いかがでしたでしょうか?
イントロがなく、唐突にAメロがはじまります。
歌っているのはボーカロイド。
ボーカロイドとは、人の声をサンプリングして作られた人工的なボーカルのことです。
少したどたどしく、そして幼い声が魅力的な本曲のボーカロイド。
名前は「flower」といいます。
木琴のようなサウンド。
Bメロから入る手拍子。
サビでブレイクするバンドサウンド。
バンドサウンドもただのそれではなく、日本的な音色を配したバンドサウンドになっています。
アニメーションにあるように、このMVの特色は日本的なところ。
竹林が描かれていたり、物の怪が人物の頭上に乗っていたりと、至るところで日本的なテーマが横溢します。
2番に入ると、マーチを思わせるドラミングが目立ちます。
琴のようなギターサウンドも素敵ですね。
『ケガレの唄』歌詞紹介&歌詞解説
Aメロ
昨夜諸行無常の雨が
何処かの誰かに降りました
風にさえ勝てないのは何故
僕はまだ足りなくて(僕はまだ足りなくて)
出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
「諸行無常(しょぎょうむじょう)」とは仏教語です。
日本文学の古典である『平家物語』の冒頭に使われていることで有名なこの単語。
「いっさいのものごとは全て過ぎ行く」といった意味です。
少し怖い言葉ですね。
「諸行無常の雨」は主人公にどう作用したのでしょうか?
「僕」とありますから、主人公は男性でしょう。
一人称を「僕」に設定しているのですから、年齢的に若い男性でしょう。
男性よりも「少年」または「青年」といった方がより適していますね。
「僕はまだ足りない」とは、いったい何が足りないのでしょうか?
Bメロ
貴方よりも笑いたい
貴方よりも前を見たい
ケガレはいつもそこにいた
出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
ここで出てくる「貴方」と主人公の関係はどういう関係でしょうか?
「貴方」を女性とするならば、おそらく主人公の恋人なのでしょう。
「貴方」という呼称は、尊敬する人物や敬愛する人物に付けられる呼称です。
主人公は恋人よりも行動的に生きることを願っています。
恋人を引っ張っていく存在としてその見方は全く正しいですね。
Bメロの最後に、この曲のテーマである「ケガレ」が出てきます。
「ケガレはいつもそこにいた」。
「そこ」とはどこのことを指しているのでしょう?
そして「ケガレ」とは何なのでしょう?
未だ真相は分かりません。
サビ
もういっそこのまま 遠くへ逃げようか
愛さなくてもいい 帰らぬ旅の終わりだった
二人眠る 貴方がくれたこのケガレが
寂しくなるまで(寂しくなるまで)
出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
二人の恋は祝福されない恋。
思い悩んだ末、主人公は「帰らぬ旅」を企図します。
二人で駆け落ちするのか、それとも二人で心中するのか。
この恋は主人公にとっても恋人にとっても、命がけの恋なのですね。
また、「ケガレ」は、恋人から貰ったものであることが分かります。
というよりも、主人公が初めて彼女と会ったときに抱いた感情が「ケガレ」。
おそらく「恋心」が「ケガレ」の正体なのではないでしょうか?
2番Aメロ
なあ今頃見ていますか
手を取った二人の逃避行
何処へ行けば風は止むのか
僕は(僕は)まだ旅の途中
出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご
「見ている」というのはおそらく「思い出す」ことだと思います。
「二人の逃避行」を、主役である主人公と恋人が回顧しているシーンがここの歌詞です。
今は離れ離れになっている二人。
彼女はどこにいるのでしょうか?
主人公はまだ「人生の途上」にいます。