人魚姫の強さが見える「マーメイドラプソディー」

SEKAI NO OWARI(セカオワ)のアルバム「Tree」を紹介!おすすめ収録曲は?の画像

能年玲奈(現:のん)主演の映画「海月姫」の主題歌に起用されたこの曲では、映画と同じく海の世界を描いています。

映画ではクラゲに魅了された主人公が出てきますが、こちらは人魚姫が主人公の物語。

でも従来の「泡となって消える」という悲しい物語とは違い、人魚姫の強さが見える曲となっています。

さっそく、その歌詞を紐解いてみましょう。

「自由」より「不自由」な今が好き

ねえ、おしえてよ
「自由」はどんなものなの?
わたしは貴方が会いにきてくれる
「不自由」なこの場所が
とても好きだわ

出典: http://j-lyric.net/artist/a055790/l0345b8.html

その姿かたちの珍しさから、「アクアリウム」と呼ばれるガラス張りの中で育ってきた人魚姫。

周りの人はアクアリウムのことを「人魚姫にとって不自由だ」と言いますが、本人は「その場所が好き」と思っています。

なぜなら「大好きな貴方が会いにきてくれる」場所だから。

ガラスに囲まれているので身動きが取れず、自分からは会いに行けません。

だからこそ、好きな人が会いにきてくれる「不自由な場所」で、人魚姫は満足していたのです。

「会いに来てくれるのを待つ」のではなく「会いに行く」

人魚姫が気に入っていた「不自由な場所」は、周りの人の手によって壊され、たった一人で海の中へと出ることになってしまいます。

初めて見た外の世界に感動し、海が広いことについて「貴方に一番に伝えたい」と思う人魚姫。

そして彼女の中に、こんな強さが生まれました。

マーメイドラプソディー
煌めく自由なダンスホール
次はわたしが会いに行くわ

もう待ってるだけじゃないから
今宵純白のダンスを踊るから

出典: http://j-lyric.net/artist/a055790/l0345b8.html

「会いに来てくれるのを待つ」という受け身の状態から、自由の身になって「わたしが会いに行くわ」と能動的になった人魚姫。

「泡となって消える」という儚いイメージを覆すような人魚姫像を、新たに作り出した曲と言えます。

公式ではありませんが、再生回数が561,264回にも上る動画がありました(2017年10月1日現在)。

NakajinとFukaseの2人ボーカルと、メロディアスな曲調にも注目です。

ファンタジーとは真逆の世界を描いた「銀河街の悪夢」

セカオワというと「ファンタジーな世界」を描いた曲ばかり、と思われがちですが、そんなことはありません。

特に初期の頃は、ダークな一面を覗かせるような曲が多くありました。

この「銀河街の悪夢」は、そんな初期のセカオワの曲に通じる世界観を持っています。

どんな世界なのか、恐る恐る覗いてみましょう。

未来なんて来なけりゃいいのに

明日に住みついてる幻覚の名前は
皆さんご存知「希望」というアレです
未来なんて来なけりゃ皆とのこの差も
これ以上は開くことは無いのにさ

出典: http://j-lyric.net/artist/a055790/l02fc09.html

歌い出しからいきなり「明日=希望」という価値観を否定するかのようなフレーズです。

未来が来るということを「成長」だと暗喩し、未来がやってくるたびに周りは成長していって、でも自分は成長できなくて差がどんどん開いていく、という嘆きや絶望が感じられます。

続けて

だって昨日も一昨日も変わろうとしてたけど
今日も僕は変われないまま今日がまた終わってく

出典: http://j-lyric.net/artist/a055790/l02fc09.html