おっ構いなく おっかしくなる
吸って聞いたら 深みがある
Highが空っぽじゃ lowになる
白い目じゃ身体が棒になる
出典: よってらっしゃい/作詞:775・Black Smith 作曲:コモリタカシ
レゲエと切っても切れない関係なのがガンジャ(大麻・マリファナ)です。
ラスタファリズムではガンジャは神聖なものとされているのです。
もちろん日本では大麻吸引は違法であり、禁止されています。
しかしレゲエという音楽とガンジャは密接なものなのでジャパレゲの歌詞にもよく登場するのです。
ガンジャはもはやレゲエの「音楽性」に含まれているといえる存在です。
元々は思想として存在していたガンジャ崇拝が今や「音楽性」に内包されているということです。
なので775を含む日本のレゲエミュージシャンは実際にガンジャを吸引しているというわけではありません。
あくまでレゲエを演る上での音楽的表現の一つなのです。
「High」は気持ちよくなった状態のことと「肺」とのダブルミーニングになっています。
775の生き方
岸和田育ち
放課後にlyricを書いた
あの日制服でオケに乗り出した
岸和田育ちやねん仕方ないわ
他の生き方見当たらないわ
出典: よってらっしゃい/作詞:775・Black Smith 作曲:コモリタカシ
自らの出身地である大阪府岸和田を全面に出したリリックも775の特徴の一つです。
岸和田といえばだんじりや「岸和田少年愚連隊」のイメージが浮かびます。
そんな街で育ちリリックを書いてカラオケで歌っていた学生時代。
レゲエDeejay775のルーツが歌われます。
三木道山の引用
ラジオで聞いた三木道三
4歳児の頃からいい女
一生一緒にいてくれや
ひねくれた見て呉れを見てくれや
出典: よってらっしゃい/作詞:775・Black Smith 作曲:コモリタカシ
三木道三は言わずと知れたジャパレゲの代表的なシンガーです。
このパートの後半部分は三木道三の代表曲【Lifetime Respect】の歌詞を引用したものになっています。
【Lifetime Respect】がリリースされたのは2001年、1997年生まれの775が4歳の時です。
つまり4歳のころからレゲエに触れて育ったことが歌われているのです。
音の運び屋
よってらっしゃい見てらっしゃい
Come down 音の運び屋 名乗るあたい
Rudeboy Welcome to my world
潤う場所を見つけたねあんた
出典: よってらっしゃい/作詞:775・Black Smith 作曲:コモリタカシ
ここまで自己紹介的にリリックが紡がれてきました。
岸和田でレゲエを聴いて育ち、エリカ・バドゥよりお洒落なええ女。
そんな自分を「音の運び屋」と自称します。
ジャマイカから日本へ運ばれてきたレゲエ。それを775は岸和田から世界へと運んでいくのです。
その姿をどうぞ見物していてなさい、と歌い上げます。
「rudeboy(ルードボーイ)」は「不良少年」を意味するジャマイカのスラング。
不良少年達に「レゲエの世界へようこそ」と呼びかけます。それは潤いに満ちた世界です。
「Come down」を「コマダン」と発音するのはパトワ語と呼ばれるジャマイカのクレオール言語の発音。
レゲエではコマダンの他にも多くのパトワ語がレゲエ用語として使用されます。
Under mi sensi Come againで着火
イカれた奴のシグナルはチャカ
一丁 775と嫌な事忘れて
音に乗り込め You understand?
出典: よってらっしゃい/作詞:775・Black Smith 作曲:コモリタカシ
【Under mi sensi】はダンスホールレゲエの定番曲でガンジャ崇拝曲。
Barrington Levyが歌ったものが有名です。
「Come again(コマゲン)」もコムダンと同じく代表的なパトワ語として知られるレゲエ用語。
前の行の「着火」の韻を踏んだ「チャカ」は拳銃の意味。チャカ・デマスというレゲエ歌手も存在します。
「一丁」は拳銃の単位でありながら、副詞の「いっちょ」の意味として使用。
このパートの流れるような韻とダブルミーニングは見事としかいいようがありません。
この見事なリリックを乗せて775は音を運んでいきます。