「サイン」に隠されているもの
忘れないで欲しい
忘れないでいてね 忘れないでいるよ
この心の歌を
そしていつか「やっぱそうだったね」って
僕がサインを送るから
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
ここからはサビの歌詞パートに入っていきます。
このパートで彼が私たちに伝えたいのは、この歌を「忘れないで欲しい」というメッセージです。
この「忘れないで欲しい」というのは歌自体についてだけではないでしょう。
この楽曲の持つ意味を覚えていて欲しいという意味と捉えるべきだと考えられます。
そしてその意味というのは、「夢」や「愛」に溢れている時代が存在していたということです。
小山田壮平にとっては、andymoriとして活動していた時代のことを表しているのでしょうか。
その当時にしか存在し得なかったかけがえのなさを思い出しながら今を生きること。
それが彼の望むことなのかもしれません。
3行目の歌詞で表されているのは、その時代を懐かしむ彼の姿だと考えられます。
4行目では彼は同じ時代を生きた人たちに対して、「サイン」を送るといっているのでしょう。
この「サイン」というのは、その時代を生きていた人間だからこそ受け取れるもの。
それによって当時の「夢」や「愛」を思い出しこれからの時代も生きていこうというメッセージではないでしょうか。
andymoriと共に青春を過ごした人々も今では大人になりました。
そしてそんな人々も、昔を思い出しながらこれからも新たな幸せを築いていく。
人生が続いていく中でその心は昔から変わらないまま輝いていて欲しいと、彼は考えているのです。
「夢」を追いかけて
求め続けてよドリーマー 大使を抱いて羽ばたく
丘に立てば春風 肌寒くなるまで
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
2番のAメロで、「ドリーマー」と謳われている存在。
それは「夢」を追いかけ続けている人のことを指しているのでしょう。
大きな目標を持って、それを追いかけ続ける人。
彼はそんな人を応援し続けたいと考えているのでしょう。
1番では過去と現在について歌っていた彼が、2番では未来に目を向けていることが分かります。
2行目で描かれている春の風というのは、始まりの季節を意味しているのでしょう。
これから輝かしい未来がスタートしていく。
人生の輝きというのは過去だけではなく、未来にもきっと存在していると私たちに伝えてくれています。
その瞬間を抱き締めて
恋人へのメッセージ
可愛い人よ 聞いてくれ
愛しい時に気づいたら
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
ここでは愛おしさを感じながら呼びかけている様子から、この言葉は恋人に対してのものだと考えられます。
2行目の言葉で表されている「時」というのは、大切な人との時間の愛おしさを意味しているのではないでしょうか。
この楽曲の中では、「時」や「時間」という言葉が頻繁に登場しています。
この楽曲自体が過去から未来、時間軸を飛び越えながら、様々な「夢」や「愛」の存在について語っているのでしょう。
そこに必ず存在しているのは人々の想いです。
ここでは恋人とお互いを想い合う時間のかけがえのなさを歌っているのではないでしょうか。
そしてその時間自体が尊いものであるということ。
それに気づいて欲しいという想いがこのパートに表現されているのではないでしょうか。
過去から未来への「サイン」
忘れないでいてね 忘れないでいるよ
この心の歌を
そしていつか「やっぱそうだったね」って
僕がサインを送るから
かわいい人よ
愛しい人よ
出典: サイン/作詞:小山田壮平 作曲:小山田壮平
このパートが楽曲の最後の歌詞部分となります。
小山田壮平がこの楽曲で描きたかったのは、過去、現在、未来が想いによって繋がっていくことなのではないでしょうか。
私たちはいつでも「夢」や「愛」を胸に抱きながら生きています。
それはいつの時代も変わらないものです。
その時々によって形を変えながらも想いを抱えながら生きていく。
そしてそんな中で、自分がやってきたことが間違いではなかったと実感する時が唐突にやってくるのです。
そしてこの楽曲はそんな瞬間のことを「サイン」という形で描いているのではないでしょうか。
過去から未来へ、想いが「サイン」という形で繋がっていく。
andymoriから今まで、小山田壮平の根本は変わっていないのだと、私たちに伝えてくれる珠玉の1曲です。