【向日葵】ってどんな曲?
対を成す2つのアルバム
ボーカル【Fukase】の甘いルックスと癒される声。
そして他のメンバーの演奏力、キャラの濃さなど独特の魅力も多いのが【SEKAI NO OWARI】です。
様々なメディアでも活躍する彼らが2019年2月27日に2枚のアルバムをリリースしました。
この2枚のアルバムは両極端の雰囲気をイメージして発売されたことでも注目のアルバムです。
1つは人間の綺麗で美しい感情を描いた光のイメージの【Lip】。
もう1つは人間の醜さや恐ろしさを描いた闇のイメージの【Eye】です。
今回歌詞の意味を解説していくのは、光のアルバムに収録された【向日葵】という楽曲。
人間の美しい感情の1つ「恋」。
綺麗な感情に焦点を当てたこの曲に込めた想いを、歌詞の内容から読み取っていきたいと思います。
光のアルバムに相応しいタイトル
タイトルは【向日葵】。
これはまさしく光のアルバムにピッタリの印象を受けます。
夏のカンカンに照りつける太陽の元、大きく艶やかな黄色い花が一面に咲いているのです。
タイトルを見ただけで想像できるのは、美しい情景。
そしてそのイメージと同様に、歌詞の内容もまた美しい人間の感情を描いたものなのです。
主人公が見つけた光
恋に落ちてしまった主人公
夜に住んでた私は初めて貴方を見た
眩し過ぎてちょっとだけ眩暈がしたんだ
出典: 向日葵/作詞:Fukase 作曲:Nakajin,Fukase
ここでは綺麗な比喩表現が使われています。
SEKAI NO OWARIらしさ溢れる、表現の豊かさを感じ取ることができるのです。
実際に住んでいたわけではないでしょう。
ここが示している意味は、主人公の気持ちが沈んでいたということではないでしょうか。
元気が出ず、落ち込んでしまい、まるで暗闇の中に閉じこもっているかのような感覚に捉われているのです。
しかし暗闇の中にいる主人公に一筋の光が差し込みます。
主人公は相手の存在を一目見た瞬間に「美しい」と思ってしまった。
それがまるで輝いているように見えたのです。
おそらく主人公はその一目見た光の存在に、恋心を抱いてしまったのではないでしょうか。
主人公の性格を感じ取れる
最初の歌詞から描かれているのは恋に落ちる部分の物語。
その表現の仕方が美しく、このアルバムに相応しい始まりだといえるのです。
主人公からするとその光は強すぎました。
これは主人公が、自分と相手との間に格差を感じてしまっているからでしょう。
自分のことを惨めだと思い込んでいる主人公は相手のことを対等にみることができないのです。
自分なんかが恋をしてはいけない相手なのではないか。
この歌詞からは主人公の自信の無さと少し弱気な性格を読み取ることができるのです。
想いの違いを痛感する
初めてキスをした 忍び込んだビルの屋上
貴方にとっては気まぐれな でも私にとってわね
出典: 向日葵/作詞:Fukase 作曲:Nakajin,Fukase
話は急展開を迎えます。
主人公と相手の関係はだいぶ近しいところまで接近しているのです。
しかしここでは両者の想いの違いが明確に描かれています。
唇と唇が重なり、お互いの気持ちが相手に伝わっていく。
そこで、主人公が感じ取ってしまったのは相手の想いの小ささです。
「あぁ、この人は僕のことをちゃんと意識してくれているわけではないのか…」。
自分と相手との想いの差を直接感じてしまったのです。
主人公にとっては自分の想いをありったけ込めた、特別なキス。
しかし相手にとっては特別ではない、普通のキスだったのではないかと主人公は思っているのです。
この歌詞からは主人公の切ない感情と2人の想いの違いが伝わってきます。