イッキュウの歌唱力
tricotというと、次のような点に目が行きがちです。
- モッシュが起きるほど激しいライブでのパフォーマンス
- 変拍子を多用するテクニカルな音楽
ただ、この曲はイッキュウの純粋な歌唱力もバツグンに光ってますね。
tricotの「終わりと始まり」
このように、美しい映像と音楽が組み合わさった素敵なMVですが、実は更なる素敵要素があります。
なので、わかるファンが見れば思わず反応してしまう内容にもなっているのです。
メジャー移籍のタイミングで過去(インディーズ時代)の要素を取り入れる。
これは終わりと始まりの表現であり、ファンに対する感謝の意の表明なのかもしれません。
真っ二つになるtricotのロゴ
BUTTERのMVでは、始まって早々イッキュウがtricotのロゴが描かれた紙を真っ二つにしてしまいます。
初っぱなからインパクトのある演出ですが実はこれ、2014年に公開されたシングル「break」のMVでもやってたことなのです。
breakのMVは、制作時に「自分がbleakしたいものを書いた紙を破る映像」を視聴者から募集しました。
それらをまとめたという面白い内容で、こちらも一見の価値アリです。
そんな「break」の紙破りを冒頭に持ってくる「BUTTER」のMV。
「バンドをbreakしては、再生を繰り返す」という、tricotの柔軟な思想が表れているように思えます。
スタジオとイッキュウの衣装
次にMVの撮影場所ですが、これはtricot初のMVである「爆裂パニエさん」と同じ場所です。
そして、イッキュウの衣装も当時と同じものになっています。
tricotはもちろん今まで数々のMVを出してきました。
しかし、その中からあえて初MVをチョイスしてるのも初心を忘れない姿勢を感じてグッときますね。
食パンの上に浮き出る「tricot」の文字
MV開始早々に真っ二つになったtricotのロゴはラストでパンの上にカワイく浮き出てきます。
溶けた状態から浮き出てくるところがこれもまたtricotの終わりと始まりを連想させますね。
breakしては再生する。でも初心は忘れず変わらないところは変わらない。
大人な雰囲気で、光が綺麗なMVですが、そんなバンドとしての思いも強く込められたMVです。
反復を繰り返すシンプルな歌詞
そばに来て
暗い一人の夜は長い
甘いままのバター
だるい温度で溶けたい
出典: BUTTER/作詞:tricot 作曲:tricot
この曲の歌詞に関しては、1つのフレーズの枠を反復するシンプルな構成になっています。
- 細かい位置に「韻」配置されていること
- 「あつい」でも「ぬるい」でもなく「だるい」という独特な言葉選び
これらによって耳あたりがよくかつ独特な世界観が作られています。
ライブ映像も公開中
ちなみにこの曲、環七フィーバーズNEO(旧ジロッケン環七フィーバー)より、live映像も公開されています。
同じ画面越しでも、やはりlive映像だとMVとはまた違う臨場感を感じられますね。