ROOKiEZ is PUNK'D【コンプリケイション】歌詞を解釈！ヘタクソでもいい…もがき輝こう♪

泥臭く努力している姿は、あまり他人に見られたくないものです。

自分は努力をしなければできないことでも、他人は努力せずに成し遂げられるかもしれないという思いがあります。

悩みも同様です。

自分の中では大問題！しかし誰かにその悩みを相談してみたら「そんなちっぽけなことで……」と言われる可能性があります。

恥ずかしい思いをしたくないという一心で、主人公は「悩んでる自分」から逃げたのでしょう。

とはいえ、頭の中は悩みで埋め尽くされていますから、他のことを考える余裕なんてありません。

考えないようにしよう、と思っても考えてしまうのです。それぐらい悩んでいるということですね。

ですから他のことなんて手につくはずがありません。

できることといえば、タバコをふかすぐらいです。

タバコを吸いながら、再び悩みの世界に戻っていくのでしょう。

周囲が主人公の異変に気づくぐらいですから、悩みっぷりが顔に出てしまっているようです。

友人たちはいつもと様子が違う主人公を気遣っていますが、主人公は気遣いを受け取らずに誤魔化します。

浮かない顔をしているのは友人たちのせいでも、ましてやサイゼリヤのメニューが変わったせいでもありません。

悩みを抱え、それを解決できず、誰にも相談できない自分のせいなのです。

「何でもない、大丈夫」という言葉は友人たちを心配させないための気遣いかもしれません。

しかし考え方を変えてみると、友人たちに嘘をついていることにもなります。

これもまた主人公を苦しめるはずです。

主人公がいつも通る道がビルの狭間にあって薄暗いわけではないのでしょう。

本当は見通しが良い道路なのかもしれません。野良猫が昼寝をしている小道かもしれません。

しかし主人公にとってはどこもかしこも薄暗く思えてしまうのではないでしょうか。

初代iPodの価格をご存知ですか？約5万円、他メーカーのポータブルオーディオとは一線を画していました。

おそらく主人公は一生懸命働いてお金を稼いで、iPodを買ったのでしょう。

そう、ひたむきに働いたのです。何かのために一生懸命になるパワーを持っていることが分かります。

念願のiPodから流れてくる曲は、どうやら主人公の心に響かなかったようですね。

御高説のようでいて全く心がこもっていない、軽々しいものだったのでしょう。

一方で、想像以上に重いのが主人公のカバンです。

何が入っているのかというと「悩み」「心」なのでしょう。

薄っぺらい人間のくせに一丁前に悩んで……、という自虐を感じる歌詞です。

また、BAGを「入れ物」として解釈すると、iPodのことだとも読み取れます。

iPodは薄型ではありましたが、ステンレスを使っていて重量がありました。

ズシッとしたiPodから流れ出す中身のないラップは、主人公をさらに追い詰めていくのかもしれません。

もしも主人公が抱えている悩みが「将来」についてのものだとしたら。

帰宅したら親から「仕事はどうなの？」「音楽で食っていく？現実を見なさい」などなどお小言を浴びせられるのかもしれません。

毎日のように同じ質問をされ、小言を聞かされ、それが日に日にエスカレートしていけば主人公は爆発寸前です。

今主人公が考えている未来は、誰かにとっては不可能な未来かもしれません。

しかし、主人公にとっては可能かもしれません。だから諦めたくないのです。

親が何と言おうと、その夢を叶えたいのは自分自身ですから、反対を押し切ることだってできるでしょう。

でも反対を押し切れるほどの自信はないのです。

「現実を見なさい」

その言葉は何よりも正しく、かといって正解を導き出してくれるわけではありません。