階段の踊り場では思わぬ人に出くわします。
同じ中学だった人、部活の先輩、教わったことのない先生。
学校は一般的に階で学年を区切っています。
踊り場はその境界線となり、出会いの場ともなります。
先生が各教室に向かうにはたいていどこかの階段を通ります。
はしゃいでいて怒られた経験のある人もいるかもしれませんね。
MV「あなたとの約束」ではそれらがフィルムで流れます。
過去を振り返るメンバーの目にも切ない表情が写っています。
過ぎてしまった思い出は美化されるものです。
励ましの声
途中で あきらめないこと
誰だって 初めからできたわけじゃないから
出典: あなたとの約束/作詞:塚地武雅 作曲:
彼女たちをバックに流れるのは励ましの歌声です。
部活や勉強などでくじけた友達がいたのでしょう。
初めからうまくできた人はいないと応援します。
人は失敗しないと物事を覚えません。
失敗することで初めてコツをつかむのです。
楽器がうまく演奏できなかったり、ダンスが上達しない。
そんな友達にかけた一言を歌詞で表現しています。
しかし、それ以上に大切なモノがあります。
かのアルバート・アインシュタインは言いました。
”好奇心は知識よりもずっと重要だ”
空が見渡せる学校プール
卒業と制服
水泳の授業が行われるプール。
そこでは、私服姿のたこやきレインボーがインスタントカメラで撮影をしています。
本来、制服かスクール水着でいる場所に私服姿のメンバー。
きっと違和感を持ったことでしょう。
日本の学校は制服があるのが一般的です。
私服というカジュアルな恰好は彼女たちが卒業したことを暗示しています。
もう制服は着られないのです。
嫌なことや嬉しかったこともプールや校庭に凝縮。
ある場所を訪れると当時の記憶が呼び戻されることがあります。
タイムマシンに乗って過去へ戻ったような感覚に囚われるのです。
きっと、たこやきレインボーのメンバーの脳細胞にも記憶が刻まれていることでしょう。
約束
指きりで結んだ約束を
今でも私は忘れないで守ってる
出典: あなたとの約束/作詞:塚地武雅 作曲:
サビで再登場する”約束”。
過去に結んだ友達との約束を今も守っている様子を描いています。
子どもらしい健気な感じがよく表れていますね。
子どもは大人以上に真剣に物事を考えます。
一見、ふざけているような言動でも差し迫った状況なのです。
特に目上の人に相談するときは重大な悩みを抱えているときがあります。
約束に関しても同じです。
鶏のようにころっと忘れてしまう子どもいれば、しっかり守る子どももいます。
千差万別です。
例えば、友人同士の約束。
たいていのケースでは片方が必ず覚えています。
記憶が大脳新皮質から完全に抜け落ちていても友達が鍵となるのです。
友達の顔が蘇って、”あの時の約束か!”と思い出されます。
校舎の屋上
天網恢恢とした屋上
フィルムを教室で回しながら、当時の失敗を思い出します。
どうしてでしょうか。
成功より失敗した出来事の方が強く記憶に残っています。
そのシーンを振り返って笑い合うたこやきレインボーのメンバー。
和気あいあいとしています。
校舎の屋上というと立ち入り禁止のイメージがありますね。
みなさんの学校ではどうでしたか。
小説などでは個性的なキャラが寝そべって音楽を聴いていたりします。
どことなくイケナイ感じの生徒が集まる印象もあるでしょう。
また、写生会のときだけ解放されて飛び回った人もいるかもしれません。
学校は周辺で一番高い建造物であるケースが多いです。
避難所となる理由もそこにあります。
学校の屋上からの景色はいいものです。
MV「あなたとの約束」はそれらを見事に想起させてくれます。