この目でしっかり見定めて
行き先地図上マークして
近道あればそれが王道
はしょれる翼もあれば上等
出典: Don’t say “lazy”/作詞:大森祥子 作曲:前澤寛之
前半はかなりしっかりした印象のフレーズが続きます。
自分の行くべき場所は把握しているしそこに向かう方向も分かっている。
あとは進むだけなのですが、後半にかかると少し気が緩みます。
正当な道ではなく省略できるところはどんどん省いていこうというのです。
しっかり者なのかと思いきやちゃっかりした一面を見せてくれる主人公。
少しずつこの曲の主人公、つまり彼女たちの考え方が露わになってきました。
ヤバ爪割れた グルーで補修した
それだけでなんか達成感
大事なのは自分 かわいがること
自分を愛さなきゃ 他人(ひと)も愛せない
出典: Don’t say “lazy”/作詞:大森祥子 作曲:前澤寛之
Bメロで出てくるのは女子高生らしいセリフ。
ここでいう爪は本来指に生えている爪ではありません。
接着剤で元に戻る爪だと歌われているので、おそらくつけ爪のことだと思われます。
割れてしまったつけ爪を直しただけで充足感に満たされる主人公。
そうした小さな出来事でも自分を褒めてあげることが大事だというのです。
多くの大人がくだらないとバカにするかもしれませんが、実はとても大切な事なのかもしれないと思えてしまいます。
軽音部らしさのあるサビ
Please don't say "You are lazy"
だって本当はcrazy
能ある鷹はそう
見えないとこにピック隠すんです
出典: Don’t say “lazy”/作詞:大森祥子 作曲:前澤寛之
サビでは有名なことわざを使い、軽音部らしい表現がなされていました。
もじられているのは「能ある鷹は爪を隠す」ということわざ。
能力がある者ほどそれを見せびらかさないものだという意味です。
それを軽音部らしく言い換えたのが歌詞に使われたフレーズ。
私たちは能力があるからこそそれが周りに伝わらないのだといっています。
想像に一生懸命 現実は絶体絶命
発展途中だし…
だから不意にピッチ外れるんです
出典: Don’t say “lazy”/作詞:大森祥子 作曲:前澤寛之
頑張っているのは頭の中だけで、実際はかなり厳しいということが自分たちにもわかっていました。
それでも必死に「まだ途中経過だから…」と言い訳を探します。
きっと彼女たちは周りからあまり優秀だと思われていないのでしょう。
思われていないどころか、もしかしたら本当にダメダメな部分があるのかもしれません。
しかし彼女たちは自分のことを諦めたりはしません。
「まだこれからだから!」「本当はすごいんだから!」といった主張を繰り返しているのです。
そんな自己主張の中に軽音部らしいワードが使われている遊び心にワクワクしてしまいます。
可愛すぎる言い訳
自分らしい生き方
その目に映らないだけだって
やる気はメーター振り切って
いつでも全力で夢見て
その分全力で眠って
出典: Don’t say “lazy”/作詞:大森祥子 作曲:前澤寛之
気持ちだけはあるという主人公。
見えないところにその気持ちを秘めているのだと主張します。
さらに大きな夢を抱いていることも匂わせているのですが…。
その分寝るという歌詞には思わずズッコケそうでした。
大層な物言いをするもののやはり抜けている主人公。
そんな彼女たちに愛着がわいてくるような歌詞が綴られています。
ヤリ ちょい痩せた 調子づいて喰った
それだけでなんで? 敗北感
すかさずに目標 下方修正して
柔軟に臨機応変 七変化が勝ち
出典: Don’t say “lazy”/作詞:大森祥子 作曲:前澤寛之
せっかく体重が減ったのに、その分食べてしまう主人公。
成功したらその分調子に乗ってしまうタイプなのでしょう。
しかしそのことに対して劣等感を抱かないのが彼女たちの潔さ。
すぐに目標体重を少しアップして、目標達成させちゃおうというのです。
悪く言えば怠慢だともとれますが、そんな言い訳も可愛く見えてしまうのが魅力なのかもしれません。
自分に甘い生き方が彼女たちらしさなのだと感じさせられます。
今はまだ準備期間?
Please don't say "You are lazy"
だって本当はcrazy
孔雀たちはそう
ここぞというとき美を魅せるんです
出典: Don’t say “lazy”/作詞:大森祥子 作曲:前澤寛之
彼女たちが本領発揮をするのはまだまだ先。
今はその時ではないといいます。
その時になったら美しい鳥のように羽ばたいていくのでしょう。
それまではまだまだ準備期間だといえるのかもしれません。