これらからも分かるように『ナナシス』は眩しすぎる輝きを放つ光。

それに対して陰の濃度が増し、漆黒の世界を作り出す『AXIS』は闇といえるでしょう。

つまり、両者の光と闇のコントラストが増せば増すほど、それは鮮明にそして美しい対局を成します。

両ユニットがこの光と闇の関係性にあることを頭に入れて解説を進めていきましょう。

『ハルカゼ~You Were Here~』と『COCYTUS』の関係性

『COCYTUS』は『ハルカゼ~You Were  Here~』とも対になっているとネットなどで噂されています。

『COCYTUS』では天音ネロが腕を額よりも若干上に挙げている点。

それに対して『ハルカゼ~You Were Here』の春日部ハルも同じポーズのイラストが描かれている点です。

そしてもう一つあります。

天音ネロの映像では灰が舞っているのに対して春日部ハルの映像では桜が散り、舞い落ちている点です。

この映像にはこのような意味が込められていると推測できるのではないでしょうか?

『ハルカゼ~You Were Here~』のテーマは、これから希望に満ち溢れる人生に対する応援歌。

春は出会いと別れの季節です。

別れがあり、新しい出会いや人生という物語が始まろうという瞬間でもあります。

不安を感じてしまうことがあるけど、その背中を押して前向きにさせてくれる曲です。

それに対して『COCYTUS』に込められているメッセージというのは何でしょうか。

『いやいや、人生とはいつも闇に包まれている。だからこの世界など期待に足るものではない』

『ならばいっそのこと灰になって燃え尽きてしまえば良いのに…ただ願うならあなたと一緒にいたい』

とどこか切なく悲嘆に暮れているイメージが否めません。

『ハルカゼ~You Were Here~』に対するアンサーソングのような気がします。

そして『NATSUKAGE』も『COCYTUS』に向けて何か訴えかけているのではないかと考えられるでしょう。

『NATSUKAGE-夏陰-』に込められたメッセージとは?

『NATSUKAGE』は何を指すのか?

そもそも、なぜタイトルが『NATSUKAGE-夏陰-』なのでしょうか。

こんな考察ができます。

青空

それはこの世界のアイドルを目指す女子が憧れる象徴であり「Tokyo 7th シスターズ」そのものでした。

そして「777☆S」も例外なく「Tokyo 7th シスターズ」に憧れを抱いていました。

「Tokyo 7th シスターズ」という青空には手の届かないのにも関わらず、それでも必死に追いかけ続けます。

そして、とうとうセブンシスターズと同等のステージに立つことができた「777☆シスターズ」。

「Tokyo 7th シスターズ」の栄光を代表するキーワードでもあります。

そして陰というのは何でしょうか?

夏の青空には入道雲がよく見られます。

この入道雲も青空が澄み渡れば澄み渡るほど、その入道雲の影は濃くなっていきますね。

これは「AXIS」のことを指しています。

まとめると、青空を目標にしている「777☆S」に対して行く手を阻む「AXIS」。

そんな「777☆S」の光が眩い故、経済特区の闇が色濃く表現されているんですね。

青空というのは「777☆S」、あなたというのは「AXIS」

日ごと高くなる青空の行方を
ひどく眩しそうに見ているあなたの
声が遠くなって気がついた
またこの季節がやってきて
ぬくもりを攫うよ

出典: NATSUKAGE-夏陰-/作詞:SATSUKI-UPDATE 作曲:Takuya Fujita

次に歌詞を見ていきましょう。

この歌詞を青空は「777☆S」に仮定して、あなたというのは「AXIS」にして解釈していきます。

日夜飛ぶ鳥落とす勢いの「777☆S」、そんな光輝いてる活躍ぶりを傍観している「AXIS」。

物語が収束に向かって終わりを迎える頃。

「AXIS」が「777☆S」のもとから離れていくことがイメージできます。

そして「ぬくもりを~」とはどういう事なのでしょうか?

青空は周囲にとって必ずしもプラスの作用しか及ぼさないわけではない?

夏の青空というのは青くて輝かしく奇麗なものです。

その反面、青空から降り注ぐ日差しは厳しく人々にとって有難いことばかりではありません。

その日差しの厳しさから熱中症で倒れる人もいれば脱水症状で倒れる人もいます。

ナナシスにおいて青空とはアイドル目指す場所という位置づけです。

そしてセブンシスターズがかつていた場所でもあります。

しかし、その青空という王座の位置に君臨し続けた結果…。

裏側で他のアイドル達を知ってか知らずか窮地に追いやったことを天神ネロは物語の中で指摘しています。

つまりはこの「ぬくもりを~」というのは、この青空に対する批判的な意味が込められているのです。

『NATSUKAGE-夏陰-』は「777☆S」メンバーの気持ちを語った曲

Summer comes耳元を
Daydream 梳く風が歩き出せずにいる
私を叱る
右手に残った
さよならが今も痛むよ
右手伸ばして
掴もうとするけど
触れられず
肩ごし響いたの
あなたのいない夏の足音

出典: NATSUKAGE -夏陰-/作詞:SATSUKI-UPDATE 作曲:Takuya Fujita

Bメロの歌詞を見て下さい。

この歌詞から分かることはすでに「AXIS」が「777☆S」の元から去っていったことが考察されます。

そして「耳元を~」「右手に残る~」。

これらのフレーズから、今までにない虚無感と絶望感を「777☆S」を襲います。

ここで表現されているのはアイドルとしての「777☆S」の気持ちではありません。

1人の人間としての素直な気持ちが歌詞に表現されているのです。

実は「777☆S」にとって「AXIS」とは大切な存在