ircle(アークル)に学ぶ"今"の大切さ
「ラストシーン」というタイトルの曲はたくさんあります。
有名なところでいえば、jujuの「ラストシーン」やいきものがかりの「ラストシーン」など。
これらの楽曲は、死や別れがテーマ。
そのほとんどが、死や別れによって残された人目線で書かれた曲です。
しかし今回ご紹介するircle(アークル)の「ラストシーン」は、自分のラストシーンについて書かれた曲。
他の「ラストシーン」と名付けられた曲とは、全く違った見方で世界を見ていることが分かります。
アークルが教えてくれるのは、「今という瞬間の大切さ」。
曲を作ったアークルのギター担当仲道良は、最近身近な人の死を体験したそうです。
身近な人の死により、もがいてもがいて導き出した答えは、残された自分には先があるということでした。
ラストシーンをどう生きるのか?
それがこの曲のテーマとなっていることは、言うまでもありません。
浮かび上がる自分の情けなさ
あなたは今この瞬間に死んでも後悔しませんか?
人生にはいつラストシーンがやってくるか分からない。
そう考えて自分の姿を見ていると、パソコンやスマホのスクリーンに釘付けになっている今があります。
このまま死んでもいいのか?と言われると、良いと答えられる人はおそらく少ないでしょう。
そんなダラダラとした毎日を過ごす私たちを心地よく叱ってくれるのが、「ircleのラストシーン」なんです。
まずは背筋をシャキッとさせてくれるMVをチェックしてみましょう!
さっそくMVをチェック
ロック魂が爆発する
突然カウントダウンがはじまったと思うと、「ラストシーン」の撮影がはじまります。
ギターを振り回しながら、バーンと派手な演奏に命を懸けるircleのメンバーたち。
暗い画面で後ろから差し込む光の中、爽快なサウンドを奏でる彼らの姿が映し出されます。
メチャクチャかっこいい!
こんな言葉で終わらせてしまったらこの記事が終わってしまうので、MVについて考察していきたいと思います。
魅力その1:この瞬間に命を懸けるircle
今がラストシーンになってもいい!
なんといってもその魅力は、メンバーたちの迫真の演奏です。
いくら若くて健康でも、今この瞬間に死んでしまう可能性はゼロではない。
だからこの一瞬に死んでも良いと思うくらいに全身全霊をかけて歌うんだ。
そんな気迫に満ちた演奏に、惚れ惚れとしてしまうのです。
万が一この演奏中に彼らが死んでしまったとしたら、本当にかっこいいラストシーンですね。
気絶しそうなくらいにギターやドラムスティックを振り回しながら演奏する彼ら。
もしこれがラストシーンになったら、ロックの伝説に残ることになるはずです。
もちろん、彼らはまだ生きていますから安心してくださいね。
死はサヨナラじゃない
そして彼らは、生きている限り死をしっかりと見つめて向き合わなくてはなりません。
生きていれば、他の人の死に直面することはあるもの。
しかし、それが身近な人であればあるほど、その後はどうしようもない虚無感に襲われます。
大切な人の死は、残された私たちに苦しみを与えるのです。
何をしてもくだらないと思える時期もあったことでしょう。
でも、アークルのメンバーはこの曲を作ることで気が付きました。
死はサヨナラではないと。
大切な人が死んでしまったとしても、まだ自分の人生はある。
だから自分のラストシーンを華々しく飾るためにも、今この一秒を大切に。
その積み重ねが最高のラストシーンにつながるのだと。
そういう想いが込められているように感じました。
ircleは、最後の一秒まで命を懸けて生きることの大切さを身をもって教えてくれているようです。
そして彼らのかっこよさの秘密は、歌詞とサウンドがしっかりと届くことにもあります。