そして僕が先に電車を降りることになります。
もっと彼女と一緒にいたいのに、もっと彼女のことを見ていたいのに。
自分からそれをできない状態にしているのがとても切ないのです。
そして彼女はそんな自分に気づきもせず、電車は進んできます。
「このタイミングで彼女から話しかけてくれたら」という期待も抱いているのかもしれません。
窓から外を見ている彼女。
彼女が見ている風景の中には僕の姿もあるでしょう。
しかし、それはただの風景の一部。
彼女が自分のことだけを見てくれていることはありません。
もし彼女が僕のことを見てくれていたら、もっと距離が近づけるのに。
そんな「奇跡」のような出来事を僕は求めているのです。
僕にとって、これは初恋。
だからこそ、あまり積極的にアピールすることができないのでしょう。
そのため、彼女から何か行動を起こしてくれることを待っているのかもしれません。
まだ諦めない
友達でもいいから
何回 すれ違ったら 僕の存在気づいてくれる?
いつか ごく自然にさりげなく「おはよう」って声を掛けたい
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
いつも同じ電車に乗り、ホームでは彼女が見る風景の中に僕がいる。
だからといって、僕の存在に彼女が気がついているという証拠はありません。
歌詞の1行目の「すれ違う」というワードから、彼女とは近い距離に何度かいることがわかります。
徐々に近づいてはいるものの、それでも彼女が僕に気づくことはないのです。
いつかは挨拶できる友達のような関係にまでなりたい。
まずは友達になることが僕にとっては目標なのです。
僕はまだスタートラインにすら立っていないのかもしれません。
まだまだ
好きですと言うには遠すぎる(WOW WOW WOW)
名前さえ 知らない現実が(切なくて)
部活は何をやっているのだろう
君のことをもっとこれから知りたいんだ
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
そのような状態で告白なんてできません。
彼女の名前も知らない。
知っているのは顔と髪型と制服だけ。
僕はまだ彼女のことを全く知らない状態なのです。
つまり、付き合うなんて到底無理だと思ってしまうようなレベルに自分がいることが辛すぎるのでしょう。
この先もっと関係が縮まるのか、その光が全く見えない状態が続いているのです。
そして彼女が必死に取り組んでいることも知りたいと思っています。
僕の気持ちはまさに歌詞の4行目。
この歌詞には「これから」という言葉が入っています。
現実を考えると難しいと思いつつも、全く諦めていない様子が伝わってくるのではないでしょうか。
何も知らないけど、これからまだ知るチャンスはある。
めげている暇はないのです。
君に近づきたい
僕を見て
僕に気づいて欲しい ここだよ!(ここだよ!)
いつも君をこの場所で見ているよ(WOW WOW WOW WOW)
ときめいてる気持ちは ここだよ!(ここだよ!)
卒業までに伝わればいいな 「好きだ」
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
今僕はまだ彼女が見ている背景の一部にすぎません。
だからこそ、認識されたいのです。
いつも電車の中の端や、駅のホームから彼女を見ている僕。
だから、彼女にも僕を見て欲しいのです。
そして僕は「君に恋をしていることに気がついて」と思っています。
歌詞からはどこか必死な様子が伝わってきます。
そして、自分でもこの恋のタイムリミットを決めているのです。
時間が限られているからこそ「好き」という気持ちが強まっているのかもしれません。
絶対に叶える
初恋は絶対叶わないもの
みんなから 言われて来たけれど
振り向いて
出典: 君のことをまだ何にも知らない/作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
僕は、歌詞の1行目にあるようなことをずっと言われてきました。
たしかにそうなってしまう確率は高いかもしれません。
先ほど僕自身も「儚いもの」といっていました。
うまくいく可能性が低いことは、自分でも気がついているのです。
しかし、そんなことは関係ありません。
僕はどうしても彼女にこっちを見て欲しいのです。
歌詞ではとても彼女に任せるかのような表現がされています。
しかし、彼女との距離を近づけたいという気持ちが伝わってくるのではないでしょうか。