね。
指パッチンは生音?
歌の後ろで鳴る指の音は楽曲のポイント。君だけに届けたい思いが、指の音から始まります。
鳴らした指の音にはこのような秘密がありました。
曲中では、メンバーが指を弾いて鳴らすというパフォーマンスに特徴がある。この指の音は東山のものをサンプリングしたと、後に東山自ら「MUSIC STATION」内で語っている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/君だけに
指を鳴らす音が聞こえない「君だけに」は、さび抜きのお寿司のように、ピリッとしません。
だからといってプロポーズに使う時に、指を鳴らすのは止めておきましょう。
少年隊だからこそ許されるパフォーマンスですよ。
歌詞とメロディーに、プラスされるダンスやコーラス。
そこにもう一つの何か、しかも極上の何かを重ね合わせるのが少年隊の楽曲。
曲を作り上げることへの少年隊3人の、本気度が伝わってきます。
それは長く残り・長く歌われ・長く聴かれる曲になる、条件の1つとも言えます。
お待たせしました。歌詞の世界に行きましょう。
愛に染まる覚悟はもちろん大丈夫ですよね…
ロマンティストは生まれつき
すでに運命は決まってた
君だけに ただ 君だけに
ah めぐり逢うために
僕はさびしさと ともに生まれたよ
出典: 君だけに/作詞:康珍化 作曲:筒美京平
愛を伝えようとしている、歌詞の主人公の子供時代を想像してみます。
子供の頃から感受性が豊か、そして物静かで恥ずかしがり屋だったようですね。
通知表にいつも、落ち着きがありませんと書かれるタイプとは真逆かも。
ただ単に優等生ではなく、わんぱくな所もあるけれど女子に力で対抗はしない。
常に独りでいることは苦手なので、友達は多い方と予想をしました。
勝手な想像で解説を始めてしまいました。
でもこの後長い人生を共にするなら、相手の子供時代は知っておきたい項目です。
歌詞の中の主人公は、大人になった今もさびしがり屋の傾向はありそうですね。
自分の思いを人に伝えることには真剣になるタイプと見ました。
愛の告白に嘘偽りはありません。
何も考えなくていいから
夜が星空を
ah 海が風 ah 抱きしめるように
僕は君だけを
抱きしめるために生まれて来たよ
出典: 君だけに/作詞:康珍化 作曲:筒美京平
夜空に瞬く星や、海を渡る風は自然に起きていること、誰かが仕掛けたことではありません。
自然の流れのように、気が付かない内に無意識でそうなっているように、君を抱きしめます。
僕が君をただ抱くだけで、愛していることを表していると思って欲しい。
愛してると口には出さない、愛をモノに変えて渡すこともしないけれど…
背中にまわした両腕で、ただ思い切り君を抱くことが、僕の愛と思って受け止めてほしい。
君を抱きしめて君を近くに感じたいのはもちろんだけど、君の心の中も僕は一緒に抱きしめています。