なんとかしたいと思う男性の苦心の策

“察して”という男の子からのメッセージ?

あなたが私にくれたもの ヒステリックなイヤリング
あなたが私にくれたもの ボートネックのしまのシャツ
あなたが私にくれたもの 道で売ってるカレッジリング
あなたが私にくれたもの マーブル模様のボールペン
あなたが私にくれたもの アメリカ生まれのピーコート
あなたが私にくれたもの 中国生まれの黒い靴
あなたが私にくれたもの フランス生まれのセルロイド
あなたが私にくれたもの あの日生まれた恋心

出典: プレゼント/作詞:破矢ジンタ 作曲:破矢ジンタ

こちらは3番目のAメロ。

なんだか先ほど紹介した1番のプレゼント内容より、多少質が落ちているような・・・。

道で売ってるカレッジリングだの、ボールペンだの。

どれも旅行先のおみやげっぽい感じもします。

海外旅行が趣味の彼だったのか、もしくはその辺で売っているインチキ商品なのか。

よくわかりませんが、あまり贈り物の印象はありません。

もしかするとこの彼、本命の彼女にはもっと高価なものをあげていたのかもしれません。

単純に“わたし”は、それっぽいプレゼントで誤魔化されていただけ。

彼は遠回しに“わたし”を雑に扱うことで、何かを察してほしかった。

「君のことはそんなに大事にしていない」と・・・。

もしそうであれば、この“あなた”はとてもズルい男ですね。

この解釈だとすれば、かなり切ない失恋ソングといえます。

解釈が分かれる彼の心理

しかしこの歌詞からは男性の心理に2つの見方を下せるのではないでしょうか?

1つは惰性で付き合っている現状の雰囲気。

もう1つは主人公を何とかとりなして出会った頃のようにしたいと願う心理。

そのヒントが歌詞に隠されています。

最初に出てきた「イヤリング」。

ヒステリックな、という言葉で形容されています。

ただ、おしゃれ感覚でいえばショッキングな彩ともとれます。

刺激や興奮を高めたイヤリングともとれるのです。

しかし、歌詞の流れで読み取ると現状の風刺のようにもとれます。

つまり怒りっぽくなってしまった主人公への当てつけです。

いったい、どちらの考えを取ればいいのでしょう?

よりを戻したいのか。それとも、都合よく二股したいのか。

主人公の女性にとったらいたたまれない気持ちでしょう。

二股彼氏のために自分で買った「プレゼント」?

自分磨きのために

あなたが私にくれたもの グレイス・ケリイの映画の券
あなたが私にくれたもの ヴィヴィアンリーのプロマイド
あなたが私にくれたもの バディ・ホリーのドーナツ盤
あなたが私にくれたもの ヘップバーンの写真集
あなたが私にくれたもの お菓子のつまった赤い靴
あなたが私にくれたもの テディベアーのぬいぐるみ
あなたが私にくれたもの アンデルセンの童話の本
あなたが私にくれたもの 夢にまで見た淡い夢

出典: プレゼント/作詞:破矢ジンタ 作曲:破矢ジンタ

これは2番のAメロです。

この部分も1番と比べると、少し違和感がありますね。

映画チケット、プロマイド、写真集など・・・。

これら3つとも、海外の女優さんに関するグッズです。

女性のプロマイドや写真集を、女性向けのプレゼントとしてあげるでしょうか?

ものすごくこの女優さんのファン、ということならありえそうですが、そのわりには統一感がありません。

そもそもファングッズのようなものを、贈り物とするでしょうか?

という点から考えると、これらは全て“わたし”が自分で買ったという見方もできます。

彼が私に“買う気”を起こさせた

彼が好きな女優さんみたいに、わたしもなりたい。

彼の趣味を理解して、もっと二人の仲を深めたい。

そんな想いから、もともと興味のなかったものでも自分で買ってしまった。

とすると、この部分はなんとなく腑に落ちます。

その前後のファッションアイテムや本なども、“あなた”が好きなもの。

“あなた”が“わたし”にくれた、というよりは、“あなた”が“わたし”にもたらした、という解釈です。

あなたの理想の女の子になるために、必死に頑張った女の子。

とすると、この“わたし”のピュアさを歌った曲ともいえます。

しかしどちらにしても、彼に本命の彼女がいることには変わりがありません。

女の子の努力が見られる可愛いラブソングなのに、結局“わたし”がフラれた失恋ソングなのでしょうか。

本当は男の子が片想いで全て本当に貢いだ「プレゼント」?

女の子の方が小悪魔?

しかし、これまでのどちらも何だか“変”という見方もできてしまうのです。

実際にこの“あなた”は、こんなにもたくさんのプレゼントをくれているわけです。

全然好きじゃない女の子に、こんなに贈り物をするでしょうか。

少なくとも、二人がそれなりに親密じゃないと不自然です。

そしてプレゼントの内容も、よくよく見れば「実は高価そう!」と見えなくもないものも出てくるのです。

ハンチングやサングラス、ハイヒール、ピーコートなど・・・。

どれもきちんとしたものを買えば、それなりの値段はしそうですよね。

そう考えると、実はこの“わたし”が小悪魔な女の子。という見方もできなくはないのです。

“あなた”が“わたし”に振り向いて欲しくて、貢ぎまくっている。

女の子がフラれたように見えたのも、実は彼のやさしさかもしれません。

最後には“わざと”フラれた振り