時は過ぎ、友は就職をしました。

仕事をするのはあくまでもお金を稼ぐため。

お金のために、子供相手に人生の教えを説いているのです。

そのことを聞いて主人公はどう思ったのでしょう。

どこか歌詞からは冷たい印象を受けます。

教師という人の人生を動かすような役職でありながら、まるで仕事にやりがいを感じていないような友。

そんな友をあまりよく思ってはいないのかもしれません。

とはいえ、5行目に「よき友」と書かれています。

過去にたくさんの思い出を共有した友。

だからこそ、挨拶代わりに暑中見舞いの手紙を出したのです。

しかし返事がきたのは秋。

仕事が忙しいのでしょうか。

友の中で、自分の存在がだんだん薄れてきているような印象を受けます。

しかし、この2人の距離感は納得できるのではないでしょうか。

学生時代に比べて、社会に出れば友人との距離は離れてしまうもの。

仕方のないことなのです。

だからこそ、より友に会いたいという気持ちが徐々に芽生え始めてくるのです。

会いたい気持ち

過去の友

古き時代と人が言う
今も昔と俺は言う
バンカラなどと口走る
古き言葉と悔みつつ
アー友と よき酒を
時を憂いて飲みあかしたい
今も昔もこの酒つげば心地よし

出典: 我が良き友よ/作詞:吉田拓郎 作曲:吉田拓郎

そして現在。

過去のことを思い出していることがわかります。

しかし、主人公の中では今も昔も変わらないという印象を受けました。

高校時代の服装「バンカラ」。

現在では使わない言葉です。

「あの時はバンカラだったよな」などと話していても、もうその言葉が使われることはありません。

その時代を共有した人との間でしか伝わらない言葉なのです。

そのため、友とお酒を酌み交わしながら、過去の話をしたいのでしょう。

そうすれば、いつでも過去の気持ちに戻ることができます。

歌詞の7行目。

「この酒」と書いてあることから、特定のお酒ということがわかります。

おそらく、大学時代に恋の話をしていた時に飲んでいたお酒。

あの時と同じように、お酒を飲みながら盛り上がる。

それがとても安心する空気感なのでしょう。

あの頃へ

学生達が通りゆく
あいつ程ではないにしろ
まじめなのさと言いたげに
肩で風切って飛んでゆく
アー友よ よき奴よ
今のくらしにあきたら二人で
夢をかかえて旅でもしないかあの頃へ

出典: 我が良き友よ/作詞:吉田拓郎 作曲:吉田拓郎

現在の学生たちの姿を、過去の自分たちと重ね合わせています。

そして、仲の良さそうな学生たちを見て、当時自分と友の仲が良かったことを思い出すのです。

バンカラの学生たちとは違い、おそらくきっちりとした学生服を着ているのでしょう。

真面目な雰囲気で、堂々とした姿で歩いています。

そんな学生たちを見て、思い出したのは友のこと。

バンカラスタイルで、恋にうぶだった友も、実はとても真面目だったのです。

もしかしたら、現在の友は昔と少し変わっているかもしれません。

しかし、それでもそんな友に「会いたい」と思っているのです。

久しぶりに会って「過去のことを語り合いたい」のです。

もし現実に疲れたら、まるでタイムスリップしたかのように昔話で盛り上がりたい。

あの時の純粋でキラキラしていた気持ちに戻りたい

そう主人公は思ったのでした。

理想の男の生き方

男らしさとは

この曲では「男らしさ」は「優しさ」だと述べています。

友はそのことを徐々に忘れていってしまいます。

歳をとるにつれ、気持ちに変化が出てしまうのは仕方のないこと。

だからこそ、主人公は友にそのことを思い出して欲しいのです。

バンカラのような、正義感に溢れ、芯の通った優しい人物。

忘れがちなことではありますが、それが真の「男らしさ」なのでしょう。

熱い話をする

この曲では、主人公が友に会いたくなっている様子が伝わってきます。

会って、お酒を飲みながら、過去の思い出話に花を咲かせる。

社会に出て、関係が薄れてしまっていても、同じ時間を過ごした仲間です。

きっと昔のような会話をすることができます。

過去のことを話すだけでなく、今の夢を熱く語り合う。

友人だからこそできる会話かもしれません。

学生時代の時のように、心の内をありのままに話すことができるのも友だけ。

友とならば熱く語ることができるのです。

学生時代の生き方は「男らしさ」が溢れた生き方でした。

もしその時の気持ちを忘れていたとしても、友と話せばその時の「男らしい」気持ちに戻れるはず。

理想の男の生き方を思い出すことができるのです。

まとめ

かまやつひろし【我が良き友よ】歌詞の意味を解説!本当の男らしさとは?理想の男の生き方を探す心情に迫るの画像

かまやつひろしさんの「我が良き友よ」の歌詞について解説しました。

この曲では「あいつ、今どうしているかな」という気持ちがしっかりと書かれています。

歳を重ねるにつれ、おそらく多くの人が思うであろうこの気持ち。

相手がどんな人間になっていようと、同じ時間を過ごした友。

その相手は「良き友」であることに変わりはありません。

そんな誰もが感じたことのある歌詞だからこそ、長く愛されるのではないでしょうか。

メロディも明るく、過去のことを思い出して「懐かしいな」と感じているようです。

歌詞とメロディの雰囲気が合わさって、さらに素敵な曲にパワーアップしているのです。