受け入れられない運命を強いられたことへの反抗。

それは神様への「報復」なのかもしれません。

大いなる存在に仕返しをするなんて、自分の人生を終わらせかねないものです。

向こうからだって反撃があるでしょうから。

しかし裏切り者たちは、それで自分の生を終える気は全くありません。

自分の手で変えた運命の先で、未来を生きようとしています。

3行目は「裏切る前の生き方」を捨てるということでしょう。

となると、元々いたマフィアから裏切ったような感じがします。

最後の2行は、有名な言葉「目には目を歯には歯を」。

「傷つけられたら、やられたことと同じくらいの仕返しをしろ」という意味です。

ある意味マフィアとしての戦い方を表しているのかもしれません。

裏切った者に対しては「レクイエム」だそうですが、ある意味死を感じさせます。

神様を裏切った者には死を与えようというのでしょうか。

そして死んでいった人々を慰めるために贈られる「レクイエム」のように思えてなりません。

このままだとダメだから

絶望が手招く
世界に立ち向かう
Don’t care 慈悲などいらないさ
身体滅びる時
祈りも消え果てる?Hell No
始まりのGolden Wind

出典: 裏切り者のレクイエム/作詞:藤林聖子 作曲:菅野祐悟

受け入れられない運命があると知った時、世界は絶望そのものに見えることでしょう。

その絶望の世界の中で、神様に抗う裏切り者たちは戦っています。

慈悲や情けなんて、何の価値もありません。

それがギャングスターの戦う世界です。

希望も夢も祈りもなさそうな地獄のような世界ですが、本当にそういうわけでもありません。

戦う者たちは、夢や希望を抱いています。

それを抱き続けていられるのは、「Golden Wind(黄金の風)」なのです。

裏切り者の戦い

神様を裏切った者達の戦いはまだまだ続きます。

『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』に沿った歌詞なので、ここまでくると多少ネタバレが入ることも。

とはいえ展開を知らなければ分かりにくい歌詞なので、ネタバレが嫌な方も安心してくださいね。

物語が進んだ後に歌詞を読み返すことで、新たな発見もある筈です。

最強の状態

失うもの何もない
火が付く魂(ソウル) 戻る道さえも 焼き尽くしたさ

出典: 裏切り者のレクイエム/作詞:藤林聖子 作曲:菅野祐悟

今の自分には、失うものなんて何もありません。

逃げ道も帰る道も、すべて自分で消してしまいました。

後には引けないような状況ですが、むしろ最強の状態でもあります。

失うものがない人は、命すらも惜しくないのです。

世間では「最強の人」と呼ばれることもあり、裏切り者はそんな状況なのでしょう。

だから命を賭けて戦えるのですね。

怠けていないで立ち上がれ

支配という 安息に
溺れたまま
時貪るより 革命起こせ

誇り高き
裏切り者には レクイエムを…Wow

出典: 裏切り者のレクイエム/作詞:藤林聖子 作曲:菅野祐悟

人間は自由よりも隷属を選ぶという話はよく聞きます。

歌詞の世界の人々も、力のある者への支配をなんだかんだで受け入れているのかもしれません。

しかしながら、本当にそれで良いのでしょうか。

誰かの言いなりになっている状況は、歌詞の裏切り者たちにとっては許しがたいものなのでしょう。

自分で考える力も失ってしまい、自分の信念も貫けないまま。

運命に抗うこともできないまま終わるよりも、行動を起こした方がよっぽど良い筈です。

真の勝者とは

怒り胸を叩き
鼓動 叫ぶままに
Don’t care 真実へと向かう
何かを得た者が
真の勝者なのか?Hell No
裁くのはGolden Wind

出典: 裏切り者のレクイエム/作詞:藤林聖子 作曲:菅野祐悟

神様に対して、裏切り者は怒りをあらわにします。

それは相手が受け入れがたい運命を課してきたことだけではありません。

仲間や友人を失ったり、自分が辛い思いをしたりと理由は様々でしょう。

1番にも出てきましたが、「Don’t care」は「構わない」という意味。

ニュアンスとしては、「どうでも良い」のような少しぶっきらぼうな印象の表現です。

真実を見つけるためなら、自分がどうなっても構わないということでしょうか。

その先で何かを手に入れた人が「真の勝者」なのかどうか。

それを決めるのも「Golden Wind」となります。