とんねるず×スタッフの奇跡のユニット

始まりは「ほんとのうたばん」

【野猿/Be cool!】実は意味が深い歌詞を解説!盛り上がるダンスナンバーに対し歌詞は厳しめ!?の画像

「野猿(やえん)」はお笑いコンビ・とんねるずと番組スタッフで構成された音楽ユニットです。

誕生はフジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」の人気コーナー「ほんとのうたばん」でした。

元々はとんねるずが歌手のパロディを演じるコーナーでした。

でも後半はほとんど「野猿」に関する企画や近況報告になっていましたね。

活動期間は1998年~2001年までの約3年という短いものでした。

ですがその間に発売されたシングル11枚は全曲オリコンTOP10入り。

アルバムも3枚発売され、売上げ累計は300万枚を超える一大ブームを巻き起こしました。

今回紹介する「Be cool!」は1994年に4thシングルとして発売。

23.9万枚を売上げ、野猿のシングル売上げでは第3位を誇っています。

この曲のコンセプトはタイトルにも使われている「cool」。

歌もダンスも衣裳も、すべてが「cool」でカッコいい曲です。

「とんねるずは覚えてるけど、野猿のメンバーの記憶があいまい……」

そんな方のために、このシングル発売時のメンバーを載せておきますね。

石橋貴明(とんねるず) 愛称:タカ
木梨憲武(とんねるず) 愛称:ノリ
平山晃哉(アクリル装飾)愛称:テルリン
神波憲人(衣装)    愛称:カンちゃん
成井一浩(大道具)   愛称:ナルナル
飯塚生臣(特殊効果)  愛称:ジェリー
大原 隆(大道具)   愛称:バカ、リーダー
網野高久(持道具)   愛称:シュウ
星野教昭(ロケ車両ドライバー)愛称:ホッシー
半田一道(スチール)  愛称:ゴテ、半ちゃん
高久誠司(カメラクレーン)愛称:タカク

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/野猿

【野猿/Be cool!】実は意味が深い歌詞を解説!盛り上がるダンスナンバーに対し歌詞は厳しめ!?の画像

PVはフジテレビのあの場所

PV撮影はフジテレビ本社、正面の大階段と屋上庭園、球体展望室で行われました。

彼らが踊っている展望室の円形ステージは野猿のメンバーが自ら設営したそうです。

まあ、番組スタッフですからね……。笑

この曲の発売当時はフジテレビが河田町からお台場に移転しつつありました。

「フジテレビ新社屋のPRもできていいじゃないか!」という思惑でしょうか。

さすがフジテレビさん、商魂たくましいですね。

実際にフジテレビ本社の展望室に行ったことがあります。

そのときには「ここが“Be cool”で見たところか……」と、天井をじっくり眺めてしまいました。笑

では、野猿史上でも最高にcoolなPVをご覧ください。

トラブルも採用された

最初はセキュリティカードをリーダーに通すところから始まります。

秘密の場所に潜入する、または視聴者を「ゲスト」として招待しているイメージでしょうか。

メンバーは外で踊っているときはジャージなのに、中に入ったらシルバーの衣裳に変わっています。

展望室のシルバーと合っていて「近未来」を想像させますね。

これも「フジテレビは最先端を行くよ!」という意思表示にも感じます。

ノリさんとカンちゃんのデュオ部分で、公衆電話の受話器を投げるノリさんがカッコいい……!

公衆電話自体、今となってはかなりレアなアイテムですが上手く使われていますね。

円形ステージは黒の丈の長いスーツにハットでみんなキメキメです。

下から撮ることでワイルド感も出ますし、カメラが回転するところもスタイリッシュです。

注目ポイントは2分33秒辺りにもあります。

ゴテさんとタカクさんが「オレの方が目立つんだ!」と争った様子がそのまま使われているのです。

このPVで唯一、“coolじゃない”部分です。笑

最後、警備員が見回りに来たときにはパフォーマンスが終わり静寂が戻っています。

「一夜限りの秘密のライブが開催された」という演出はスペシャル感が出ていますね。

冷静に行こうぜ

これでいいのか、日本!

【野猿/Be cool!】実は意味が深い歌詞を解説!盛り上がるダンスナンバーに対し歌詞は厳しめ!?の画像

Be cool!
Everybody be cool!

右から左へ流れるように
安手のニュースが賑わってるよ
事実をニーズに脚色されて
Everybody!
Hey! Hey! Hey! Hey! Hey!

すべてのものには値札が貼られて
ささいなプライド切り売りすれば
愛でも夢でも何でも買える
Everybody!
Hey! Hey! Hey! Hey! Hey!

出典: Be cool!/作詞:秋元康 作曲:後藤次利

今の日本を嘆くところから歌詞は始まっています。

「それにしても毎日新しいNEWSが出てくるな。

ウカツな事故、悪質なストーカー、サイアクな通り魔。

こう毎日じゃ、続報が出るときにはもう覚えてられないよ。

それに知ってる? 報道って、流すヤツらに都合のいいようにされてるんだ。

そんなのに乗せられていちいち騒ぐの、カッコ悪くない?

今はネットで何でも売られてる。

買っちゃダメなもの、自分で手に入れるべきものまで買っちゃってることない?

自分の私生活まで値段つけて売りモンにしちゃってない?

大事なもの、いつの間にか失くしてるんじゃないか。

なぁみんな、ちょっと冷静になろうぜ!(Everybody be cool!)」

考えることから逃げるな

充たされぬ 胸の隙間に
罪の意識と 答えが眠る
もしも そこに いたら
誰か 俺を 抱いてくれ

ずっと ずっと
時は過ちに気づいてるのさ
いつでも どこでも 愚かな時代
こんなに憂鬱な
明日がやって来るなら
群衆の中に紛れていたい
WOW WOW WOW
Just be! Just be cool!

出典: Be cool!/作詞:秋元康 作曲:後藤次利

誰の中にも弱い自分がいます。

このブロックは、主人公がそんな自分に負けちゃいけないと葛藤している姿が見えます。

「周りに流されてちゃいけないってホントは思ってる。

胸に手を当てたら何か痛いし、やらなきゃいけないことがあるような気がするんだ。

でも恐いよ、だってこれまでやったことがないんだから。

オレが自分で考えて出した答えに味方になってくれるヤツっているのかな。

思ったこと言ったら一人になったりしないのかな。

みんなだってもう気づいてるんだろう。気づかない振りをしてるんだろう。

いいことなんて期待できない時代だから、目をつぶろうとしてるんだ。

出る杭(くい)は打たれるし“その他大勢”でいる方が楽だからね。

でもそれでいいのかな。冷静になれ、落ち着いて考えろ!

主人公は自分を変えたいと思い始めたようです。