きっと誰も知らない言葉が今僕の中で
渦を巻いて

出典: Night Diver/作詞:辻村有記 作曲:辻村有記

「誰も知らない言葉」とは胸の奥にしまっている自分の思いです。

あの時、ほんの少し彼女の気持ちを察してあげていれば相手を傷つけることはなかったはず。

足りなかったのは優しさなのでしょう。

愛の気持ちを素直に口にする勇気なのかもしれません。

こんな気持ちになるのなら、どうしてあの時その一言が言えなかったのか、彼は後悔しています。

その言葉は、飲み込むことも吐きだすこともできません。

何度も繰り返される言えなかった愛の言葉

ずっとLoop Loop Loop Loopして
吐き出そうと声を出してみてもうまくいかない

出典: Night Diver/作詞:辻村有記 作曲:辻村有記

胸の鼓動が大きくなってきて、また眠れない夜がやってきます。

言えなかった愛の言葉が、何度も頭の中で繰り返されて彼を悩ませるのです。

真っ暗な夜は、彼の胸を締め付けます。

眠れない夜の闇は、漆黒の海に単身潜って彷徨い続けるダイバーのようです。

一寸先も見えない、希望の光が届かない夜の海の底。

らせん状に回転しながら沈んでいく自分の姿を想像しています。

夢なのか現実なのかわからない世界です。

段々と暗い海の底が目前に迫ってきます。

波に押されて堕ちていく姿は、未練から抜け出せないでもがいている切ない自分です。

記憶と後悔が胸を閉めつける

過去に戻れてもやり直せない

あの頃に戻れるなら僕に何が出来るだろう
多分何も変わらなくて
きっと今の僕には変えられない

出典: Night Diver/作詞:辻村有記 作曲:辻村有記

タイムマシンに乗って過去に戻れたら、二人はやり直せるのでしょうか。

去っていく彼女の後ろ姿に一声かけていたら、彼女が振り向いてくれたかもしれません。

今のままでは、過去に戻っても胸の思いを吐きだせずに同じことの繰り返しになります。

言いたいことは喉元まで来ているのに、ただ黙って去っていく彼女を見ているだけ。

彼女も彼の一言を、背中に感じていたかもしれません。

愛の言葉を聞くことができたら、振り返って走って彼の胸に飛び込もう。

彼にも、自分の気持ちさえ口にできれば、彼女を取り戻せる実感があったはずです。

前に進めないままではだめだ

ずっとこのままで良いわけなんてあるはずもない
弱音吐いた夜をLoop Loop Loop Loopして
情けないこの心に生きる理由を与えて
My heart beats faster Night Diver Night Diver Night Diver

出典: Night Diver/作詞:辻村有記 作曲:辻村有記

このまま彼女を放っておいて、自分の胸に気持ちを閉じ込めたままで良いわけがありません。

今の彼には、彼女に再び会って気持ちを伝える勇気がないのです。

自分を慰めるための言葉ばかりが繰り返されて先に進めません

情けない自分を奮い立たせるわけでもなく、弱気な心だけを抱きしめてただ黙っています。

漆黒の海の底に堕ちていくのは、情けない自分にあきれている自虐的な彼の心です。

幸せを感じていた過去の記憶

勘違いしていた過去の自分

記憶の中であの日を思い出す
くだらないプライドばっか掲げて
知りもしないくせに適当に過ごしてばっか

出典: Night Diver/作詞:辻村有記 作曲:辻村有記

彼女との行き違いが重なり、ついに別れの日を迎えました。

古い記憶の中の一日の出来事です。

若い頃の彼は、やたら強がって見栄を張って生きてきたようです。

形だけのカッコよさを求め、自分のステイタスにしていました。

彼女の前でも、見栄や強がりを捨てきれません。

口に出す言葉や態度も、あと先のことを考えず適当でした。

二人の関係を真剣に考えることすら、カッコ悪く思えたのでしょう。

彼女は彼のそんな態度が許せませんでした。

人生をもう少し真剣に考えて欲しかったのです。もちろん二人の愛のことも。