素直になれない女の子
「秒針」に出てくる2人は、前作の「君と僕はさ」に出てきた2人です。
インタビューで、2人は友達関係であることを話されていました。
男友達を好きになるというのはよくあるパターンです。
しかし交際に発展するまでのハードルは高く、主人公も思い悩んでいます。
たった一言、「好きだよ」と伝えればいいだけなのですが、友達という関係が邪魔をするのです。
自分がどんなに相手のことが好きでも、相手も同じとは限りません。
相手がただの友達と思っていた場合、告白に失敗したらどうなるのでしょうか。
2人の関係は壊れ、友達関係を続けることができなくなってしまいます。
主人公も友達関係が壊れることが怖く、素直になれません。
好きになって欲しい
期待しながら歩く夜道
「好きだよ」その一言を
待っている長い夜に
ため息混じりに溢した
「ねぇ?あたしを好きになってよ…」
出典: 秒針/作詞者:鈴木鈴木 作曲:鈴木鈴木
歌詞の1行目から、2人は一緒に夜道を歩いていることが分かります。
前作では夜のコンビニへ2人で一緒に行く姿が描かれていました。
2人で夜のコンビニへ行くのは、交際を始める前からの恒例だったのかもしれません。
道すがら彼からの告白を待っている主人公。
でも、彼の口から「好き」という言葉は出てきません。
ため息と共に、「好きになって欲しい」という願いが口からこぼれ落ちます。
彼に自分の気持ちを知って欲しい、自分のことを好きになって欲しい。
そう願いながらも、ためらう主人公の姿に切なさを感じます。
彼の気持ちは?
月日とともに離れては近づいて
また離れる心が息苦しいよ
出典: 秒針/作詞者:鈴木鈴木 作曲:鈴木鈴木
彼は主人公のことをどう思っているのでしょうか。
この歌詞から彼の気持ちを推察することができます。
近づいたり、離れたりする彼の心。彼自身も葛藤があったのでしょう。
主人公に対する想いが、友達以上のものであることに気付いたのかもしれません。
しかし彼も主人公と同じように、この関係が壊れることを危惧しているのです。
自分の心が主人公に近づくたび、彼はブレーキをかけ離れたのでしょう。
「秒針」を「ひび」と読む理由
彼と一緒にいたい
あなたが描く世界にあたしがいて
そんな妄想ばっかの繰り返しで
出典: 秒針/作詞者:鈴木鈴木 作曲:鈴木鈴木
「秒針」のジャケット画像には学生服を着た男女が描かれています。
このことから、2人は学生であると考えることができるでしょう。
夜のコンビニで買い物をしている様子から、高校生ぐらいと考えることができます。
彼は主人公に、将来のことをいろいろと話していたのではないでしょうか。
彼が描く未来図には主人公の姿はありません。
でも主人公は彼の話を聞きながら、その未来図に自分も加えていたのでしょう。
そんな自分に嫌気が差している主人公。
それでも、彼と一緒にいたいと願う主人公の想いがひしひしと伝わってきます。