海外でも人気の「真夜中のドア」
都会を感じるお洒落な曲
松原 みき(まつばら みき、1959年11月28日 - 2004年10月7日)は、日本の女性歌手、作詞家、作曲家。大阪府堺市西区出身、血液型はO型。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/松原みき
彼女の歌声や、都会を感じるお洒落なメロディーとアレンジは今聴いても新鮮です。
また、海外でも「真夜中のドア」は多くの人に愛されています。
恐らく外国の方がYouTubeにアップしたこの曲の再生回数は、既に1,300万回を超えて大人気です。
ズラリと並んだ英語のコメントに、音楽が持つ力は偉大だなと実感できます。
日本のシティーポップが海外で人気!
2018年頃から“日本のシティーポップが海外で人気”という記事を、ネットで見かけるようになりました。
シティーポップとは、1980年前後に日本で生まれた洋楽志向の強い洗練された音楽のことです。
山下達郎や竹内まりや、大滝詠一らがたくさんの名曲や名盤を発表して、今でも多くのファンに愛されています。
一流ミュージシャンが数多く参加した水準の高い楽曲は、時を越えて海外でも評価されているのです。
今回は、その中の1曲「真夜中のドア」の歌詞を紐解いてみたいと思います。
どこか冷めた目線の歌詞
主人公は強気な女性?
私は私 貴方は貴方と
昨夜言ってた そんな気もするわ
グレイのジャケットに 見覚えがあるコーヒーのしみ
相変わらずなのね ショーウィンドウに二人映れば
出典: 真夜中のドア/作詞:三浦徳子 作曲:林哲司
コーラスから始まるイントロがいきなりお洒落で、歌が始まる前からこの曲の世界へ誘い込まれてしまいます。
これこそシティーポップと呼ぶに相応しい、100点満点のイントロなのではないでしょうか。
“私”と“貴方”という少し冷めたように感じる表現から、これは大人の恋愛なのだと想像できます。
彼は年上の男性なのでしょう。
もしかしたら、かなり年が離れているのかもしれません。
二人は割り切った関係だと言ったのは彼女の方ですが、彼には弱みを見せたくないのでしょうか。
“~するわ”という言葉にも、強気な大人の女性の性格が表れているようです。
ジャケットの色からすると、季節は秋か冬なのでしょう。
飲み物や服装の好みから、やはり大人の男性なのだということが想像できます。
服が染みで汚れているのに気が付かないか、分かっていても気にしない無頓着なところもあるようです。
そんな所を彼女は好きだったのではないでしょうか。
それなのに、彼を突き放すような言葉を口にしてしまったのです。
どこか冷めた目線の歌詞が、恋の終わりを物語っているように感じます。
胸から溢れる切ない願い
英語で始まる印象的なサビ
stay with me… 真夜中のドアをたたき
帰らないでと泣いたあの季節が 今 目の前
stay with me… 口ぐせを言いながら
二人の瞬間を抱いて まだ忘れず大事にしていた
出典: 真夜中のドア/作詞:三浦徳子 作曲:林哲司
英語の歌詞で始まるサビの部分が、とても印象的です。
強気な女性のように思えた主人公の切ない願いで、歌の内容がガラリと変わります。
心の中で涙が乾ききらないうちに、季節はまた彼女に色々な思い出を運んでくるのです。
ドアを叩いたのは、部屋から出ていった彼を追いかけることが出来なかったのでしょうか。
部屋の外から叩いたのならば、2行目の歌詞につながりません。
彼が叩いたのでもなさそうだし、巡る季節が彼女の心を叩いたとすれば表現が強すぎます。
“瞬間”は「とき」と読みますが、そこから思い浮かぶのは刹那の恋です。
二人が熱い想いを交わしている、今この時を大事にしたい。
そう感じたあの瞬間を、彼女は忘れられないのでしょう。
胸から溢れるような切ない願いが、悲しい口ぐせになってしまったのかもしれません。