呑んで忘れられるのならば…
ああ……夢はぐれ 恋はぐれ
飲めば 飲むほど 淋しいくせに
あんた どこにいるの
あんた 逢いたいよ
出典: 恋唄綴り/作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄
酒を呑んで消えてしまった恋人を忘れようとする主人公。
いくら呑んだとしても、全く酔わないでしょう。
こういうときの酒は不思議ですよね。
いつもであれば泥酔してしまうくらい呑んだとしても、全く酔えずに出てくるのは涙ばかり。
「せめて居場所を教えて欲しい…」
そんな主人公の心の叫びがとても切なく、心をぐっとつかまれる感覚があります。
愛する人を失った喪失感
大切な恋人を突如として失ってしまった喪失感。
この気持ちを乗り越えるのは、誰しも難しいことです。
主人公のあふれる涙と心の叫びは、いつになれば消えてなくなるのでしょうか。
引き続き「恋唄綴り」の終盤の歌詞をお楽しみください。
降りしきる雨がまるで自分の心のよう
窓にしぐれの この雨は
あすも降るのか 晴れるのか
それとも涙が かれるまで
枕ぬらして かぞえ唄
出典: 恋唄綴り/作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄
降り続く雨を自分の涙と重ねてしまいます。
窓から見渡せる空には、とてもやみそうにない、どんよりとした雲が続きます。
「この雨がやめば自分も立ち直ることができるのかな…」
しばらくやみそうもない雨空と、自分の心が同じように感じてなりません。
もう何回唄を歌ったのか数えきれないほどです。
涙でずっしりと重くなってしまった枕が、いつ乾くのか全く見当がつきません。
ぬくもりを感じたい…
ああ……夢はぐれ 恋はぐれ
泣けば 泣くほど 悲しいくせに
あんた 抱かれたいよ
あんた 逢いたいよ
出典: 恋唄綴り/作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄
突如としていなくなってしまった恋人。
思い出されるのは温かかった彼のぬくもりです。
「また不意に現れて優しく抱きしめて欲しい…」
涙ながらに心で叫ぶ主人公の描写が共感できてなりません。
愛する人と抱き合う行為、愛する人から感じるぬくもり。
こんな思い出だけを残して消えてしまった恋人が恨めしい気分です。
酒と涙
失恋に酒と涙はよく似合います。
しかし酒の量と比例して、涙の量も増えるのです。
呑んで何も解決しないのはよくわかっているのに、ぽっかりとあいた心の隙間を酒で埋めようとします。
酒を呑むたびに切なさが募り、心の隙間がより大きくなってしまうのです。
もう一度会いたいと訴え続ける主人公が、けなげでなりません。
最後に
堀内孝雄の「恋唄綴り」、いかがでしたでしょうか?
歌詞に登場する主人公の恋人を想う気持ちと、苦悩している状況がとても伝わり、胸を締め付けられます。
大切な恋人との別れでは、全てがきっちりとケジメをつけられてはいません。
「恋唄綴り」のように突如として恋人がいなくなってしまう。
不慮の事故で恋人を失う。
様々な別れがあるでしょう。
残されてしまった立場で気持ちを考えると、いたたまれません。
そんな気持ちをイメージしながら「恋唄綴り」を歌うと、上手に歌いきれるのではないでしょうか。
堀内孝雄の動画をみてもわかるように、表情で歌うことも大切です。
この記事を読み終えて「恋唄綴り」の歌詞に入り込めるようになった今、以前とは全く違う感情移入ができます。
早速カラオケで堀内孝雄の「恋唄綴り」を楽しんでみてください。
いつものあなたと違う印象を与えられるようになっています。