関係ない物事が自分にめがけて攻撃してきても関係ありません。
主人公は「関係ない」と割り切っているので、目にも入らないのです。
それよりも自分が重要だと思っているものを注意深く観察することの方が大事。
自分が行動しなければいけないタイミングになるまで、体力を温存しているようです。
自分の感情
こんな自分に 未来はあるの?
こんな世界に 私はいるの?
今切ないの? 今悲しいの?
自分のことも 解からないまま
出典: Bad Apple!!/作詞:Haruka 作曲:ZUN
上記で紹介した解釈からも、主人公は結構あっさりとしている性格なのかもしれません。
自分が、ここだ!と思ったタイミングまでは、極力自分からは動かないように周りに動きを合わせる。
周りに執着がないとも捉えられますし、逆に1点のことに執着しすぎているようにも感じられます。
それぐらい周りや自分についてあまり頓着がなかった主人公。
それでもやはり、ふとした瞬間に自分について考えることもあるようです。
自分の将来のこと、今の感情。
色々と考えを巡らせますが、どれもピンときません。
今まであまり考えたこともなかったので仕方が無いでしょう。
でも、分からないから悲しいとは思っていない様子です。
分からないなら分からないままで受け入れる。
分からないということが自分だという結論に至ったのかもしれません。
チャンスがあれば
歩むことさえ 疲れるだけよ
人のことなど 知りもしないわ
こんな私も 変われるのなら
もし変われるのなら 白になる
出典: Bad Apple!!/作詞:Haruka 作曲:ZUN
これだ、と決めた事以外には関心をもたない主人公。
どこか冷めたような態度にも受け取れます。
それでも、もし今の自分とは違う考え方ができたのであれば。
その時は、今とは違う場所にいるのではないでしょうか。
自分には関係ないと思っていた向こう側。
今さら自分の考えを改めるつもりはありません。
しかしもし最初からやり直すことができるのであれば。
その時には割り切って置いてきた物事を拾ってみたいと思いを馳せます。
境界線探し
動くのならば 動くのならば
すべて壊すわ すべて壊すわ
悲しむならば 悲しむならば
私の心 白く変われる?
出典: Bad Apple!!/作詞:Haruka 作曲:ZUN
主人公が重要視していることとは一体何なのでしょうか?
物なのかルールなのか、それとも主人公の信念のようなものなのか。
それを断定することはできません。
しかし、もし主人公が重要と感じている物事に何か脅威が降りかかれば、主人公は容赦しないでしょう。
たとえ自分の身近な関係の人物だったとしても。
それぐらいの意志の強さが歌詞の1~2行目から感じられます。
そして3行目の歌詞をみるに、主人公は身近な相手が敵だったとして辛いとは思わないと考えられます。
なんとも思わないから自分は向こう側へはいけない。
行こうとも思っていませんが、やはり自分とは正反対の考えがよぎってしまいます。
自分の居場所
貴方のことも 私のことも
全てのことも まだ知らないの
重い目蓋を 開けたのならば
すべて壊すのなら 黒になれ!!!
出典: Bad Apple!!/作詞:Haruka 作曲:ZUN
自分が重要だと思ってきたもの以外は、全て身をまかせてきた主人公。
極力頑張ることがないように、面倒くさそうなことは避けるようにしてきました。
自分の大切なものを守る時に、疲れて動けないということがないように。
それでも自分で感じて、考え行動する、という経験が少ない主人公はまだまだ未熟なようです。
未熟だからこそ失敗をすることもあるでしょう。
ひょっとすると敵だと思っていた相手は実は味方だった、なんて真実もあったかもしれません。
それでも現時点で、主人公の大事なものを危険に晒すのであれば…。
今は「敵」ということになります。
もし味方だったのであれば、後から和解すればいいのです。
主人公はそれくらいさっぱりしています。
…相手の方がどう思うかはまた別問題ですが。
白ではダメ?どうして黒なのか
「Bad Apple!!」の影絵PVでも出ていますが、東方Projectでは陰陽説がたびたび出てきます。
陰陽説とは、文字の通り「陰」と「陽」という意味です。
優劣をつける考え方ではなく、どちらかがなくなってしまえば、もう片方もなくなってしまう。
陽(光)が出ることで陰(闇)ができ、陰(闇)がなければ陽(光)は認識できないという考え方です。
そしてこの陰陽を表す絵として太極図がよく使用されています。
白と黒の勾玉をくっつけたような円の形の模様です。
「Bad Apple!!」での「黒」というのはこの陰陽説の「陰」のことを指しているのでしょう。
どうして白(陽)ではなく黒(陰)なのでしょうか。
東方Projectの舞台となっている幻想郷。
現代では忘れられてしまい「幻想」になってしまったモノが行きつく場所といわれています。
妖怪やオバケ、神様など現代の科学が進歩するにつれてこれらの存在は人から信じられなくなってきました。
そして徐々に人から忘れられていき、いつの間にか幻想郷に流されてしまっていた。
この東方の世界観を陰陽説に当てはめると現代社会が「陽」、幻想郷が「陰」と考えることができます。
幻想郷は元は消える存在だったモノが唯一存在できる場所。
そんな現代社会から忘れられた存在をまとめて「黒」といっているのかもしれません。