矢島美容室の誕生

矢島美容室「ニホンノミカタ-ネバダカラキマシタ-」の歌詞&MVが面白い!思わず聴いちゃう中毒性の秘密の画像

「矢島美容室」を覚えていますか?

バラエティー番組から誕生し、音楽界をも大いに賑わせてくれた親子ボーカルユニットです。

矢島家のマーガレット・カメリア・ヤジマ(以下、マミー)

矢島家長女ナオミ・カメリア・ヤジマ(以下、ナオミ)

矢島家次女ストロベリー・カメリア・ヤジマ(以下、ストロベリー)

彼女たちはアメリカのネバダ州から歌手デビューのために来日しました。

プロデューサーであるとんねるずとDJ OZMAに見込まれたというのが表向きの理由です。

ですが実は「失踪した父・徳次郎を探すため」というウラの目的も持ち合わせていたのです。

とんねるずとDJ OZMAのコラボのはずが……

矢島美容室「ニホンノミカタ-ネバダカラキマシタ-」の歌詞&MVが面白い!思わず聴いちゃう中毒性の秘密の画像

ユニット誕生のきっかけは「とんねるずのみなさんのおかげでした」にDJ OZMAが出演したこと。

そこでDJ OZMAが音楽を始めたのはロックバンド「矢島工務店」の影響と告白したのです。

「矢島工務店」は田舎の不良少年がロックに目覚めて情熱のままにバンドを結成する、同番組のコント企画。

とんねるず(石橋、木梨)+チェッカーズ(マサハル、クロベエ)の4人メンバーでした。

「矢島工務店みたいなバンドやりましょうよ!」ととんねるずにアプローチするDJ OZMA。

意気投合し「とんねるずとDJ OZMAでコラボ!」という企画が持ち上がったのです。

ところが、話し合いを重ねるごとに方向性の違いを感じる面々……。

「コラボ企画は立ち消えになるのか?」と心配されました。

そしてコラボの発表記者会見の日。会見場に姿を現したのは矢島家の3人の女性でした。

とんねるずとDJ OZMAを「プロデューサー」として「矢島美容室」のCDデビューが発表されたのです。

では彼女たちのデビュー曲「ニホンノミカタ-ネバダカラキマシタ-」のMVをどうぞ!

気づいたら歌ってる?

MVは3人のセクシーな後ろ姿から始まります。

実際の振り付けも同じですが、初めて見たときに「上手い!」と思いました。

彼女たちが「矢島美容室です」と名乗ったところで視聴者は「とんねるずとDJ OZMA」として見ます。

ですが、最初に大きなヒップをセクシーに揺らして見せることで「この人は女性」と脳が認識するのです。

その他の振り付けも動きが柔らかくて「女性らしさ」をイメージさせるものになっています。

ストロベリーがあえてカクカク動くのは「子供っぽさ」を表しているのでしょう。

歌は歌唱力が一番高いマミーが大切な部分を担当。

日本語ですが「あります」を「ありまとぅー」と歌うなど、キャラに徹しています。

歌声は太めにしっかり出していて「ソウル」の歌い方をイメージしているように感じました。

気づいたらあなたも「MI~KA~TA♪」と歌ってしまっていませんか?

続いて、俯瞰から日本を描いた歌詞を見ていきましょう。

ニホン、フシギネ……

ハジメテノ、ニホン

矢島美容室「ニホンノミカタ-ネバダカラキマシタ-」の歌詞&MVが面白い!思わず聴いちゃう中毒性の秘密の画像

遠くから 来ています
NEVADAから 来ています

パスポートちゃんとあります
すこしならYENも持ててます
お寿司が回って驚きました

みんなシンセツ聞いてます
カミナリマンは近いですか?
言葉が通じず睨まれました

だけど…
MI・KA・TA
サムライはどちらで会えますか?
MI・KA・TA
大和撫子十七変化

この国にユメが
あるのですね?
PAO! PAO! PAO! PAO!
PAO! PAO! PAO! PAO!

出典: ニホンノミカタ -ネバダカラキマシタ-/作詞:エンドウサツヲ 作曲:DJ OZMA

歌詞は彼女たちが日本に降り立った最初の印象から始まっています。

言葉が違う国に来た戸惑いと緊張感……。

でも彼女たちは何とか日本人とコミュニケーションを取ろうと努力します。

ネバダ州になかった「回転寿司」に11歳のストロベリーは大はしゃぎだったのでしょう。

マミーとナオミが大人しくさせた姿が浮かんできます。

「カミナリマン」は浅草の「雷門」のことですね。

古き良き文化が残っている浅草は、いつ行っても外国人観光客で溢れています。

雷門の大きな提灯は「インスタ映え」スポットなのでしょう。

日本に来たばかりの3人ですから、日本語がカタコトで睨まれてしまうこともあります。

それでも彼女たちは、徳次郎が生まれた日本に愛着を感じるようです。

もっと知りたい。もっと話したい。

サムライも大和撫子も現代にはいないなら、間違って覚えていたことを正したい。

「この国にユメがあるのですね?」

ここは、マミーがDJ OZMAから日本行きを打診されたときに聞いたのではないでしょうか。

もしかしたら失踪した徳次郎がそう言っていたことがあったのかもしれません。

それを思い出して歌っているとしたらとても切ないですね……。

キイテタノト、チガウネ

カタコトで So sorry
ニホンゴは ムズイです

おダイパ女神ありました
アキハパラにも行きましたが
キューティーパニー男の子でした

政治家嘘をつきません
先生は生徒守ります
税金無駄には使わないです

だから…
MI・KA・TA
どこから夜は明けて来ますか?
MI・KA・TA
リョーマは泣いてやしませんか?

この国に誇り
あるのですね?
PAO! PAO! PAO! PAO!
PAO! PAO! PAO! PAO!

出典: ニホンノミカタ -ネバダカラキマシタ-/作詞:エンドウサツヲ 作曲:DJ OZMA

2番は歌詞の奥深さが楽しめる部分です。

日本人が今更言えないことを「外国人」でカモフラージュして日本人に問いかけてきているようです。

女装をする「男の娘(おとこのコ)」は、今や秋葉原では普通に見られる光景。

そして政治家、教師、税金の使い道……。痛烈に日本を皮肉っています。

2番は歌番組で歌われることはほとんどありませんから、あえてこの位置に入れているのでしょう。

そしてその後は日本の今後を憂いています。

「今の日本が坂本龍馬が目指した“夜明け”の姿なのですか?」

そしてなおかつ「日本を誇りに思っていると言えますか?」という……。

とても強いメッセージが込められています。

ナットウハ、ネバダ!