この曲を聴いたDr.Cho.の大久保林香さんは、歌詞の内容に強く共感しました。
平山さんと同じように進学しないという選択をした大久保さん。
自分の気持ちを言葉にしてくれた、と平山さんに感謝しています。
モヤモヤとした気持ちが言葉になった時って、心がすっと軽くなりますよね。
ああ、自分はこれが言いたかったんだ。
大久保さんはきっとそんな風に思ったはずです。
こんな気持ちを味わっていたのは自分だけじゃなかったんだと安心したことでしょう。
MVの演奏シーンでは大久保さんがドラムよりもメンバー2人に目をやる表情が印象的です。
それはドラムという重要なポジションゆえの仕草でもあるとは思います。
しかし、大久保さんは誰よりもgoomieyというバンドと2人が大好きなんだろうな。
そんなことを思わされました。
2:24で大久保さんが2人のブランコを押すシーンもそんな気持ちを想像させてくれます。
スタジオへの階段を上るのは
平山さんと大久保さんが決心を固めていた一方で、Ba.Cho.の岩堀聖奈さんの気持ちは複雑でした。
美容師になりたかった岩堀さんは、専門学校に行くかバンドを続けるかで悩んでいたのです。
ミニアルバムのレコーディング中もずっと悩んでいました。
しかし、レコーディングが終わったとき「これが最後になるのは嫌だ」と思った岩堀さん。
バンドを続けることを決心します。
ちなみに1:51のシーンではスタジオへ向かう階段を平山さん、大久保さん、岩堀さんの順番で上っています。
平山さんと大久保さんと一緒にいることを決めた岩堀さんの気持ちを表しているようですね。
岩堀さんがバンドを脱退するということで、サポートメンバーを探し始めた時期もありました。
その頃の大久保さんと平山さんは気持ちが暗くなってしまい、ライブもどこか本気で楽しめなかったとか。
岩堀さんが決心をした後のライブはすごく楽しかった、と大久保さんは振り返っています。
「やっぱりgoomieyはこの3人じゃないと」と思ったのですね。
そんな気持ちはMVの演奏シーンからもひしひしと伝わってきます。
詳しくは下記のインタビュー記事で語っています。
何が「アイロニー」?
意味
ところで、この曲のタイトル「アイロニー」にはどんな意味があるのでしょうか。
イロニーもしくはアイロニー(英: irony, 独: Ironie)は、表面的な立ち居振る舞いによって本質を隠すこと、無知の状態を演じること。
(中略)
その他、一般には反語、逆説などの意味でも用いられる。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/イロニー
誰の「アイロニー」?
平山さんがご家族から「普通じゃない」と言われたエピソードがありましたね。
同級生達が大学や専門学校への進学や就職を目指す中で、バンドを続けるために進学はしないと決めた3人。
他の人にはできない選択をしたことで、皮肉ともとれるような言葉を受け取ることもあったはずです。
しかし、彼女たちがその決断に至るまでに葛藤があったことは先ほどお伝えしました。
バンドを続けていくことの難しさは、誰よりも彼女たち自身が一番感じていたのではないでしょうか。
歌詞の「アイロニー」
これを踏まえて改めて歌詞を見てみましょう。
―白線は見えてたのに
僕たちは止まらなかったんだ
―現実は見えてたのに
僕たちは止まらなかったんだ
出典: アイロニー/作詞:平山舞桜 作曲:平山舞桜
何も考えていないわけじゃない。
あなたたちが言うような失敗の危険性だって、世界の厳しさだって、ちゃんと見えてる。
それでも私たちはやりたいことをやると決めたんだ。
3人でバンドを続けていくと決めたんだ。
そんな強い思いが伝わってくる歌詞ですよね。
MVでは1人ずつのシーンはほとんどなく、3人一緒に写っているシーンがほとんどです。
この点にも「goomieyはこの3人じゃないと」という気持ちが表れていると思います。
―アイロニー、ねえ教えてよ
どこに向かえばいい?
出典: アイロニー/作詞:平山舞桜 作曲:平山舞桜
そんなにあれこれ言うならどこに向かえばいいのか教えてよ。
そんなメッセージが込められているように思えます。
そしてもしそうであるならば、そのメッセージ自体が「アイロニー」ですよね。
彼女たちはもうすでにどこに向かうのか、決めていますから。