貴方よりも歩きたい
貴方よりも夢を見たい
ケガレはいつも胸の中

出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

主人公は自分が恋人にとってどういう存在であるか、ということを考えています。

自分が恋人にとってどういう存在であるべきか、ということですね。

恋人よりも強くありたい

恋人よりも精力的でありたい

そういう願望は、蔑視という視点から表れてくるものではありません。

むしろ彼女をいつでも幸せにしたい、という主人公の切なる願望なのです。

胸のなかに「恋心」=「ケガレ」がある限り、主人公は彼女を守り続けるでしょう。

2番サビ

もういっそ迷わず 灰にしてくれよ
これからのことを 思えば愛は冷めていった
夜が迫る どうしてこんなになるまで
貴方は貴方で

出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

2番サビで、いきなり場面転換が起こります。

何か出来事が起こり、主人公は悲嘆に暮れます。

おそらく、主人公の恋人が不実を働いたのでしょう。

その事実を知った主人公は、恋人との未来を諦めようと考えます。

灰にしてくれ」というフレーズ。

これは、主人公が彼の「恋の炎」を「燃やし尽くしてくれ」と頼んでいるのです。

頼んでいる相手は他でもありません。

主人公の恋人です。

Cメロ

貴方からすれば
きっとどうでもいいことでしょう
もういいから消えて
勝手に恨んで勝手に無くした
ずっと忘れてたケガレ唄

出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

もしかしたら恋していたのは主人公だけだったのかもしれません。

恋人と思っていたその人は、他に好きな人がいた。

悶々としている主人公は胸の「ケガレ」をもてあそびます。

「ケガレ」は「恋心」。

「恋心」というのは、愛憎半ばするものですからね...。

3番サビ

もう一回会えたら 愛してくださいね
話したいことが たくさんあって悲しくなった
一人眠る 貴方がくれたこのケガレと
あの日の向こうへ あの日の向こうへ

出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

主人公が、今はもう離れてしまった恋人へと送るメッセージ。

それは切実なものです。

叶わない願望が胸にこみあげてくる。

もう一度会えたら、嘘でも好きだと言ってほしい」。

そんなことが叶わないことくらい、主人公は百も承知です。

それでも「ケガレ」を消してしまいたい主人公はひたすら願います。

今日を超えて、明日を超えて、あの日を超えて。

3番Aメロ

なあいつまでそこにいるの
早くお別れしなきゃ
僕はたぶんもう大丈夫
今はただありがとう

出典: ケガレの唄/作詞:羽生まゐご 作曲:羽生まゐご

ここで主人公が呼びかけているのは、自分自身の「ケガレ」に対してです。

「そこ」とは「主人公が停滞している場所」。

主人公が失恋の痛手から復帰できず、傷心を抱えて生きている場所です。

最後に主人公は「そこ」から去ることを決意します。

時間はかかるかとは思いますが、どうやら主人公は失恋の痛手から立ち直れそうですね。

立ち直ってはじめて、胸の「ケガレ」も癒えるのでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回は、羽生まゐごの『ケガレの唄』を解説しました。

 日本的なメロディーと歌詞

ボーカロイドも見事にマッチしていますね。

タイトルにある「ケガレ」とは「忌まわしい存在」を意味する民俗学の用語。

本曲中で使われる「ケガレ」は、恋人に対する主人公の愛憎半ばした感情を表しています。

最後に「OTOKAKE」内から、ボーカロイドが使われている楽曲の記事を紹介します。

下にリンクを貼っておきますので、そちらもぜひご覧ください。

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